表示灯<7368> 公共性も兼ね備えた独自のビジネスモデル

2021/04/16

駅周辺案内図への広告設置・運営や交通広告、屋外広告を取り扱う広告代理店
公共性も兼ね備えた独自のビジネスモデル

業種: サービス業
アナリスト: 髙木 伸行

◆ 公共設備の周辺案内図へ店舗情報を掲載する広告事業が主力
表示灯(以下、同社)は鉄道、自治体、病院などの公共施設へ設置された自社開発の周辺案内図を基礎媒体とした連合広告注1事業である「ナビタ事業」、交通媒体(車内・駅構内)、マス媒体(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)、屋外媒体(看板・ボード)による広告を取り扱う「アド・プロモーション事業」、広告・看板・案内板などの設計・施工を行う「サイン事業」を行っている。

20/3期の売上構成比はナビタ事業が64.8%、アド・プロモーション事業が17.4%、サイン事業が17.8%となっており、利益の大半がナビタ事業によるものである(図表1)。

当初はナビタ事業のみを行っていたが、周辺領域である交通広告や屋外広告をカバーするためにアド・プロモーション事業を開始し、更に広告の設置工事まで内製化するためサイン事業を手掛けるようになった。今では企画立案から設置工事まで一気通貫で対応できる体制となっている。

◆ ナビタ事業
ナビタとは自社開発の周辺案内図(地図)を基礎媒体とした連合広告である(図表2)。全国の鉄道駅や路面電車の電停、自治体庁舎、交番・警察署、運転免許試験場などに設置されており、地図情報、公共施設情報、災害時の避難場所情報を盛り込んだ公共性の高い媒体である。

ナビタ事業は設置場所の所有者(以下、ロケーションオーナー)、広告主(以下、スポンサー)、利用者の3者にとってメリットがあるビジネスモデルとなっている。

ロケーションオーナーはナビタを設置することにより、施設利用者の利便性を高めることができる。さらにロケーションの使用料、掲出料金、賃料といったオーナーによって名称は異なるが、ナビタ設置に関して同社から支払われる対価(以下、広告納金)を得ることができる。

スポンサーにとっては連合広告であるため安価な広告出稿料ですむというメリットがある。ステーションナビタを例にとると、地図上の所在地とインデックス(図表2 の機能B)という業種別広告面への掲出で年間70,000 円、月額 にすると6,000 円弱となっており、拡大広告面(同じく機能C)や一般広告面 へ(同じく機能D)の掲出ではそれよりも高い料金となるものの、毎月の出費 としては負担し易い価格設定となっている。このため、スポンサー数は1 月 末で延べ約78,000 件に達している。ナビタ事業の広告掲出契約は3 年契 約だが、1 年毎に料金を受け取るかたちとなっている。

利用者にとっては行きたい場所がすぐ分かるといった便利さや、設置場所によってはLED ライトにより案内板全体が明るく照らされていることによる防犯効果といった利点もある。

ナビタ事業はターゲット、設置場所などにより1)ステーションナビタ、2)シティナビタ、3)公共ナビタに分類される。

1)ステーションナビタ
1 月末現在、JR、私鉄、地下鉄の全国2,504 駅(うち3 万人以上/日の乗降者数のある駅は823 駅)の改札付近に設置されており、スポンサー数は延べ約44,000 件を超えている。LED や大画面タッチパネル、多言語対応、屋内、屋外仕様など様々なタイプがある。

交通広告は鉄道会社の指定取次ぎ代理店が取扱うのが慣例だが、同社はナビタ事業を糸口にして主要駅やエリアで指定業者になっている。

2)シティナビタ
市区町村などの自治体庁舎内に設置され、地図上で公共施設や避難場所情報を知らせるとともに、広告スペースでは民間商業施設を地域情報として紹介している。設置する自治体にとっては費用の負担なく広告納金という税外収入が得られる、来庁者サービスの向上につながるというメリットがある。10 年2 月に名古屋市天白区役所に1 号機を設置して以来、21 年1 月末現在で996 自治体への設置実績(うち、市656 設置、区170 設置)がある。

3)公共ナビタ
13 年12 月に大阪府内の交番に設置して以来、1 月末現在では交番20 カ所、警察署32 カ所、運転免許センター65 カ所、交通安全協会5 カ所の合計122 カ所の警察施設に設置されている。

◆ アド・プロモーション事業
同社は全国の主要駅やエリアで指定業者となっており、交通媒体、マス媒体、屋外媒体による各種広告を幅広く手掛けている。広告目的に沿った最適な企画立案、プレゼンテーション、予算管理までを含めたトータルプランを提案している。

アド・プロモーション事業の商品構成は、①駅構内に掲出される「駅広告」、②電車内に掲出される「車両広告」、③歩行者やドライバーを対象とする「屋外広告」、④「バス広告」、⑤ナビタのスポンサーをWebで紹介したり、地域のグルメサイトや免税店情報を紹介するサイト、QRコードによるモバイル展開といった「Webサービス」、⑥テレビ、ラジオ、新聞、雑誌といった主要な媒体による「マス広告」がある。

◆ サイン事業
広告・看板・案内板などの企画設計から施工に至るサービスを提供している。交通サイン、公共サイン、商業サイン、避難誘導サインの設計施工を行っている。この他、「安心ガード」やフェイスシールドといったアクリル製のコロナウイルス感染症の飛沫感染防止対策商品も今期から取り扱っている。

一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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