大阪油化工業<4124> 新型コロナウイルス禍の影響で中期経営計画は後ろ倒し

2021/02/01

化学業界における精密蒸留技術による分離精製分野でのリーディングカンパニー
新型コロナウイルス禍の影響で中期経営計画は後ろ倒し

業種: 化学
アナリスト: 藤野敬太

◆ 会社概要
・大阪油化工業(以下、同社)は、化学業界の分離精製分野において、精密蒸留を専業とする企業である。創業来70年に及ぶ技術・ノウハウの蓄積と、顧客企業のどのプロセスにも対応できる一貫体制を強みとする。

◆ 20年9月期決算
・20/9期決算は、売上高1,050百万円(前期比3.4%減)、営業利益111百万円(同3.9%増)となった(前期比は19/9期単体との比較)。期初の通期計画に対する達成率は、売上高が85.4%、営業利益が147.2%となった。新型コロナウイルス禍の影響で売上高は減少したが、経費抑制により営業利益は増益となり、期初計画も上回った。

◆ 21年9月期業績予想
・21/9期業績について、同社は、売上高968百万円(前期比7.8%減)、営業利益14百万円(同87.1%減)としている。新型コロナウイルス禍の影響が続くことと、プラント事業において前期にあったような大型案件が予定されていないことから、減収減益の計画としている。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、21/9期の業績を、売上高982百万円(前期比6.5%減)、営業利益27百万円(同75.1%減)とし、会社計画を若干上回ると予想した。原価率を押し上げる有償支給案件の売上比率上昇と、プラント事業での前期にあったような大型案件の不在により売上総利益率が低下することを見込み、売上高営業利益率は前期比7.8%ポイントの低下の2.8%になるものと予想した。

◆ 今後の注目点
・当センターでは、売上高は22/9期は13.9%、23/9期は13.2%の増収となり、売上総利益率の改善と売上高販管費率の緩やかな低下により、23/9期の売上高営業利益率は13.4%にまで回復すると予想した。
・新型コロナウイルス禍の影響で中期経営計画は後ろ倒しとなったが、増強設備の稼働とプラント事業の立ち上げによって対応できる需要領域を広げて業績拡大につなげるという成長シナリオは不変である。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。