大阪油化工業<4124> 費用先行で20年9月期は減益計画も、21年9月期に増益基調に戻れるかに着目

2020/06/12

化学業界における精密蒸留技術による分離精製分野でのリーディングカンパニー
費用先行で20年9月期は減益計画も、21年9月期に増益基調に戻れるかに着目

業種:化学
アナリスト:藤野敬太

◆ 会社概要
・大阪油化工業(以下、同社)は、化学業界の分離精製分野において、精密蒸留を専業とする企業である。創業来70年に及ぶ技術・ノウハウの蓄積と、顧客企業のどのプロセスにも対応できる一貫体制を強みとする。

◆ 20年9月期第2四半期累計期間決算
・20/9期第2四半期累計期間(以下、上期)決算は、売上高465百万円(前年同期比1.6%減)、営業利益56百万円(同190.0%増)となった(前年同期比は19/9期上期単体との比較)。通期計画に対する進捗率は、売上高が37.8%、営業利益が74.1%となった。一部案件の期ずれによって微減収となったが、売上総利益率の改善と販管費の増加の抑制により、売上高営業利益率は大きく改善した。

◆ 20年9月期業績予想
・20/9期業績について、同社は、売上高1,230百万円(前期比13.0%増)、営業利益76百万円(同29.4%減)とし、期初計画を据え置いている。子会社設立によるプラントサービスへの本格展開と設備増強を通じた増収を目指すが、人件費や減価償却費の増加で減益を計画している。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、20/9期の業績を、売上高1,262百万円(前期比16.0%増)、営業利益88百万円(同17.9%減)と会社計画を若干上回る水準を予想した。下期の大型プラント案件の売上等により増収が見込まれるものの、費用計上が先行して売上高営業利益率は前期比2.9%ポイントの低下の7.0%になるものと予想した。

◆ 今後の注目点
・当センターでは、売上高は21/9期は9.6%、22/9期は15.4%の増収となり、売上総利益率の改善と売上高販管費率の緩やかな低下により、22/9期の売上高営業利益率は14.3%にまで回復すると予想した。
・20/9期の増強設備の稼働開始とプラントサービスの子会社設立は、大型の設備を自社で保有しようとする顧客の需要に対応するためのものであり、これが中期的な業績拡大につながるかどうかに注目していきたい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。