アイキューブドシステムズ<4495> 市場成長を追い風にトップシェアの「CLOMO」サービスの更なる拡大を追求

2020/07/22

法人向けにモバイル端末等を一元管理するサービスのパイオニア
市場成長を追い風にトップシェアの「CLOMO」サービスの更なる拡大を追求

業種: 情報・通信業
アナリスト:藤野敬太

◆ 法人向けにモバイル端末を一元管理する MDM サービスを提供
アイキューブドシステムズ(以下、同社)は、ビジネス用途で様々なモバイル 端末を導入している法人に対し、それらの端末等を一元管理する MDM 注 1 サービス(または EMM 注 2 サービス)を提供している。

10 年 11 月に Apple Inc.の iOS ベースで国内初の法人向け MDM サービス を開始し、以降、業界を牽引してきた。同社のサービスは「CLOMO」という 自社ブランドで提供されている。ミック経済研究所の調査によると、MDM サ ービスの分野において、自社ブランドで展開している製品の中では出荷額 でトップシェアを有している。

同社はライセンス販売事業の単一セグメントだが、売上高はサービス別に、 「CLOMO MDM」サービス、「CLOMO SECURED APPs」サービス、「その 他」の 3 つに分類される(図表 1)。主力の「CLOMO MDM」サービスが全売 上高の約 8 割を占めている。なお、「その他」は創業来行ってきた受託開発 だが、その位置づけは低下傾向にある。

◆ 企業の担当部署が一括管理するための「CLOMO MDM」サービス
スマートフォンやタブレット等のモバイル端末を社員に持たせる企業にとっ て、社員が使うモバイル端末を適切に管理することは重要である。社員が持 つモバイル端末の利用状況の把握、利用ルールの適用の徹底のほか、情 報漏洩に対して対策を講じる必要がある。そのために、企業の担当部署が 多数のモバイル端末を一元管理できるようにするのが、「CLOMO MDM」サ ービスである。Apple Inc が提供する iOS 端末、Google が提供する Android 端末など、端末の OS に関係なくサービスを使うことができる。

◆ 「CLOMO SECURED APPs」サービス
「CLOMO MDM」サービスがモバイル端末の一括管理のためのものである のに対し、「CLOMO SECURED APPs」サービスは、モバイル端末を、安全 性と利便性を両立させながら活用していくためのものである。特に、リモート ワークにおけるセキュリティ管理を目的としている。

具体的には、ビジネスで利用頻度の高い、ブラウザ、メール、スケジュール、 アドレス帳、ファイル共有の 5 つのアプリケーションを提供している。法人向 けレベルのセキュリティ要件を満たし、かつ、個人向けアプリケーションとほ ぼ同等の使いやすさを実現している。

◆ SaaS の形態でのライセンス提供
同社のサービスはクラウドサービスとして SaaS 注 3の形態で提供される。使用 するサービスの機能及び数に応じてライセンスが付与され、ライセンス使用 料が同社の売上高となる。従って、新規契約の増加とともに、既存契約のライセンス継続率が重要となるが、19/6 期のライセンス継続率は 96.7%と高い 水準を維持している。

◆ 顧客と販売形態
同社のサービスの導入社数は 19/6 期末で 1,920 社である。顧客の多くが国 内の従業員数が 500 名以上の大企業であり、同社の売上高の約 3 分の 2 を占めている。

これらの顧客に対する販売の大半は、通信キャリアや携帯電話販売代理店 等の販売パートナーと呼ばれる代理店経由の間接販売である。上位 5 社の 販売パートナーによる売上高は19/6期の売上高全体の68.6%を占めている。 なお、同社では OEM での提供は行っていない。

同社の役割は、販売パートナーの販売に協力するほか、導入後のトラブル 発生時に直接サポートをしたり、既存顧客を対象とした説明会であるユーザ ー会を開催したりするなど、販売パートナーの支援が中心となっている。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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