HPCシステムズ<6597> 計算科学の手法を用いて「理論化学」の問題を取り扱う「計算化学」に強みを持つ

2020/11/20

科学技術計算分野の各種ソリューションの提供と産業用コンピュータを製造販売
計算科学の手法を用いて「理論化学」の問題を取り扱う「計算化学」に強みを持つ

業種: 電気機器
アナリスト: 大間知淳

1.会社概要
・HPCシステムズ(以下、同社)は、High Performance Computing(高性能コンピューティング、以下、HPC)という科学技術研究における高性能計算処理をトータルにサポートするHPC事業と、産業用コンピュータをConfigure To Order(注文仕様生産方式、以下、CTO)形態で提供するCTO事業を兼営する独立系のエレクトロニクス企業である。
・売上高の約7割を占めるHPC事業では、科学技術計算用コンピュータの販売、システム構築を中心に手掛けているが、ソフトウェアの販売、受託計算サービス、クラウドサービス等を含めた各種ソリューションをワンストップで提供している。HPCの中でも計算科学の手法を用いて「理論化学」の問題を取り扱う「計算化学」分野に強みを持っている。

2.財務面の分析
・15/6期~20/6期の期間では、従業員の増員や、従業員1人当たり売上総利益の拡大等を背景に、売上高は年平均12.8%、経常利益は同32.5%増加した。
・収益性、成長性、財務の安全性で類似企業に比べ魅力的である。

3.非財務面の分析
・知的資本の源泉は、最先端の研究・技術開発への対応力にある。

4.経営戦略の分析
・同社は、中核分野のハードウェア販売・システム構築の成長を継続させつつ、自社開発ソフトウェアやクラウドサービスを収益の柱に育成する方針である。

5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、21/6期の業績について、新型コロナウイルスの影響を考慮し、会社計画をやや下回ると予想した。
・HPC事業、CTO事業共に市場拡大の恩恵を受け、22/6期は前期比9%増収、16%営業増益、23/6期は同9%増収19%営業増益を予想している。

>>続きはこちら(1.85 MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。