ABホテル<6565> 「130室モデル」をベースに高い売上高経常利益率にこだわった出店が続く見込み

2019/04/08

「ABホテル」のブランドで愛知県を中心にホテル事業を運営
「130室モデル」をベースに高い売上高経常利益率にこだわった出店が続く見込み

業種: サービス業
アナリスト: 藤野敬太

1.会社概要
・ABホテル(以下、同社)は、「ABホテル」のブランドで、愛知県を中心に宿泊特化型のホテルチェーンを展開している。「ホリデイスポーツクラブ」を運営する東祥(8920東証一部・名証一部)の子会社である。

2.財務面の分析
・同社が設立された15/3期以降18/3期まで増収増益が続いてきたが、新規出店の増加により17/3期の経常利益は微増益に留まった。18/3期も新規出店増による売上総利益率の低下は続いたが、販売費及び一般管理費の増加が抑制され、二桁増益基調を取り戻している。
・比較的業態が似たホテルを運営する上場企業との比較では、成長性指標は優位だが、積極的に借入及び設備投資を行う局面にあるため、一部を除く収益性指標や安全性指標では下回っている。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、知的財産・ノウハウとしての「130室モデル」(組織資本)にある。親会社の東祥のホテル事業部であった頃からのノウハウ蓄積や、東祥が過去に営んでいた建設業の知見が活かされ、収益性の高いビジネスモデルとして磨き上げられていき、関係資本である顧客の増加やホテルチェーンとしてのブランド向上へつながっていった。

4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、既存店舗の収益性向上、新規出店のための用地の確保、投資金額の増加への対応と財務体質強化が挙げられる。
・年間5店舗のペースで出店し、100店舗体制にすることが、同社の中長期の目標である。そのため、出店、販売、商品、人材の4つの戦略を展開し、ホテルチェーン全体の量の拡大と質の向上を図っていく。

5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、ビジネス需要、立地と規模、高収益性の3点にこだわって確立された「130室モデル」は完成度が高いものと評価している。特定地域でのドミナント出店にこだわらないために出店余地は大きく、年5店舗の新規出店は十分に可能と考える。高い水準での設備投資が続くことから、今後、資金の手当てが課題のひとつになってこよう。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。