ギークス<7060> スマートフォン向けゲームの企画・開発・運営を行うゲーム事業など複数の事業を行う

2019/04/01

ITフリーランスの働き方を支援するIT人材事業、スマートフォン向けゲーム
の企画・開発・運営を行うゲーム事業など複数の事業を行う

業種: サービス業
アナリスト: 佐々木 加奈

◆ IT人材事業を中心に複数の事業を手掛ける
ギークス(以下、同社)は、「21世紀で最も感動を与えた会社になる」ことをグランドビジョンに掲げ、IT人材の働き方支援や育成、スマートフォンゲームの開発や動画制作など、複数の事業を行っている(図表1)。

事業セグメントは「IT人材事業」、「IT人材育成事業」、「ゲーム事業」、「動画事業」、「インターネット事業」に分類されており、「ゲーム事業」が19/3期第3四半期累計期間売上高の52.4%、「IT人材事業」が34.0%を占めている(図表2)。連結子会社は2社で、G2 Studiosが「ゲーム事業」、NexSeed Inc.が「IT人材育成事業」を行っている。

「IT人材事業」
日本で社会問題化している慢性的なIT人材不足を、ITフリーランス注1を活用した技術リソースシェアリングによって解決することを目指して事業を行っている。同社が、ITフリーランスの有する技術スキル、経験などをデータベース化し、企業のニーズに合わせてIT人材の提供を行うプラットフォームを運営している。これにより、企業は採用や教育にコストをかけず、必要な人材を効率的に確保することが可能となる。

ITフリーランスは、同社が運営する案件検索サイト「geechs job(ギークスジョブ)」を利用して希望の職場を確保することが可能となる。また、同社は福利厚生プログラム「フリノベ」を17年1月から提供しており、「geechs job」に登録したITフリーランスは、確定申告のサポート、会計ソフトや健康診断などの各種サービスを優待利用できる仕組みとなっている。

IT人材事業の売上高は、企業から受け取る人月単価、契約期間等で決まる業務委託取扱高に応じた業務委託料とITフリーランスへ支払う業務委託料との差額であり、業務委託取扱高の15~16%程度である。受注人月数、業務委託取扱高ともに順調に増加している(図表3)。

「IT人材育成事業」
グローバルに活躍するIT人材を育成することを目的として、13年にフィリピンのセブ州に子会社NexSeed Inc.を設立し、エンジニア留学、英語留学の機会を提供するスクール事業を行っている。現在、「NexSeed」はフィリピンで最大級の日系テックスクールとなっており、ノウハウを活かした受託型スクールの運営も行っている。IT人材育成事業の売上高は、留学生からの留学費用や提携企業からの運営受託売上から成る。

「ゲーム事業」
大手ライセンサーやゲームメーカー等のゲーム配信事業者と協業・パートナーシップを組み、Unity注2を使ったネイティブアプリゲーム注3の企画・開発・運営を受託している。主な開発タイトルは、男性アイドルユニットの育成が楽しめるリズムゲーム注4「アイドリッシュセブン」(バンダイナムコオンラインとの協業タイトル)、ライブを通じて男性アイドルを育成する「ツキノパラダイス。(ツキパラ。)」(バンダイナムコエンターテインメントとの協業タイトル)などである。ゲーム配信事業者からの企画・開発の制作料と一定額の運営受託料がゲーム事業の売上高となる。また、協業の内容によっては、ゲーム配信事業者の課金売上収入から一部分配によるロイヤリティー収入を得ている。

「動画事業」
主に、パチンコ・パチスロ等の遊技機系とスマホゲーム・アプリのPV(プロモーションビデオ)、企業のサービスや商品、採用ホームページ用の映像や動画の制作を行っている。また、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、プロジェクションマッピングといった新技術を活用した動画コンテンツの制作を行っている。広告代理店や顧客企業からの受託制作料が動画事業の売上高となる。

「インターネット事業」
ゴルフ専門の情報サイト「Gridge(グリッジ)」の運営を行っている。「Gridge」は、若い層や女性ゴルファーをターゲットとし、一般ゴルファーをライターとして活用して記事や動画コンテンツを掲載している。インターネット事業の売上高は、ゴルフ用品メーカーやアパレル企業からの記事広告、動画配信、・リアルイベント連動広告、求人広告などの配信料である。

>>続きはこちら(1.38 MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。