アイリックコーポレーション<7325> 保険ショップチェーン拡大と自社開発システムの利用拡大の二方面での成長を志向

2020/06/19

来店型乗合保険ショップチェーン「保険クリニック」を運営
保険ショップチェーン拡大と自社開発システムの利用拡大の二方面での成長を志向

業種:保険業
アナリスト:藤野敬太

1.会社概要
・アイリックコーポレーション(以下、同社)は、「保険クリニック」の店舗ブランドで国内初の来店型乗合保険ショップチェーンを運営する企業である。保険見直しのコンサルティングのためのシステムを自社で開発していることが大きな強みとなっている。

2.財務面の分析
・開示のある13/6期以降増収が続いてきたが、13/6期と14/6期は、買収した企業に関する費用の増加により経常赤字となった。その後、15/6期に経常黒字化してからは、19/6期まで増益が続いている。
・保険販売代理店を主要業務とする上場企業との財務指標の比較において、規模の小ささを除けば、安全性を中心に、全般的に他社より優位性があると言えよう。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、保険代理店の経営と、自社開発のシステムの2つのノウハウ(組織資本)にある。両方のノウハウを相乗的に蓄積してきたことで競争優位性が高められ、保険契約の顧客のみならず、システム利用に対価を払う顧客を増やすことができている。

4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、「保険クリニック」ブランドの認知度の向上、自社開発システムの更なる強化、人材の確保が挙げられる。
・同社は、直営、FC問わず店舗を増やしていくことで、「保険クリニック」の店舗ネットワークを拡大し続けていくことを、成長戦略の根幹に据えている。その上で、中長期的にはシステムの自社開発力を踏まえ、フィンテック企業として本格的に展開していくことを志向している。

5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、来店型乗合保険ショップ業界における先行者メリットを得られるポジションと、競争力の源泉となっているシステムの自社開発へのこだわりを評価している。フィンテック企業を志向する同社が、ソリューション事業やシステム事業を保険販売事業上回るペースで拡大させられるかに注目したい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。