ベビーカレンダー<7363> 「ベビーカレンダー」の媒体価値向上が牽引する形での成長が続く見込み

2021/04/20

妊娠・出産・育児の情報メディア「ベビーカレンダー」の運営を主体に展開
「ベビーカレンダー」の媒体価値向上が牽引する形での成長が続く見込み

業種: サービス業
アナリスト: 藤野 敬太

◆ 妊娠、出産、育児に関する情報メディア「ベビーカレンダー」の 運営が中心
ベビーカレンダー(以下、同社)は、妊娠、出産、育児に関する情報メディア 「ベビーカレンダー」の運営を中核事業としつつ、産婦人科施設向けにソリ ューションを提供する事業も行っている。

08 年に産婦人科施設向けベッドサイドシステムをパッケージ化したサービス をリリースして現在の産婦人科向け事業が始まった。その後、15 年にクック パッド(2193 東証一部)の傘下に入ってクックパッドベビーに商号変更すると ともに、クックパッドの持っていた妊娠・出産サイトを譲り受け、現在の事業構 成となった。17 年に MBO を実施し、現在に至っている。

同社の事業は、メディア事業と産婦人科向け事業に 20/12 期から加わった Web マーケティング事業の合計 3 つのセグメントで構成されている。高利益 率のメディア事業が全売上高の約 3 分の 2 を占め、全体の利益の多くを稼 ぎ出している。

◆ メディア事業
妊娠、出産、育児に関する情報メディア「ベビーカレンダー」や付随するア プリを運営する事業である。

「ベビーカレンダー」の中核コンテンツは「日めくり医療情報」で、妊娠してか ら出産を経て 1才の誕生日までの 645日間、毎日の心配事や必要な情報を 赤ちゃんの成長に合わせて日めくり形式で提供している。また、赤ちゃんに 関する話題のニュースを毎日配信する「ニュース」、管理栄養士監修のあん しん基準を満たすレシピを掲載する「妊娠食・離乳食レシピ」、専門家への 相談が無料で何度でもできる「専門家相談」といったサービスがある。専門 家が監修していることを前面に打ち出し、コンテンツの信頼度を高めてい る。

コンテンツ利用に対し、妊娠、出産、育児をするユーザーへの課金はなく、 すべて無料で利用できる。同社は、「ベビーカレンダー」の広告媒体として の価値を認め、同社のメディアを活用してプロモーション施策を行いたい広 告主から収益を得る。広告は、期間固定型プロモーション、成果報酬型プロ モーション、アドネットワーク広告の 3 種類に分類されるが、成果報酬型プロ モーションからの収益が最も多い模様である。

なお、ベネッセホールディングス(9783 東証一部)傘下のベネッセコーポレ ーションが同社の最大顧客であるが、継続的に広告を出稿しているものと考 えられる(図表 2)。

広告媒体としての価値を上げることは、広告単価の上昇や広告主の獲得を 通じて、メディア事業の増収につながる。そのため、同社ではウェブサイト及 びアプリのページビュー(以下、PV)数と、ユニークユーザー(以下、UU)数 をメディア事業の KPI に設定している。20 年 12 月の月間 PV 数は 10,973.1 万 PV、月間 UU 数は 737.8 万ユーザーであり、20/12 期になって増加ペー スが拡大している(図表 3)。

◆ 産婦人科向け事業
基盤事業として位置づけられる産婦人科向け事業は、「ベビーパッド」シリー ズとして、IT を活用して集患(患者獲得)と業務効率化という産婦人科施設 が抱える 2 つの経営課題を解決する事業である。集患については、ホーム ページや動画の制作、かんたん診察予約システムを、業務効率化について は、「ベビーパッド プレママ」、「ベビーパッド ベッドサイド」、「おぎゃー写 真館・動画館」、「エコー動画館」等のサービスをそれぞれ提供している。

産婦人科向け事業の中で中心的なサービスである「ベビーパッド プレママ」 と「ベビーパッド ベッドサイド」は、院内の患者向け情報システムを用いたサ ービスである。「ベビーパッド プレママ」は妊婦検診での通院時の待合室等 で、「ベビーパッド ベッドサイド」は入院時の病室で使えるように iPad を貸し 出し、産婦人科医から患者に伝えたい情報を、患者個人に合わせてカスタ マイズして提供している。iPad を使うことで、病院案内や必要書類等のペー パーレス化や、患者へのセルフスタディ用指導動画の提供等により、産婦 人科施設の業務量を減らして業務効率化につながるものである。

同社は、産婦人科施設から収益を得る。ホームページや動画の制作での初 期導入時に発生するものを除くと、多くのサービスはクラウド、レンタル、リー スでの提供となるため、利用に応じて毎月収益を得るものが多く、収益の安定化に一役買っている。20 年 12 月末時点で、全国 468 施設の産婦人科施 設と取引をしている。

◆ Web マーケティング事業
gaデザインを吸収合併し、20/12 期より新たに加わった事業である。総合病 院をはじめとする医療施設等を対象に、ウェブサイト制作や SNS 広告、グラ フィックデザインの制作等を通じてウェブマーケティングのサポートを行う。

◆ ベビーカレンダーの強み
メディア事業における特色及び強みとして、以下の点が挙げられる。

(1) 妊娠~1 歳までの子どもを持つ母親やその家族と、多面的な接点を 持っている。
(2) 正しい専門情報を提供し続けるための編集体制及び専門家による 監修体制を構築できている。

産婦人科向け事業における特色及び強みとして、以下の点が挙げられる。

(1) 産婦人科施設向けのソリューションとしては業界内で先行している。
(2) コンテンツの利用という面で、メディア事業とのシナジーがある。

一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
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