エルテス<3967> 業績悪化の19年2月期が過ぎ、20年2月期は再成長への布石を打つ期

2019/08/27

ソーシャルリスク等のデジタルリスクに対峙するソリューションを提供する会社
業績悪化の19年2月期が過ぎ、20年2月期は再成長への布石を打つ期

業種:情報・通信業
アナリスト: 藤野敬太

◆ 会社概要
・エルテス(以下、同社)は、リスク検知に特化したビッグデータ解析ソリューションを提供する会社である。ソーシャルメディアの利用に起因するリスクに対峙するソーシャルリスク関連サービスを主力としている。

◆ 19年2月期決算
・19/2期決算は、売上高1,656百万円(前期比3.0%増)、営業利益38百万円(同45.6%減)となった。コンサルティングサービスからモニタリングサービスへ戦略的にシフトしているために増収率が低めである中、既存事業での研究開発や新規事業の先行投資による費用増で大幅減益となった。また、投資先の減損処理等による特別損失の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は赤字となった。

◆ 20年2月期業績予想
・20/2期業績について、同社は売上高1,800百万円(前期比8.7%増)、営業利益50百万円(同28.3%増)と予想している。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、20/2期の業績を、売上高1,820百万円(同9.9%増)、営業利益52百万円(同34.0%増)と会社計画を若干上回る水準を予想した。モニタリングサービス契約の堅調な増加と新規事業の内部脅威検知サービスの拡大が増収を牽引しよう。一方、広告宣伝費の増加や新規事業への先行費用増により、売上高営業利益率は2.9%と前期比0.5%ポイントの改善に留まるものとした。

◆ 今後の注目点
・当センターでは、21/2期以降、年約15%の増収が続き、売上総利益率の緩やかな上昇と売上高販管費率の低下により、売上高営業利益率は22/2期に6.5%まで上昇すると予想した。
・既存事業の積み上がりが今後の成長の基盤となる一方、新しい技術の獲得を含め、新規事業をどれだけ生み出せるかも重要である。今後も新規事業にまつわる提携等のニュースフローにも注意を払っておきたい。

>>続きはこちら(1.90 MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。