NexTone <7094> 最新デジタル技術でネット環境での音楽利用拡大を収益化、高成長を目指す

2020/04/08

楽曲の権利者と利用者の間に立ち、著作権管理と利用促進を担う
最新デジタル技術でネット環境での音楽利用拡大を収益化、高成長を目指す

業種: サービス業
アナリスト:鎌田 良彦

◆ 楽曲の著作権管理と利用促進を行うエージェント
 NexTone(以下、同社)グループは、同社及び連結子会社 2 社を通じ、音楽 の楽曲の権利者(作詞家・作曲家等の著作権者や原盤注1等のコンテンツ保 有者等)と楽曲の利用者(レコード会社、放送局、音楽配信事業者等)との 間に立ち、音楽著作権の管理業務や音楽の利用促進を行うエージェント業 務を行っている。

同社の前身のイーライセンスは 00 年 9 月に著作権権利事業を目的に設立 され、16年2月に同じく著作権管理事業を行うJRCとの合併により同社が誕 生した。イーライセンスはアニメ・ゲーム音楽に強く、エイベックス(7860 東証 一部)系の楽曲の管理が多かったのに対し、JRCはロックやニューミュージ ックに強かった等、得意分野が異なり相互補完が働いた。

連結子会社 2 社は著作権等管理業務を行うエムシージェイピーと著作権管 理システム等の開発・運用を行う NexTone システムズであり、何れも 100% 出資子会社である。

音楽の著作権管理業務は、01 年 10 月に「著作権等管理事業法」が施行さ れ、1分野1団体の原則がなくなるまでは、39年制定の「著作権ニ関スル仲 介業務ニ関スル法律」の下で、戦前から一般社団法人日本音楽著作権協 会(以下、JASRAC)のみが業務を行ってきた。

「著作権等管理事業法」の施行以降は、30 社近い民間企業の参入が相次 いだが、十分な事業規模を得ることができず、現状では JASRAC と同社の みが音楽分野の著作権管理業務を行っている。 同社の事業セグメントは、著作権等管理事業、キャスティング事業、その他 事業の 3 つに分類されている(図表 1)。

◆ 著作権等管理事業
 同セグメントは、著作権管理業務とデジタルコンテンツディストリビューション 業務(以下、DD 業務)からなる。

著作権管理業務として、作詞家・作曲家及び彼らが著作権を譲渡した音楽 出版社等と同社が著作権の委託契約を結び、楽曲の利用者から著作権使 用料を徴収し、同社の管理手数料を差し引いて著作権者に分配している。 同業務においてはこの管理手数料が売上高、及び売上総利益となる。

音楽著作権は4つの支分権(演奏権等、録音権等、出版権等、貸与権)と7 つの利用形態(映画への録音、ビデオグラム等への録音、ゲームへの録音、 広告目的で行う複製、放送・有線放送、インタラクティブ配信、業務用通信 カラオケ)からなる。同社はコンサートでの演奏やカラオケ店での歌唱等から なる演奏権等を除くすべての著作権管理を行っている。

著作権管理業務での JASRAC と同社の違いは、JASRAC は著作権者との 間で著作権の信託譲渡契約を結び、著作権が JASRAC に移るのに対し、 同社は著作権者と著作権の委託契約を結び、著作権は著作権者に残る点 にある。この結果、同社の場合、著作権の行使に当たり、著作権者の意向を 反映した柔軟な対応が可能になる。

著作権使用料徴収の基礎となる、委託契約数と管理作品数は順調に拡大 している。17/3期に管理作品数が減少しているのは、不稼働コンテンツの管 理を終了したことによる(図表 2)。

DD 業務では、レコード会社や音楽プロダクション等音楽の原盤を保有する 権利者から原盤のライセンスを受け、iTunesやYouTube等国内外の音楽配 信サービスに配信許諾を与えて、原盤使用料を徴収している。DD 業務で は、この原盤使用料が売上高となる。

昨年末時点で、同社はレコード会社、音楽プロダクション、音楽出版社、ア ニメ・ゲームメーカー等 600 社以上のコンテンツ権利者と契約を結んでいる。 足元では、音楽のストリーミング配信注 2の増加に伴い、売上高が急拡大して いる。

DD 業務では YouTube におけるコンテンツマネージメントサービスも提供し ている。これは権利者が保有する動画や音楽原盤を同社を通じて YouTube コンテンツID として登録し、それらのコンテンツを利用して作成・投稿された ユーザー投稿動画からも広告収益の分配を受けられるようにするサービス である。

◆ キャスティング事業
キャスティング事業では、音楽コンテンツを中心に利用促進をコーディネー トしている。例えば、アーティスト活動やライブへのユーザー招待、楽曲タイ アップ等に関わる様々な音楽コンテンツの権利処理を通じた利用促進コー ディネート、映画館でのコンンサートやスポーツのライブビューイング等を行 っている。近年ではライブビューイングの売上増加が大きく、ライブビューイ ングでは、東映(9605 東証一部)の子会社であるティ・ジョイが運営するシネ マコンプレックスへの提供が多い。

◆ その他事業
著作権・原盤権等の権利処理システムの開発・提供、コンテンツ配信関連 のシステム開発・提供等を行っている。

>>続きはこちら(1.21 MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

コラム&レポート Pick Up