ピーバンドットコム<3559> 21年3月期は第1四半期の進捗率は低いが、増収増益の通期計画を据え置き

2020/09/07

プリント基板の EC サイト「P 板.com(ピーバンドットコム)」を運営
21年3月期は第1四半期の進捗率は低いが、増収増益の通期計画を据え置き

業種: 卸売業
アナリスト: 藤野敬太

◆ 会社概要
・ピーバンドットコム(以下、同社)は、電子機器に搭載されるプリント基板 の EC サイト「P 板.com(ピーバンドットコム)」を運営している。プリント基板 の EC 販売においてはトップ企業と推察される。

◆ 20年3月期決算
・20/3 期決算は、売上高 2,133 百万円(前期比 1.3%増)、営業利益 247 百万円(同 17.0%減)、当期純利益 111 百万円(同 52.6%減)となった。期 初の会社計画に対する達成率は、売上高が 96.9%、営業利益が 91.6% に留まった。「P 版.com EMS」が増収に貢献する一方、売上構成比の変 化で売上総利益率は低下した。また、東証一部への市場変更のための 営業外費用の発生やシステム投資に係る減損損失の発生で、営業利益 よりも経常利益や当期純利益の落ち込み幅の方が大きくなった。

◆ 21年3月期業績予想
・21/3期連結業績について、新型コロナウイルス禍の影響で第1四半期実 績の通期計画に対する進捗率は低いものの、同社は、売上高 2,173 百 万円(前期比 1.9%増)、営業利益 250 百万円(同 1.6%増)、当期純利益 175 百万円(同 57.0%増)の期初計画を据え置いている。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、21/3 期の業績について、 売上高 2,183 百万円(前期比 2.3%増)、営業利益 249 百万円(同 1.0% 増)と会社計画に近い水準を予想した。同社の計画と同様、前期に続き 「P 版.com EMS」の受注拡大を想定している。

◆ 今後の注目点
・当センターでは、22/3 期は 6.2%増収、23/3 期は 6.0%増収とし、売上高 営業利益率は 23/3 期の 11.7%に向けて緩やかに上昇すると予想した。
・当センターでは、業界におけるプリント基板調達のオンライン化の浸透度 合いに注目し、同社の登録ユーザー数の動向に着目している。新型コロ ナウイルス禍は、短期的にはマイナスの影響を及ぼしているが、中長期 ではオンラインでの調達が普及する契機にもなりえるため、その普及度 合いに注意を払っておきたい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。