HENNGE<4475> 社内公用語は英語で、10以上の国と地域の従業員が在籍

2019/10/11

クラウドセキュリティサービスである「HENNGE One」を提供
社内公用語は英語で、10以上の国と地域の従業員が在籍

業種: 情報・通信業
アナリスト: 松尾 十作

◆ クラウドセキュリティサービスを提供
HENNGE(以下、同社)グループは、同社と連結子会社1社で構成されている。同社は1996年の創業だが、売上高の80%超を占めるクラウドセキュリティサービス「HENNGE One」は11年から提供している(図表1)。

◆ HENNGE One事業
企業が文書作成や表計算、人事労務等の様々なアプリケーションソフトをクラウドサービスで利用している環境において、HENNGE Oneは、複数のアプリケーションを、単一のIDとパスワードで安心・安全に接続(ログイン)することを可能にするシステムである。パソコン、タブレット、スマートフォン(以下、端末)のオペレーティングシステム(OS注1)がWindows、Mac、iOS、Android等異なっていても利用出来るほか、会社支給あるいは私用の端末といった状況に応じた様々なアクセス制限が出来る。

HENNGE Oneで連携可能なクラウドサービスは、「Office365」や「カオナビ」等100サービス(9月1日時点)ある。ユーザーとの契約形態は年額での定額課金のみであり、サービス開始時に一括して徴収している。

HENNGE Oneには、1)HENNGE Access Control、2)HENNGE Secure Browser、3)HENNGE Email DLP、4)HENNGE Email Archive、5)HENNGE Secure Transferの5つの商品がある。

HENNGE Access Controlには契約ユーザーの端末がクラウドサービスにアクセスする際のアクセス制御を行う機能がある。クラウドサービスにログインする際に当該サービス専用のIDとパスワードが必要となるが、契約ユーザーは単一のIDとパスワードで複数のクラウドサービスを利用できる。端末にはそれぞれ識別番号として固有のIPアドレス注2があるが、契約ユーザーが使用する端末のIPアドレスを登録することで、各種クラウドサービスごとにアクセスを制限出来る機能や不正アクセスを排除できる機能も付加されている。

HENNGE Secure Browserには、契約ユーザー専用のWebブラウザに、文書ファイルやメール添付ファイル等のデータを保存することで、端末にファイル等を残さず、端末の紛失やウイルス感染等による情報漏洩を防ぐ機能がある。また契約ユーザー専用のWebブラウザで表示されるテキストのコピーを禁止することで情報漏洩の可能性を低減させている。

HENNGE Email DLPは、メールの誤送信の抑止システムである。送信メールを一時保留した上で送信者以外の人が承認することで送信することができるシステムや、添付ファイルの自動zip暗号化注3を行い、パスワードを自動的に別送する仕組みがある。

HENNGE Email Archiveには、送受信メールの保管や検索などが出来る機能がある。

HENNGE Secure Transferは、大容量のファイルを安心・安全に組織内外に送受信できる機能を提供している。

◆ プロフェッショナル・サービス及びその他事業
プロフェッショナル・サービス及びその他事業では、メール配信パッケージソフトウェア等を販売している。取扱商材には「Customers Mail Cloud」、「HDE Mail Application Server #Delivery」、「HED Mobile MTA」がある。

メール送付先のなかに宛先不明メールや多数の宛先がある場合、相手に届くのに遅延や不達が生じる場合がある。Customers Mail Cloudを利用することで、専用のシステムを構築することなく、大量かつ確実に、高速でメールを配信することができるソフトウェアである。

HDE Mail Application Server #Deliveryは、ATMの引出し通知等、送信を絶対に止めることが出来ないようなメールを確実に配信する、オンプレミス注4のメール配信パッケージソフトウェアである。HED Mobile MTAも、オンプレミスのメール配信パッケージソフトウェアで、顧客先は携帯電話事業者向けに特化している。

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資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。