エルテス<3967> 新型コロナウイルス禍と先行投資継続で21年2月期は赤字の会社計画

2020/11/13

ソーシャルリスク等のデジタルリスクに対峙するソリューションを提供する会社
新型コロナウイルス禍と先行投資継続で21 年2月期は赤字の会社計画

業種: 情報・通信業
アナリスト: 藤野敬太

◆ 会社概要
・エルテス(以下、同社)は、リスク検知に特化したビッグデータ解析ソリュ ーションを提供する会社である。ソーシャルメディアの利用に起因するリ スクに対峙するソーシャルリスク関連サービスを主力としている。

◆ 21年2月期第2四半期累計期間決算
・21/2 期第 2 四半期累計期間(以下、上期)の業績は、売上高 902 百万円 (前年同期比 4.2%減)、営業損失 148 百万円(前年同期は 140 百万円の 利益)となった。ストック型のモニタリングサービスでも解約が生じて減収 となるなど、新型コロナウイルス禍の影響を受けた。減収となる中、増員 や新規事業の開発等の先行投資を続けたため、営業損失となった。

◆ 21年2月期業績予想
・21/2 期業績について、同社は第 1 四半期決算発表時に、売上高 1,700 百万円(前期比 13.4%減)、営業損失 350 百万円(前期は 186 百万円の 利益)へ下方修正した。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、21/2 期の業績を、売上 高 1,725 百万円(前期比 12.2%減)、営業損失 349 百万円(前期は 186 百万円の利益)と会社計画に沿った水準を予想した。第 3 四半期以降の 業績回復を想定するものの、上期の不振はカバーしきれないものとした。

◆ 今後の注目点
・当センターでは、22/2 期は前期比 26.6%増収、23/2 期は同 21.4%増収を 見込み、増収による売上総利益率の回復と売上高販管費率の低下を想 定した。それでも、22/2 期にも 21/2 期と同水準の先行投資を行うと想定し たため、22/2 期も営業損失となり、営業利益の黒字化は 23/2 期を待つ展 開を予想した。
・同社の業績は当面、新型コロナウイルス禍の影響を受けた既存事業の 回復度合いと、新規事業への費用のかけ方及び収益化の兼ね合いで決 まると考えられる。状況よっては黒字回復のタイミングが早まることも、遅 れることもあり得るため、両者の動向に注意を払っていきたい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。