ファイズ<9325> 19 年 10 月の持株会社化をはじめ中期的な成長基盤強化の動きに注目

2019/09/10

EC サイト運営企業に特化してワンストップの物流サービスを提供する企業
19 年 10 月の持株会社化をはじめ中期的な成長基盤強化の動きに注目

業種: 倉庫・運輸関連業
アナリスト: 藤野敬太

◆ 会社概要
・ファイズ(以下、同社)は、顧客を EC サイト運営企業に特化してワンストッ プで物流サービスを提供する企業である。物流プロセスの全体をカバー するが、物流拠点内のオペレーションサービスが中心である。

◆ 19 年 3 月期決算
・19/3 期決算は、売上高 8,448 百万円(前期比 13.7%増)、営業利益 187 百万円(同60.1%減)となり、6期連続増収も、創業来初の減益になった。 対期初会社計画の達成率は、売上高が 93.8%、営業利益が 36.1%に留 まった。売上高の未達は、主力のオペレーションサービスでの伸び悩み とデリバリーサービスでの大型案件の終了後の新規顧客へのシフトが計 画ほど進まなかったのが主な要因である。さらに、成長投資のための費 用が増加して、減益幅が拡大した。

◆ 20 年 3 月期業績予想
・20/3 期連結業績について、同社は売上高 11,000 百万円(前期比 30.2% 増)、営業利益 250 百万円(同 33.6%増)を計画している。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、20/3 期の業績を、売上 高 10,256 百万円(同 21.4%増)、営業利益 234 百万円(同 25.3%増)と、 会社計画より慎重な水準を予想した。需要増を背景としたオペレーション サービスと新規サービスの拡大も貢献するロジスティクスサービスが増収 を牽引しよう。一方、人に関係する費用の増加を見込み、売上高営業利 益率は前期より若干の上昇に留まるものとした。

◆ 今後の注目点
・当センターでは、21/3 期は 29.0%、22/3 期は 23.6%の増収を予想する。 増収効果による売上高販管費率の低下によって、売上高営業利益率は 22/3 期に 3.6%まで上昇すると予想した。
・22/3 期までの中期経営計画の公表とともに、19 年 10 月からの持株会社 体制への移行、合弁会社の設立等、体制の変更を含む動きが活発化し ており、中期的な成長基盤の強化に向けたこれらの動向に注目したい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。