ビザスク<4490> スポットコンサルという短時間取引を依頼者とアドバイザー間でマッチング

2020/03/13

ビジネス領域に特化したナレッジシェアリングプラットフォームを提供
スポットコンサルという短時間取引を依頼者とアドバイザー間でマッチング

業種: 情報・通信業
アナリスト: 髙木伸行

ナレッジシェアリングプラットフォームを提供
企業活動において新規事業等を行う際に業界動向を調査したり、関連する 情報を収集したりするが、その際には書籍や調査レポートを参考にすること に加え、外部の知見者にヒアリングをするということが一般的である。しかし、 外部の知見者へのヒアリングは情報収集の際に効果的ではあるが、適任者 を見つけ出し素早くアプローチすることは容易ではない。

ビザスク(以下、同社)は、アドバイスや調査に対するニーズを持つ依頼者 に対してビジネス知見を有する有識者(アドバイザー)をマッチングし、1 時 間単位の電話や対面でのインタビューの機会「スポットコンサル=1 時間イ ンタビュー」を設営するサービス「ビザスクinterview」及び「ビザスクlite」を提 供している。同社は「スポットコンサル」という短時間取引をテクノロジーと高 度なオペレーションノウハウによりマッチングするナレッジシェアリングプラッ トフォームを提供している。

1 時間単位ならではの気軽さから多様なアドバイザーが参画しており、20 年 1 月時点で 10 万人超のアドバイザーが登録している。アドバイザーの保有 する文字化されていない一次情報の価値は高く、顧客は同社のサービスを 利用することにより、スピーディー且つ効率的に適切な情報を収集すること が可能となる。

具体例としては、1)コンサルティング会社が業界全体に対する理解を深め 市場動向を確認するための調査、2)投資ファンド、機関投資家などの金融機関が投資を検討する際の業界調査やデュー・デリジェンス、3)事業法人 が商品開発の過程で新技術などについて理解を深めるための情報収集を 行う際などに利用されている。

同社は、様々なサービスを提供している(図表 1)。メインサービスは、19/2 期の全社取扱高注1の81.1%を占めるフルサポート形式のスポットコンサル設 営サービスである「ビザスク interview」である。同サービスは専任の担当者 が顧客の要望に対して登録アドバイザーや外部の有識者から適任者を選 定し、インタビュー実施までをアレンジするもので、20年1月現在で累計4.7 万件を超えるマッチング実績がある。

この他、登録者のデータベースを活用したサービスとしてはオンライン・アン ケート形式で多数の知見を収集する「ビザスク expert survey」、柔軟な時間 設定でアドバイザーが知見を提供する「ビザスク業務委託」、顧客自身がア ドバイザー選定などのマッチングを行い、スポットコンサルを実施する「ビザ スク lite」といったサービスも展開している。

増加する登録者
同社サービスへの国内登録者数注 2は順調に拡大している(図表2)。20年1 月末時点で国内登録者数は約9 万人に達している。また、主に海外在住の アドバイザーとして、同社の英語 web サイトに登録した海外登録者数は約 1.1 万人となり、国内登録者と合わせて登録者数は 10 万人を超えている。

顧客ベースの拡大に支えられ順調に増加する取扱高
登録者数の他に、重要な経営指標としては法人クライアント口座数注 3 が挙げられる。法人クライアント口座数も順調に拡大しており、19 年 11 月末時点で 423 件に達している(図表 3)。

同社は、コンサルティング会社や金融機関といった先を主要顧客とし て事業を拡大してきた。同社の最大顧客はボストン・コンサルティン グ・グループで、19/2 期の営業収益の 2 割を依存しており、他のコン サルティング会社との取引も多い。ただし、近年は東証一部上場企業 を中心に顧客基盤を拡大してきており、19/2 期末における法人クライ アント口座数 329 件の約半分が事業法人の顧客となっている。

登録者及び法人クライアント口座数の拡大に加えて、オペレーションの効率 化やデータベースの情報の充実によりマッチング効率が高まった結果、取 扱高も順調に増加している(図表 3)。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。