ベイシス<4068> 全国に協力会社を擁し、全国規模かつ大量設置案件に対応できる体制が強み

2021/06/25

携帯電話とIoT機器のネットワーク構築・運用等を行う独立系エンジニアリング会社
全国に協力会社を擁し、全国規模かつ大量設置案件に対応できる体制が強み

業種: 情報・通信業
アナリスト: 松尾 十作

◆ 通信回線構築会社
ベイシス(以下、同社)は、通信・電力・ガス等の事業者に対して、通信回線構築に関する設計・施工・運用・保守サービス、及び各種プロジェクト支援等のサービスを提供している。同社は手掛けている事業をインフラテック事業と称しているが、インフラとテクノロジーを掛け合わせた、同社による造語である。事業は単一セグメントだが、提供している主たるサービスはモバイルエンジニアリングサービスとIoTエンジニアリングサービスのふたつである。

モバイルエンジニアリングサービスは、携帯電話の通信回線の構築、運用、監視等に係る一連のサービスである。2000年7月に設立された同社は、11年からソフトバンク(9434東証一部)との取引が始まり、続いて他の通信キャリアとの取引も開始された。通信キャリア等に、同社及び協力会社のエンジニアを常駐させ、通信機器が設置された後の定常的な運用監視及び保守に係る業務が主力である。こうした客先常駐型業務は1カ月~3カ月の契約を更新するストック型ビジネスの準委託契約である。また、通信基地局構築も手掛けているが、基地局工事が完工した際に売上を計上するフロー型のビジネスである。

IoTエンジニアリングサービスは、IoT機器の設置、運用及び監視等のサービスを提供している。15年に首都圏の電力供給を担っている東京電力パワーグリッドとの取引開始により電力スマートメーター注1の設置作業を始め、IoTエンジニアリングサービスを開始した。

主要都市(札幌、仙台、東京、大阪、広島、福岡)に事業拠点を擁し、自社のエンジニアを配置している。自社エンジニアのうち54%(21年2月末時点)が第一級陸上特殊無線技士等国家資格を保有している。また、全国各地の協力会社267社(同)と「ベイシスパートナーズ」というネットワークを構築している。 ベイシスパートナーズは人材派遣会社、工事会社、システム開発会社等から 成りで、専属契約は締結していない。

21/6 期第3 四半期累計の主要顧客(売上高構成比で10%以上を占める顧客) はソフトバンクと楽天モバイルで、いずれもモバイルエンジニアリングサービスの顧客である(図表1)。19/6 期では楽天モバイルとの取引額は開示されていない。東京電力パワーグリッドは19/6 期でIoT エンジニアリングの主要顧客であり、20/6 期以降も取引は継続している。

>>続きはこちら(1.05 MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。