ブティックス<9272> 既存事業で蓄積したノウハウ・情報・信頼を活用し、新たなサービスの創造を目指す

2019/07/23

介護関連業界を対象にした商談型展示会とM&A仲介が主力事業
既存事業で蓄積したノウハウ・情報・信頼を活用し、新たなサービスの創造を目指す

業種:小売業
アナリスト: 前田吉弘

1.会社概要
・ ブティックス(以下、同社)は、介護関連業界を対象とした「商談型展示会事業」、「M&A仲介事業」で構成されるBtoB事業セグメント、介護用品等の商材を一般消費者向けに販売する「eコマース事業」で構成されるBtoC事業セグメントを展開している。

2.財務面の分析
・売上高は15/3期から5期連続増収、経常利益は17/3期から3期連続増益となっている。
・イベント企画やM&A仲介に関連した企業との比較では、規模を除く、安全性、成長性、収益性の大部分で中位以上の水準にあり、稼ぐ力と財務体質は良好といえる。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、「異なるスキルセットを持った経営陣の存在」と「商談型展示会事業を通じたノウハウ・情報・信頼の蓄積」といえる。創業者で現代表取締役社長は強いリーダーシップを発揮しつつ、多様性を重視した人材登用によって人的資本と組織資本の基礎を成した。そして、独自のビジネスモデルによるノウハウ・情報・信頼の蓄積を通じて組織資本が強化され、顧客力やブランド力、ネットワーク力等の関係資本における優位性が形成されている。

4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、「BtoB事業における複数軸拡大への対応」、「新規事業への取り組み」、「BtoC事業の縮小と最適化」が列挙できる。
・今後の成長戦略としては、「既存事業拡大」、「介護業界深掘り」、「他業種展開」が推進される見通しである。

5.アナリストの評価
・今後の成長戦略としては、「既存事業拡大」、「介護業界深掘り」、「他業種展開」が推進される見通しである。
・一方、同社が将来的に目指す「他業種展開」はこれまでの事業戦略よりも難易度が高いように思える。パートナー戦略の積極活用を含め、どのような具体策が実行されるかを注視したい。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。