アジャイルメディア・ネットワーク<6573> 下期の回復を見込むものの、20年12月期も営業損失が避けられない見通し

2020/08/31

SNS上のクチコミを活用し、企業の販売促進などを支援するアンバサダー事業を行う
下期の回復を見込むものの、20年12月期も営業損失が避けられない見通し

業種: サービス業
アナリスト: 佐々木 加奈

◆ 事業内容
・アジャイルメディア・ネットワーク(以下、同社)は、企業や商品ブランド、サービスのファン(アンバサダー)から発信される好意的な利用体験や購入の推奨など、SNS上のクチコミを活用し、企業の販売促進活動から商品開発までを支援するアンバサダー事業を行っている。
・20年6月末時点の連結子会社は、台湾でマーケティング支援事業を行う愛加樂股份有限公司と動画制作サービスを提供するクリエ・ジャパンの2社で、20年7月にSNSアカウント運営の自動化ツールを提供するpopteamを子会社化している。

◆ 20年12月上期決算の概要
・20/12期第2四半期累計期間(以下、上期)の売上高は前年同期比20.0%減の330百万円、営業損失110百万円(前年同期は67百万円の損失)であった。
・新型コロナウイルス感染症拡大の影響でアンバサダープログラムの解約やキャンペーンの中止が発生し、減収につながった。広告宣伝費等の抑制を進める一方、事業領域拡大に伴う投資を継続したことで前年同期より営業損失が拡大した。同社は、第1四半期決算発表時に期初予想を減額修正しており、修正計画線上の結果となった。

◆ 20年12月期の業績予想
・20/12期の会社計画は、売上高が前期比27.4%増の1,079百万円、営業損失23百万円である。上期に減額修正した一方で、通期については小幅な営業損失となる期初計画を修正していない。通期計画から上期実績を引いた下期計画は、売上高が前年同期比72.6%増749百万円、営業利益が87百万円(前年同期は71百万円の損失)となる。
・証券リサーチセンターでは、上期実績や事業環境を踏まえ、大幅増収になり収益性も改善する同社の下期計画は整合性に欠くと判断した。20/12期業績予想を減額修正し、12.2%増収、営業損失140百万円と会社計画を下回る予想をした。

>>続きはこちら(1.72 MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。