ワシントンホテル<4691> 既存ホテルのリニューアルと「R&Bホテル」の出店による勢力拡大を計画

2019/10/25

「ワシントンホテルプラザ」と「R&Bホテル」のホテルチェーンを展開
既存ホテルのリニューアルと「R&Bホテル」の出店による勢力拡大を計画

業種: サービス業
アナリスト: 藤野 敬太

◆ 3つのホテルブランドを展開
ワシントンホテル(以下、同社)は、1964年に中部財界の出資で開業した都市型ホテルの「名古屋国際ホテル」から出発した企業である。現在は、「名古屋国際ホテル」のほか、ビジネスホテルチェーンの「ワシントンホテルプラザ」、宿泊特化型ホテルの「R&Bホテル」を展開している。

同社の事業は、ホテル事業の単一セグメントだが、ワシントンホテルプラザ事業、R&Bホテル事業、名古屋国際ホテル事業の3事業部門に分類されている。売上高ではワシントンホテルホテルプラザ事業が過半を占めているが、利益ではR&Bホテル事業が過半を占めている(図表1)。

◆ 「ワシントンホテルプラザ」
1969年に1号店開業というビジネスホテルの草分けである。1府14県の主要駅または繁華街に近い立地に18店を有している。シングル、ツイン、ダブルといった各種タイプの部屋を有するほか、出店時の状況により、店舗ごとに飲食店や宴会場等の付帯施設が異なる。19/3期のADR注1は6,570円、RevPAR 注2 は4,767 円、稼働率注3 は72.6%である(図表2)。

◆ 「R&B ホテル」
首都圏を中心に展開する宿泊特化型ホテルである。1 都1 道2 府8 県に23 店を有している。「R&B ホテル八王子」を除けば、すべてのホテルがシングルルームで構成されている。飲食店や宴会場といった付帯設備はない。また、チェックイン工程を細分化した上で人手が不要な工程を機械化することにより、少人数オペレーションを可能にし、リーズナブルな価格での提供を実現している。19/3 期のADR は6,013 円、RevPAR は5,093 円、稼働率は84.7%である(図表3)。

◆ 「名古屋国際ホテル」
前回の東京オリンピックが開催された1964年に開業した、名古屋初の本格的都市型ホテルであり、飲食店と宴会場を付帯している。19/3期のADRは8,489円、RevPARは5,908円、稼働率は69.6%である。なお、建物の老朽化により、20年9月に営業終了の予定である。

◆ 店舗数
19年8月末時点で、「ワシントンホテルプラザ」18店、「R&Bホテル」23店、「名古屋国際ホテル」1店の合計42店のホテルを有している。

90年代までは「ワシントンホテルプラザ」を中心に展開してきたが、98年4月に「R&Bホテル」の1号店が開業して以降、「R&Bホテル」を中心に増加し、一時は47店になったこともあった(図表4)。

◆ 客室の販路と会員システム
19/3期の販路別の売上高は、インターネット経由が71.8%、電話等の一般販売経由が20.5%、旅行代理店経由が7.7%となっている。インターネット経由の71.8%のうち、自社サイト「宿泊ネット」経由が24.2%、オンライン旅行予約サイト経由が47.6%となっている。

「宿泊ネット」は19年8月末時点で25万人の会員を有する、入会費・年会費無料、ポイント還元率5%の自社運営のサイトである。「宿泊ネット」のリピーター比率は19/3期で61.4%であり、「宿泊ネット」会員は安定顧客となっている。

また、この「宿泊ネット」は、提携するホテルや旅館等の加盟店も利用することができる。19年8月末時点で、同社のホテルを含めて日本国内79拠点、台北1拠点から成るネットワークを構築している。

なお、同社は「ワシントンホテルプラザ」や「名古屋国際ホテル」に直営の飲食店を併設しているため、飲食に応じたポイント還元を行う「ワシントンレストランカード」システムも展開している。

◆ 出店方式
同社は、全国の政令指定都市を中心に、200~300室規模のホテルを出店していくとしている。出店の目安は、最寄駅から徒歩5分程度、敷地面積150坪以上、建物延床面積1,000坪以上となっている。

同社が出店をする場合、同社が土地も建物も所有する「自社物件」のほか、オーナーが建物を建設して同社が賃借する「建物の賃貸借方式」、オーナーから土地のみを同社が賃借して、同社が建物を建設する「土地の賃貸借方式」等、いくつかの方式がある。現在の42店舗のうち、最も多いのが、「建物の賃貸借方式」である。この方式により、初期投資の金額が抑制されている。

なお、19年8月末時点で、マネジメントコントラクト(MC)方式並びにフランチャイズ方式の店舗はなく、すべて直営の店舗である。

◆ 運営体制
ホテルの運営体制として、客室クリーニング等の外部委託する業務以外は、原則として自社の人員で運営している。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。