新日本製薬<4931> 中長期の成長を見据えた積極投資による費用増のため利益成長を我慢する局面

2022/02/17

オールインワン化粧品でトップシェアのブランドを持つファブレスメーカー
中長期の成長を見据えた積極投資による費用増のため利益成長を我慢する局面

業種: 化学
アナリスト: 藤野敬太

◆ 会社概要
・新日本製薬(以下、同社)は、オールインワン基礎化粧品やヘルスケア商品のファブレスメーカーで、「パーフェクトワン」はオールインワンスキンケア化粧品の分野でトップシェアを獲得している旗艦ブランドである。

◆ 21年9月期決算
・21/9 期決算は、売上高33,899 百万円(前期比0.5%増)、営業利益3,424百万円(同2.8%増)となった(前期比は20/9 期単体業績との比較)。増収増益となったものの、広告投資の最適化が遅れて伸び悩んだ通信販売や、新型コロナウイルス禍の影響を受けた直営店舗販売・卸売販売が会社計画を下回り、全体でも期初計画を下回った。

◆ 22年9月期業績予想
・22/9 期業績について、同社は、売上高37,000 百万円(前期比8.1%増)、営業利益3,095 百万円(同9.6%減)を計画している(22/9 期より新収益認識基準の適用となるが、前期比は新収益認識基準を適用したものとして算出した21/9 期業績との比較、以下同じ)。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、22/9 期の業績予想を、売上高37,277 百万円(前期比8.9%増)、営業利益3,127 百万円(同8.7%減)とした。中期経営計画に沿って積極的に投資をしていく方針を反映させ、売上高営業利益率は8.4%まで低下すると予想した。

◆ 今後の注目点
・当センターでは、23/9 期は前期比11.7%増収、24/9 期は同11.2%増収、売上高営業利益率は23/9 期7.7%、24/9 期7.8%と予想した。
・25/9 期に売上高500 億円、売上高経常利益率8.5%を目標とする中期経営計画では、「パーフェクトワン」のトップシェアの維持と、ヘルスケア商品の事業ポートフォリオの拡充が焦点となる。計画達成に向けての積極投資で22/9 期と23/9 期までは利益成長が抑えられる見込みで、当面はマーケティング投資やブランド投入等の施策の進捗状況に注目したい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。