日本リビング保証<7320> アフターサービスプラットフォームの運営企業としての進化に期待
住宅設備の保守・保証をはじめとするアフターサービスのトータルソリューション企業
アフターサービスプラットフォームの運営企業としての進化に期待
業種: その他金融業
アナリスト: 藤野敬太
1.会社概要
・日本リビング保証(以下、同社)は、住宅設備の延長保証会社として創業し、住宅の保守・保証をはじめとするアフターサービスのトータルソリューション企業として事業を展開している。
2.財務面の分析
・サービスの規模拡大により、公表されている範囲では20/6期まで7期連続増収となり、年平均増収率は43.7%だった。一方、15/6期に経常黒字となったが、16/6期及び17/6期は固定費の増加で利益水準は低く留まった。18/6期以降は経常利益が積み上がっていくようになった。
・同社と類似のサービスを持つ上場企業との比較では、同社の成長性の高さと自己資本利益率の高さが目立つ。前者は同社が利益拡大局面にあるためだが、後者は低い自己資本比率によるもので、事業の構造上、当面は低い自己資本比率による高い自己資本利益率の状況が続くものと予想される。
3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、創業より関わってきた4名の取締役(人的資本)であり、この4名を中心に保証サービスが始まり、ノウハウ(組織資本)が蓄積された。それがサービスの改良を通じて、住宅事業者を中心とした顧客基盤(関係資本)の強化につながり、事業収益化につながった。
4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、BtoC型のサービスの知見の獲得及び蓄積、M&Aの経験の活用、投資運用の推進が挙げられる。
・同社はアフターサービスプラットフォームの強化と営業連携の強化を中長期戦略の中心に据えている。アフターサービスプラットフォームの強化については、既存領域での新サービスの投入を続けるほか、決済関係のソリューションに関するサービスを展開していく方針である。
5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、住宅事業者を直接の顧客とするBtoBtoC型のサービスとして展開したことが現在の事業拡大につながったと評価している。今後、アフターサービスプラットフォームの充実を目指して投入が予定されているBtoC型のサービスの成否に注目していきたい。