のむら産業<7131> 包装資材と包装機械の両方を手掛ける数少ない企業

2021/12/08

米穀用包装資材・包装機械の企画開発や物流梱包用製品の仕入販売を行う
包装資材と包装機械の両方を手掛ける数少ない企業

業種: 卸売業
アナリスト: 髙木 伸行

◆ 主に米穀業界向けの包装資材や機械を扱う
のむら産業(以下、同社)及び連結子会社である山葉(やまは)印刷、パックウェルから成る同社グループは包装関連事業と物流梱包事業を営んでいる。包装関連事業は20/10期の同社グループの売上高の85.3%、物流梱包事業は14.7%を占めている(図表1)。同社は包装機械や包装資材の企画開発・販売、山葉印刷は包装資材の製造、パックウェルは梱包に必要な機械や商品の仕入販売を行っている。

1959年に設立された同社の前身である野村紙業を65年に設立された同社が吸収合併した(吸収合併は66年)。66年8月に、スーパーなどの売り場で目にするポリエチレンを材料とした米穀精米袋(ポリ袋)を開発し、販売を開始した。同社は米穀包装資材・機械のパイオニアと言える。

17年11月に山葉印刷よりポリエチレン印刷事業を譲り受け(子会社であるのむら印刷が譲り受け、のむら印刷は山葉印刷へ商号を変更)、18年2月にパックウェルを完全子会社化し、事業領域を広げてきた。

◆ 包装関連事業
包装関連事業は包装資材部門と包装機械部門で構成されている。

1)包装資材部門
包装資材部門では米穀精米袋を始めとして、食品向けなどの包装資材の企画・デザイン、販売を行っている。同社が包装資材を企画・デザインし、山葉印刷や外部メーカーに発注し、仕入れて販売している。またメーカーや商社から包装資材を仕入れている。販売先は全農系統卸や米穀卸の精米工場、米穀小売業者、会社企業や菓子、肥料、ペット関連商材を扱う事業者となっている。

2)包装機械部門
米穀用自動計量包装機械や食品業界向けの計量包装機械の企画開発及び販売やアフターサービスを行っている。同社の機械の特徴は計量機と包装機が一体となっており、小型で精度が高い点にある。製造については機械メーカーや部品メーカー、商社に発注している。販売先は包装資材と同じである。

◆ 物流梱包事業
同社の子会社のパックウェルが担当しており、エアー緩衝材の製造機、専用フィルム資材、ウレタン発泡材生成機、紙緩衝材製造機、紙製テープに糊材を塗布して乾燥させ、水をつけて使用するガムテープの操出機・封緘機などの封函・製函機や緩衝材などの仕入販売、機械の導入支援やメンテナンスを行っている。また、海外メーカーの商材を仕入れて、販売、メンテナンスを行っている。主な販売先はオンラインストア企業、発送代行会社などである。

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資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。