プロパティデータバンク<4389> 22年3月期は前期より増益ペースは落ちるが、中期の増収増益の安定感は高い

2021/07/19

不動産管理業務支援のためのクラウドサービスを提供する不動産テック企業
22年3月期は前期より増益ペースは落ちるが、中期の増収増益の安定感は高い

業種: 情報・通信
アナリスト: 藤野敬太

◆ 会社概要
・プロパティデータバンク(以下、同社)は、顧客が保有する不動産・施設の運用管理支援のための統合資産管理クラウドサービス「@プロパティ」を提供している。ファンド・J-REIT向けでは高いシェアを占めている。

◆ 21年3月期決算
・21/3期決算は、売上高2,165百万円(前期比17.4%増)、営業利益504百万円(同58.3%増)となった。同社の期初計画に対する達成率は売上高が101.9%、営業利益が136.3%であった。登録棟数の増加や新規導入の増加で順調に増収になったことに加え、組織変更による効率化が進んで、売上高営業利益率は前期比6.0%ポイント上昇の23.3%となった。

◆ 22年3月期業績予想
・22/3期業績について、同社は売上高2,430百万円(前期比12.2%増)、営業利益533百万円(同5.7%増)と計画している。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、22/3期の業績を、売上高2,486百万円(前期比14.8%増)、営業利益569百万円(同13.0%増)と会社計画を若干上回る水準を予想した。新サービスの開始による減価償却費の増加や開発費用の増加を織り込んでの原価上昇により、売上高営業利益率は前期比0.4%ポイント低下の22.9%と想定した。

◆ 今後の注目点
・当センターでは、23/3期は12.1%増収、24/3期は12.3%増収を予想し、売上総利益率の緩やかな上昇と、販売費及び一般管理費が増収率を下回る増加に留まることにより、売上高営業利益率は24/3期に25.0%まで上昇していくものと予想した。
・既存の「@プロパティ」については、主に、クラウドサービスの対象となる登録棟数の積み上がりに着目している。安定的に増収増益を続けていく中期経営計画の進捗とともに、今後の新サービス投入でどのようにサービスの幅を広げていくかについても注目していきたい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。