要興業<6566> 外部要因が読みにくい状況は続くが、22年3月期利益は前期並みの会社計画

2021/09/10

東京23区を地盤に事業所からの廃棄物を扱う総合廃棄物処理業大手
外部要因が読みにくい状況は続くが、22年3月期利益は前期並みの会社計画

業種: サービス業
アナリスト: 藤野敬太

◆ 会社概要
・要興業(以下、同社)は、一般的な事業所から排出される廃棄物の収集運搬、処分、リサイクルを中核事業としている。事業地域は東京23区であり、東京23区の民間事業者の中ではトップシェアである。

◆ 21年3月期決算
・21/3期決算は、売上高11,002百万円(前期比4.2%減)、営業利益896百万円(同11.1%増)となった。収集運搬・処分事業での新型コロナウイルス禍によるごみの量の減少と、リサイクル事業での資源価格下落で減収となった。また、以前から進めていた廃プラスチック処理費用の価格転嫁の効果や全社的な費用削減により、当初は減益想定だった水準を大きく上回って増益となった。

◆ 22年3月期業績予想
・22/3期業績について、同社は、売上高11,334百万円(前期比3.0%増)、営業利益902百万円(同0.7%増)と計画している。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、22/3期の業績について、売上高11,493百万円(前期比4.5%増)、営業利益968百万円(同8.1%増)と予想した。収集運搬・処理事業で20/3期に見られた新型コロナウイルス禍によるごみの量の減少が一巡することと、リサイクル事業での直近の資源価格上昇の影響を織り込んだ。

◆ 今後の注目点
・当センターでは、23/3期が前期比6.5%増収、24/3期7.0%増収となり、売上高営業利益率は24/3期には8.7%まで回復すると予想した。
・新型コロナウイルス禍の影響と、リサイクル事業での資源価格の変動は同社でコントロールできない業績変動要因であり、その影響が見通しにくい状況が続く可能性が高い。当センターでは、外部要因の短期業績への影響には注意を払いつつも、収集運搬・処理事業における「路線化」等の同社の強みを評価しており、収集運搬・処理事業の主要経営指標である収集現場数は着実に増加を続けていることから、地力を蓄えていると評価する。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。