ユナイトアンドグロウ<4486> 今後事業規模拡大期に入るかどうかに着目

2021/01/26

中堅・中小企業向けにIT人材と知識のシェアリングサービスを提供
今後事業規模拡大期に入るかどうかに着目

業種: 情報・通信業
アナリスト: 藤野敬太

1.会社概要
・ユナイトアンドグロウ(以下、同社)は、情報システム部門の人材不足に悩む中堅・中小企業向けにIT人材と知識のシェアリングサービスを提供することを主要業務としている。

2.財務面の分析
・主力であるインソーシング事業の売上高は14/12期から19/12期までの期間、年率19.4%のペースで拡大してきた。社員の増加に加え、社員1人当たり売上高の増加も増収に貢献した。利益面では、本社の移転費用が発生した16/12期は減益だったが、その後は増益が続いた。
・IT人材を顧客に提供する事業を行う上場企業との比較では、ビジネスモデルや事業構成の違い等もあり、特段の優位性は見出せなかった。なお、同社は他社より総じて規模が小さいが、逆に事業規模拡大の余地があることを示唆していよう。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、他社では真似できないシェアード・エンジニアリングの仕組みにある。顧客の課題解決の経験を蓄積、共有し、次の課題を解決することで、顧客(関係資本)との関係強化、シェアード社員のレベル向上につながり、また新たな成功体験として蓄積されていくという好循環を描くようになっている。

4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、シェアード社員の採用と定着率向上及び育成、シェアード・エンジニアリングの仕組みの強化、新サービスの開発に関係する形でのセキュリティ事業の育成が挙げられる。
・同社は事業規模拡大期に入ったという認識のもと、主力のインソーシング事業において、経営リソースの集中や案件対応力の強化等の成長戦略を進めていく方針である。

5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、同社の競争力の源泉であるシェアード・エンジニアリングは仕組みの総称として捉えたが、中でも社員が自律的に動く組織風土が最大の参入障壁ポイントと評価している。今後事業規模の拡大フェーズに入る中で、この組織風土が保たれるかに着目したい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。