みらいワークス<6563> 20年9月期はオペレーション強化等の投資が先行する我慢の期
独立した働き方をするプロフェッショナル向けに特化した人材サービスを展開
20年9月期はオペレーション強化等の投資が先行する我慢の期
業種: サービス業
アナリスト: 藤野敬太
1.会社概要
・みらいワークス(以下、同社)は、主力サイトの「FreeConsultant.jp」の運営を通じて、フリーランス等の独立した働き方を選択するコンサルタント等のプロフェッショナル人材を対象にしたサービスを展開している。
2.財務面の分析
・開示のある12/9期以降、19/9期まで7期連続の増収だが、税務会計基準から財務会計基準へ変更の影響で15/9期は経常赤字となった。その後16/9期~18/9期は登録プロフェッショナル数の増加で3期連続増益となったが、19/9期は主力サービスが想定ほど伸びず減益となった。
・クラウドソーシングを行う上場企業との比較では収益性や安全性では優位にある一方、ビジネスモデルは異なるがプロフェッショナル人材に特化してサービスを展開する企業の中には、同社よりも収益性が高い企業が存在する。
3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、戦略的なポジショニングと事業コンセプトを確立してサービスを開始した現代表取締役社長の存在(人的資本)と、サービス提供で蓄積されてきたオペレーションノウハウ(組織資本)にある。これらを背景に、満足度の向上等を通じて、顧客企業及びプロフェッショナル人材という関係資本の蓄積につながっている。
4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、登録プロフェッショナル人材の拡充、営業力の強化、オペレーションの強化が挙げられる。
・既存のサービスを更に拡大していくとともに、プロフェッショナル人材にとってのインフラ的存在という中長期的に目指す姿に向け、サービス領域を拡大するのが同社の戦略である。
5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、プロフェッショナル人材に対象を絞り込み、提供価値を生み出す源泉の見定めにより先行者利得を享受できるポジションを確立した点を高く評価している。一方、市場環境に由来する競争激化の可能性にも注意を払っておきたい。また、オペレーション強化に向けての投資効果の発現も当面の注目点になると考えられる。