ブティックス<9272> コロナ禍のなかで、21年3月期は商談型展示会事業とM&A仲介事業に注力

2020/08/04

介護関連業界を対象にしたマッチング・サービスを展開
コロナ禍のなかで、21年3月期は商談型展示会事業とM&A仲介事業に注力

業種: 小売業
アナリスト: 前田 吉弘

◆ 介護関連業界を対象にマッチング・サービスを提供
・ブティックス(以下、同社)は、介護関連業界を対象とした「商談型展示会事業」、「M&A仲介事業」に加えて、配食・介護食マッチング事業等からなる「その他事業」(旧新規事業、21/3期から新セグメントに移行)を展開している。なお、創業事業であった介護用品等のBtoC型「eコマース事業」は、20年3月末に事業譲渡を完了している。

◆ 20年3月期は過去最高営業利益を更新するも期初計画には未達
・20/3期は、売上高は前期比5.4%減の1,358百万円となったものの、営業利益は同51.7%増の187百万円となり4期連続で過去最高益を更新した。これを期初会社計画に対する達成率でみると、売上高は6.9%の未達、営業利益は26.4%の未達であった。

◆ 21年3月期会社計画は2.1%増収、18.3%営業増益を見込む
・21/3期について同社は、新型コロナウイルス感染症の影響が6月末までに概ね収束し、その後事業活動が正常化することを前提に、2.1%増収、18.3%営業増益を計画している。
・証券リサーチセンターは、20/3期実績等を踏まえて21/3期の業績予想を見直し、売上高を1,352百万円(前期比0.4%減)、営業利益を207百万円(同10.9%増)に修正した。

◆ 21年3月期は商談型展示会事業とM&A仲介事業に注力
・創業事業であるeコマースからの撤退に続き、20/3期の注力事業(新規事業)に対して早くも柔軟な経営方針(経営リソースの投入抑制)が示されたことは評価に値する。コロナ禍のなかで商談展示会事業の舵取りが試され、これまで急成長してきたM&A仲介事業でもマッチング精度の向上という課題が明らかになるなかで、限られた経営資源を如何に最適化し、成長につなげていくかという課題について、今後の同社の取り組みに注目したい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。