ブロードバンドセキュリティ<4398> 積極的な人材投資が結実し、収益性は向上局面を迎えたようにみえる

2020/10/20

IT セキュリティに特化した独立系サービスプロバイダー
積極的な人材投資が結実し、収益性は向上局面を迎えたようにみえる

業種: 情報・通信業
アナリスト: 前田吉弘

◆ IT セキュリティに特化したサービスを提供
・ブロードバンドセキュリティ(以下、同社)は、企業における情報漏洩の防 止、セキュリティ機器の 24 時間 365 日体制での遠隔監視、未知のマルウ ェア検知によるネットワーク遮断等により、情報漏洩リスクから企業を守る ことを目的とした IT セキュリティサービスを主要な事業としている。

◆ 20 年 6 月期は二桁増収で営業利益 2.8 倍増
・20/6 期決算は、売上高が前期比 13.8%増、営業利益は同 183.2%増で 着地した。期初計画に対する達成率をみると、売上高が 95.8%にとどまる 一方で、営業利益は 114.0%となった。大幅増益となった主因は、利益率 が高い監視・運用等の継続サービスの拡大並びに外注費抑制や経費 削減による原価率改善効果である。

◆ 21 年 6 月期会社計画は 9.7%増収、16.9%営業増益を見込む
・21/6 期の会社計画は、新型コロナウイルス感染症の影響を見通すことは 困難としながらも、9.7%増収、16.9%営業増益としている。増益率が増収 率を上回る理由は、一段の原価率改善を見込んでいるためである。
・証券リサーチセンターは、20/6期実績等を踏まえて21/6期の業績予想を 見直し、売上高を 4,580 百万円(前期比 9.7%増)、営業利益を 395 百万 円(同 15.6%増)とした。

◆ 初の配当を実施
・同社はこれまで、事業成長のための投資及び経営体質強化のための内 部留保の拡充を優先してきた。いずれも一定の成果を挙げていることか ら、20 年 6 月末の株主に対して同社初の配当(10 円/株)を実施した。
・20/6 期における自社株買いや配当の実施は、コロナショックによる株価 下落に配慮した株主還元ともいえようが、同社は安定配当の継続を株主 還元の基本方針に加え、21/6 期においても一株当たり 10 円の配当を継 続する予定である。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。