イオレ<2334> 19年3月期の事業転換を経て採用広告の運用型広告市場でシェア確立を目指す

2019/04/02

連絡網サービス「らくらく連絡網」のデータベースを事業基盤とする企業
19年3月期の事業転換を経て採用広告の運用型広告市場でシェア確立を目指す

業種: サービス業
アナリスト: 藤野敬太

1.会社概要
・イオレ(以下、同社)は、「らくらく連絡網」のサービスを中核に、自社メディアの運営と他社メディアの広告運用(運用型広告)のサービスを行う。19/3期の事業転換により、採用広告分野での運用型広告に注力する方向に舵を切った。

2.財務面の分析
・開示のある13/3期以降5期連続増収だが、広告サービスの「pinpoint」立ち上げや上場に向けた管理体制強化のため、15/3期は経常利益が大きく落ち込んだ。「pinpoint」が収益化した17/3期以降は過去最高の経常利益を更新した。
・運用型広告で「pinpoint」に近いサービスを持つ上場企業との比較では、安全性には優位性がある。また、他社より売上高営業利益率が高く、売上高の成長性が低いが、事業転換前の財務指標のためという可能性もあり、事業転換後の財務指標の確認を待ちたい。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、組織資本の知的財産・ノウハウに属する「らくらく連絡網」と「pinpoint DMP」に蓄積されてきたデータである。これらのデータ蓄積が既存サービスの品質向上や新サービスの創出につながり、顧客拡大、更なるデータ蓄積という好循環を生み出すことになる。

4.経営戦略の分析
・対処すべき課題として、19/3期に行った事業転換の成果の追求のほか、優秀な人材の確保や知名度の向上が挙げられる。
・攻略すべき採用広告市場の運用型広告の分野で、リーディングカンパニーとなることが目標で、同分野で売上高を伸ばすことが戦略の根幹である。そのため、販売チャネルの改変、新サービスの展開を行っていく。

5.アナリストの評価
・証券リサーチセンターでは、優先順位を明確にする経営で19/3期の事業転換を乗り切ったものと評価する。今後求められる注力分野の増収については、そのスピードに着目する必要があると考える。
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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。