ネオマーケティング<4196> マーケティングコンサルタント増員と提供サービスの拡大により成長を目指す

2021/04/27

消費財メーカー等を主要顧客に生活者起点のマーケティング支援事業を展開
マーケティングコンサルタント増員と提供サービスの拡大により成長を目指す

業種: 情報・通信業
アナリスト: 鎌田 良彦

◆ 消費財メーカー等を主要顧客にマーケティング支援事業を展開
ネオマーケティング(以下、同社)グループは、同社と子会社3社(うちNEO MARKETING ASIA LIMITEDは21年2月に清算結了)からなり、「生活者起点のマーケティング支援」をコンセプトに、食品、化粧品、日用品、家電等の消費財メーカーや消費者向けサービス会社を主要顧客とするマーケティング支援事業を行っている。

同社グループの事業セグメントは、マーケティング支援事業の単一セグメントであるが、主要サービスについて開示を行っている(図表1)。

◆ マーケティングフレームワーク4K
同社では、顧客のマーケティング活動を独自の「マーケティングフレームワーク4K」に基づき4 つのプロセスに分けて考察し、それらに対応するサービ スを提供している(図表2)。

4K とは、生活者インサイトの発見(カクシン)から商品開発(カイハツ)、販売促進(カイタク)から各施策の改善(カイゼン)までを指す。同社のマーケティングコンサルタント(営業人員)は、マーケティングフレームワーク4K を活用し、顧客に対してマーケティング活動全体を俯瞰した提案を行っている。

◆ カスタマードリブンサービス
同社が運営する生活者パネル注1「アイリサーチ」の会員に対するインターネット上でのアンケート結果を定量的に分析し、顧客起点のマーケティングを行うサービス。特長は、顧客を優良顧客、一般顧客、離反顧客、非購入者、非認知者に分類し、顧客が商品やサービスを知ってから最終的に購買するまでの行動・思考・感情等を解析することで、プロモーション施策の戦略立案から実行後の検証までを提供できる点にある。

アイリサーチの登録者は20 年10 月現在約55 万人で、登録者の性別、年齢、所在地等の属性情報の全登録者に対する構成比率がインターネット人口における比率と近似するように構成されている。また、大量のアンケート対象者が必要な場合には、提携会社とのパネル連携により、1,983 万人超(20 年10 月現在)の生活者パネルの活用が可能となっている。

◆ インサイトドリブンサービス
同社の生活者パネルのアイリサーチから最適な対象者を抽出し、インタビューや実際の商品使用時の行動観察等の定性調査を実施することにより、生活者自身が気づいていない意識下の心理(インサイト)を発見するためのサービス。発見したインサイトを起点に同社グループでアイデア・コンセプト、プロトタイプを創り、顧客への提案等も行う。

◆ デジタルマーケティングサービス
リスティング広告注2 や動画広告等のWeb 広告の運用が売上高の過半を占める。20 年7 月には顧客のD2C 注3 支援業務として、Shopify のプラットフォーム上でのEC サイト構築サポートを開始した。これにより、EC サイト構築後にWeb 広告の運用を行うといったサービスの提供も可能になった。

◆ その他のサービス
その他のサービスとしては、PR、カスタマーサクセス、B to B マーケティング支援サービス、クラウドソーシング等がある。PR は顧客の認知拡大やブランディングを支援するサービスである。具体的には、顧客の目指すブランド像や世界観をカスタマードリブンサービスで明確化したターゲット顧客に対してニュースや記事によって届けるといったものがある。

カスタマーサクセスは、顧客企業の製品・サービスの購入・契約者に対して、同社のカスタマーサクセスセンターから使用状況や満足度の確認等さまざまな働きかけを行うことにより、解約率の低減、リピート率の向上、アップセル等につなげるサービスである。同社は沖縄県の那覇市と石垣市にカスタマーサクセスセンター拠点を設置している。

B to B マーケティング支援サービスは、子会社のセールスサポートが運営する企業リスト収集ツールUrizo により、業種別の企業リスト等をSaaS 注4 形態で提供している。企業リストはi タウンページ等の情報を元に作成されている。

クラウドソーシングは、アイリサーチの会員の中から組織化されたプラットフォームのSOLPANEL(ソルパネ)の会員(20 年10 月現在、約6,000 人)に対し、顧客企業がデータ入力や店頭調査、購買体験とアンケート等の業務を委託する。SOLPANEL の企画・運営・販売は子会社のパイルアップが行っている。

一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

このページのトップへ