かっこ<4166> 代金未払いとなる注文をリアルタイムで検知するSaaS型サービスが主力製品

2020/12/21

EC分野のオンライン決済向け不正検知サービスを提供
代金未払いとなる注文をリアルタイムで検知するSaaS型サービスが主力製品

業種: 情報・通信業
アナリスト: 髙木 伸行

◆ オンライン決済の不正対策サービスを提供
かっこ(以下、同社)は、EC分野で、近年増加しているオンライン決済で代金未払いとなる可能性がある注文をリアルタイムに検知するSaaS注1型サービス「O-PLUX(オープラックス)」を主力製品とする不正検知サービスを提供している。

会社名の「かっこ」の由来は記号のかっこである。記号のかっこは最初と最後が対になり、状況や言語に応じて様々な形をとる。同社は、常に世の中の課題に対して自らを変化させながらも最初から最後まで携わりデータサイエンスの力で前進したいという想いから、「かっこ」と命名した。

同社の売上高は、不正検知サービス、決済コンサルティングサービス、データサイエンスサービスに分類されている。中核事業である不正検知サービスの売上高は約8割を占めている(図表1)。

◆ 不正検知サービス
国内のBtoC EC市場や越境EC市場が拡大するなか、未払いや詐欺などの不正行為が増加しており、市場の健全な拡大の障害となっている。また、金融機関や大手会員サイトにおける不正アクセスも問題となっている。このような状況下、同社は不正注文検知サービスO-PLUX及び不正アクセス検知サービスである「O-motion(オーモーション)」を提供している。

1)不正注文検知サービスO-PLUX
O-PLUXは12年6月にリリースされ、これまでに多くのサイトでの利用実績がある。東京商工リサーチが実施した「ECサイト不正検知サービスに関する調査」によると、O-PLUXは国内のECサイトにおける有償の不正検知サービスの導入件数で首位となっている(調査時点は20年5月末)。

クレジットカード決済でのチャージバック注2やなりすまし、代金引換注文での受取拒否、後払い決済注3での未払いといった被害を未然に防いだり、複数の人物になりすます転売ヤー注4や複数アカウントを作ってアフィリエイト報酬や初回割引を狙う複数・大量登録を防止したりすることが可能になる。

2)不正アクセス検知サービスO-motion
O-motionは会員サイトなどにおいて、本人になりすました不正アクセスをリアルタイムで検知するSaaS型サービスで16年7月にリリースされた。インターネットバンキングでの不正送金対策として金融機関に導入されている。また、19年6月施行の「チケット不正転売防止法」によって規制対象となった不当なチケット買い占めによる高値転売対策として大手チケットサイトなどに導入されている。後者の例としては「チケットぴあ」を運営するぴあ(4337東証一部)が挙げられる。

◆ 決済コンサルティングサービス
後払い決済業者に向けて決済システムの提供及び後払い決済事業の立上げ・運用のコンサルティングを行っている。更に、後払い決済の審査エンジンとしてO-PLUXの利用を提案することにより、後払い決済体制の構築をワンストップで支援している。

◆ データサイエンスサービス
マーケティングや業務生産性などの課題に対して企業が保有するビッグデータをデータサイエンスにおける最適な技法を用いて分析し、アルゴリズムを開発提供するサービスである。

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資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。