すららネット<3998> 新型コロナウイルスの影響を追い風に20年12月期会社計画は上方修正
対話型ICT学習教材「すらら」の開発・提供を行う社会課題解決型“EdTech”企業
新型コロナウイルスの影響を追い風に20年12月期会社計画は上方修正
業種: 情報・通信業
アナリスト: 藤野敬太
◆ 会社概要
・すららネット(以下、同社)は、小学校低学年から高校生を対象としたICT学習(eラーニング)教材「すらら」の開発・提供を主要事業としている。
◆ 20年12月期第2四半期累計期間決算
・20/12期第2四半期累計期間(以下、上期)決算は、売上高677百万円(前年同期比25.0%増)、営業利益185百万円(前年同期は58百万円の損失)となった。前年同期はテレビCMの実施による広告宣伝費の増加等で赤字となった。当期は、テレビCMを実施せずに費用が減少したところに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により「すらら」に対する需要が高まって大幅増収となり、黒字を回復した。
◆ 20年12月期業績予想
・上期決算とともに、20/12期計画について、同社は売上高1,481百万円(前期比29.8%増)、営業利益271百万円(同321.6%増)へ上方修正した。期初会社計画は、売上高1,364百万円(前期比19.5%増)、営業利益152百万円(同136.2%増)であった。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)も、20/12期の業績予想を、売上高1,555百万円(前期比36.4%増)、営業利益337百万円(同423.8%増)へ上方修正した。上期に起きた需要増を反映させ、ID数を上方修正したことが、前回予想よりも増収幅が拡大した最大の要因である。
◆ 今後の注目点
・当センターでは、21/12期は36.3%増収、22/12期は16.8%増収とし、売上高営業利益率は21/12期、22/12期とも27.6%へ予想を修正した。
・新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対応のための全国一斉の休校要請後に実施した「すらら」のIDの無償提供は、早くも同社の業績に貢献してきたと言えよう。今後は、その効果がどのくらい続くかに加え、GIGAスクール構想やEdTech導入補助金等の政府の教育ICT普及の施策が、「すらら」の普及をどのくらい後押しするかに注目していきたい。