スマートバリュー<9417> 今後はクラウドソリューション事業のストック売上の増加ペースに一層注目

2020/04/06

携帯電話販売代理店運営事業を売却しクラウドソリューション提供に経営資源集中
今後はクラウドソリューション事業のストック売上の増加ペースに一層注目

業種: 情報・通信業
アナリスト: 藤野敬太

◆ 会社概要
・スマートバリュー(以下、同社)は、現在、クラウドシステムによるソリューション提供を展開している。これまで展開してきた携帯電話販売代理店運営(モバイル事業)は20/6 期第3 四半期末をもって売却し、同事業から撤退する。

◆ 20 年6 月期第2 四半期累計期間決算
・20/6 期第2 四半期累計期間(以下、上期)決算は、売上高3,391 百万円、(前年同期比9.2%減)、営業損失52 百万円(前年同期は62 百万円の利益)となった(前年同期の単体業績との比較)。期初の上期の会社計画に対する売上高の達成率は93.0%に留まり、営業損失は期初計画よりやや拡大した。モバイル事業の事業環境の悪化と、クラウドソリューション事業のうちのカーソリューションの競争激化による減収が影響した。

◆ 20 年6 月期連結業績予想
・20/6 期連結業績について、同社は売上高6,904 百万円(前期比10.8% 減)、営業利益91 百万円(同71.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,029 百万円(同431.6%増)へ計画を修正した。モバイル事業の売却等で売上高と営業利益は下方修正された一方で、特別利益の発生で、親会社株主に帰属する当期純利益は上方修正された。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、20/6 期の連結業績を、売上高6,841 百万円(同11.6%減)、営業利益86 百万円(同72.8%減) と会社計画を若干下回る水準を予想した。事業売却と人員増やオフィス移転等による費用増で減収減益と予想した。

◆ 今後の注目点
・当センターでは、モバイル事業の売却で21/6 期は前期比23.0%減収となるが、22/6 期は同11.5%増収とし、売上総利益率上昇と売上高販管費率低下で売上高営業利益率は22/6 期の6.3%まで改善すると予想した。
・今後はクラウドソリューション事業へ経営資源を集中することになるが、売上及び利益の増加ペースに影響を与える同事業のストック売上の積み上がり方に一層注目していきたい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。