イノベーション<3970> 新型コロナ禍による需要急増は一巡も、22年3月期会社計画は早くも上方修正

2021/09/17

法人営業プロセスの非効率をなくすためのソリューションを提供
新型コロナ禍による需要急増は一巡も、22年3月期会社計画は早くも上方修正

業種:情報・通信業
アナリスト: 藤野敬太

◆ 会社概要
・イノベーション(以下、同社)は、法人営業プロセスの非効率をなくすソリューションを提供している。同社の事業は、見込み顧客獲得のオンラインメディア事業と、見込み顧客を購入につなげるまでのITソリューション事業のほか、22/3期からは金融プラットフォーム事業が加わった。

◆ 21年3月期決算
・21/3期決算は、売上高3,083百万円(前期比52.5%増)、営業利益517百万円(同196.5%増)となった。主力のオンラインメディア事業で新型コロナウイルス禍を追い風として同社サイトの検索数が急増したこと、ITソリューション事業で収益性の改善が進んだことにより、大幅増益となった。

◆ 22年3月期業績予想
・22/3期業績について、同社は売上高3,740百万円(前期比21.3%増)、営業利益590百万円(同14.0%増)を予想している。既存のオンラインメディア事業と、新たに独立セグメントとなった金融プラットフォーム事業が想定以上に好調で、第1四半期決算公表時に会社計画は上方修正された。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、22/3期について、売上高3,856百万円(前期比25.1%増)、営業利益638百万円(同23.3%増)と、会社計画をやや上回る水準を予想した。オンラインメディア事業での「ITメディア」への来訪者数の伸びは前期に比べて緩やかになるものの、資料請求数の増加により堅調に推移することと、金融プラットフォーム事業の拡大等を織り込んだ。

◆ 今後の注目点
・当センターでは、23/3期は前期比14.3%増収、24/3期は同13.0%増収となり、売上高営業利益率は、24/3期には19.3%まで上昇していくと予想した。21/3期に見られた新型コロナウイルス禍による需要急増は一巡したものの、法人営業のオンライン化は後戻りせず、需要は中期的に堅調に推移していくと考えている。また、グループ経営体制を強化してきており、今後の事業領域の拡大の方向性にも注目していきたい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。