GA technologies<3491> DX推進で事業効率を最大化するビジネスモデルの他領域への展開に期待
不動産流通プラットフォーム「RENOSY」を基点に投資用中古区分マンションを販売
DX推進で事業効率を最大化するビジネスモデルの他領域への展開に期待
業種: 不動産業
アナリスト: 藤野敬太
1.会社概要
・GA technologies(以下、同社)は、中古不動産中心の不動産流通プラットフォーム「RENOSY(リノシー)」の運営を梃子にして事業を展開している。
2.財務面の分析
・創業来19/10期まで6期連続増収で年平均増収率は145.6%であった。同期間、経常利益は年平均60.1%のペースで拡大した。16/10期に経常損失を計上したのは、人員増強による人件費の増加や株式上場に向けた管理体制強化のための採用教育費等の増加が要因である。
・同社の特徴と類似点のある不動産業界の上場企業との比較では、成長性の高さが目立つ一方、売上高営業利益率や流動比率は下回っており、高成長を求めて積極的に投資している状況がうかがえよう。
3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、RENOSY iBuyer事業で利益を生み出せるビジネスモデルを確立した代表取締役社長のリーダーシップ(人的資本)にある。DXを最大限活用するために必要な開発体制も、そのリーダーシップのもとで作り上げられてきた。こうして構築されたビジネスモデルの上で営業体制を増強し、関係資本の顧客を拡大してきた。
4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、「RENOSY」の認知度向上と、現在投資フェーズにあるRENOSY Living事業とITANDI事業の黒字化が挙げられる。
・同社は不動産業界全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を志向しており、そのために既存事業の強化と自社サービスの外販を戦略として据えている。また、中長期的には不動産業界の隣接業界への展開も目指している。
5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、DXによる「質」の改善を進めた上で、人員という経営資源の投入により、取引の「量」の拡大を進めるRENOSY iBuyer事業での成功モデルを評価する。同社が試みているこの成功モデルのRENOSY Living事業への横展開の成否に注目していきたい。