アルー<7043>蓄積データと高いカスタマイズ経験値の優位性で新人・若手人材向けを得意とする

2020/01/17

大手企業を中心とした法人向けに集合型の研修サービスを提供
蓄積データと高いカスタマイズ経験値の優位性で新人・若手人材向けを得意とする

業種: サービス業
アナリスト: 藤野敬太

1.会社概要
・アルー(以下、同社)は、大手企業を中心に、顧客の課題に応じてカスタマイズしたビジネススキル研修や語学研修等の研修サービスを提供している。法人向け、個人向けにオンライン英会話サービスも行っている。

2.財務面の分析
・13/12期以降、売上高は年平均12.3%のペースで増加したが、14/12期は先行投資により経常減益となり、15/12期は中国子会社の減損処理のために当期純損失となった。売上高経常利益率は、連結決算開示後は、低収益の子会社の業績を取り込んだ16/12期にいったん低下したが、17/12期以降は6%台後半で安定的に推移してきた。
・社会人向けに、人材育成や研修のサービスを提供する上場企業との財務指標の比較では、安全性の高さが目立つが、収益性では特段の優位性があるわけではない。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、「蓄積された受講生データ及び豊富なカスタマイズ経験」(組織資本)にある。これらはサービス提供のプロセスの要所で活用され、同社の競争優位性を生み出し、顧客資産の積み上がりに貢献している。それは再度データの蓄積につながるという好循環が描かれている。

4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、研修の育成効果の更なる向上、個人向けALUGOの育成、営業体制の強化挙げられる。
・同社は、既に強みを持つ「新人・若手」向けの領域での更なる顧客基盤の積み上げを図るとともに、「管理職」向け等の大手企業対象の新たな領域の確立、中小企業や個人向けサービスの確立を目指し、ゆくゆくは研修・人材育成分野でのプラットフォームの確立を志向している。

5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、社会人の「新人・若手」の教室型研修に絞り込んで競争優位性を築いてきた点を評価している。一方、当該領域がニッチ市場で、かつ、売上依存度が高い点を留意している。中長期的に当該領域への依存度が低下していく展開になるかどうかに注目したい。

>>続きはこちら(1.92 MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。