STIフードホールディングス<2932> 今後の需要拡大が見込まれる中で、当面は生産能力の拡大の進捗に注目

2022/01/18

セブン‐イレブン向けが中心の研究開発型の水産食品メーカー
今後の需要拡大が見込まれる中で、当面は生産能力の拡大の進捗に注目

業種: 食料品
アナリスト: 藤野敬太

1.会社概要
・STIフードホールディングス(以下、同社)は、水産原料素材の調達から製造・販売までを自社で一貫して行う水産食品メーカーである。セブン‐イレブン向けの食品または食材を多く扱っている。

2.財務面の分
・事業持株会社として設立された18/12期以降、生産能力の拡大とともに増収が続いた。利益面では、19/12期は配送費の増加等で減益となったが、20/12期は子会社の生産管理体制が確立して大幅増益となった。
・惣菜を供給する上場企業に比べ、同社の自己資本利益率(ROE)は高い。売上高営業利益率や総資産経常利益率が高いことに加えて、財務レバレッジを効かせながら、成長している局面にあることがうかがえる。

3.非財務面の分析
-イレブン・ジャパン(関係資本)との取引量の増加と生産体制(組織資本)の強化がうまく噛み合いながら業容を拡大してきた。

4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、生産能力の増強と製造拠点の労働力の獲得が挙げられる。
・水産惣菜メーカーとしての供給責任を果たすべく、生産能力の拡大を成長戦略の根幹に置いている。その上で、セブン‐イレブン・ジャパン及び7-Eleven, Inc.との取引拡大、新規販売チャネルの開拓、研究開発と新商品開発の強化を進めていくとしている。

5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、参入障壁の高い、製造技術を重視したビジネスモデルを評価している。どの戦略を採ろうとも、当面は、増加が見込まれる需要に見合う生産能力の拡大が必要であり、その進捗に注目していきたい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。