フロンティアインターナショナル<7050> 19年4月期は人件費等の費用増で一時的に利益成長が鈍化する見込み

2019/03/07

店頭販売支援の機能も含めてトータルでプロモーションを支援する企業
19年4月期は人件費等の費用増で一時的に利益成長が鈍化する見込み

業種: サービス業
アナリスト: 藤野 敬太

◆ プロモーション領域全般を支援する企業
フロンティアインターナショナル(以下、同社)は、顧客企業の商品やサービスのプロモーション(販売促進)を支援する企業である。顧客企業のプロモーション活動の一連の業務(企画、制作、施工、運営、演出)までを一気通貫で請け負う。また、ブランディングイベントや新商品発表会、街頭イベント等の消費者との直接的な接点での体験価値の提供を得意としている。

同社の事業は、プロモーション事業の単一セグメントである。イベントプロモーション、キャンペーンプロモーション、PR、スペースプロデュース、デジタルプロモーションといったプロモーションに関する5つの機能に、消費者との直接接点となる販売現場を支援する店頭販売支援事業を加えた6つの機能に区分される。これらの機能をフルラインナップで提供できることが同社の特徴となっている(図表1)。

機能別売上高の詳細の開示はないが、イベントプロモーションが全売上高の約半分を占め、店頭販売支援が約3割、残りの4機能が約2割というのがおよその内訳である。

過去、「TOKYO GIRLS COLLECTION」のイベントプロモーションや、東京マラソンに付随して開催される「東京マラソンEXPO」のイベントプロモーション及びスペースプロデュースを手掛けた実績を有する。

◆ プロモーション領域
プロモーションの5つの機能を社内で併せ持つことにより、顧客企業の需要や制約に対して柔軟に対応できるほか、複数の機能を掛け合わせることでプロモーション効果を高めることを可能にしている。プロモーションの機能を一つの社内で持つことで効果が高まるため、プロモーション領域については、国内では同社が、中国では划劳通文化艺术咨询(上海)有限公司、インドネシアではPT. FRONTIER INTERNATIONAL INDONESIAが担当する。

◆ 店頭販売支援事業
プロモーションを実施した後、消費者が実際に購買するまでの販売現場での活動を支援している。具体的には、店頭販売現場への販売人員の派遣やPOP等の訴求ツールの制作を行う。店頭販売支援事業の業務は、連結子会社のセルコムとフロンティアダイレクトが担当する。

◆ 案件の状況
18/4期の案件数は約2,100件だったが、その約40%が1,000万円までの小型案件となっている(図表2)。小型案件から大型案件までをこなせることが同社の特徴のひとつとなっている。また、18/4期の顧客約450社の業種別内訳を見ると、最大の嗜好品・化粧品でも20%に達しておらず、顧客の業種分散ができている状況がうかがえる。

なお、18/4期の取引の73%が広告代理店経由の取引、27%が顧客企業との直接取引である。顧客企業との直接取引が一定割合あることにより、顧客の需要動向に敏感であるとともに、採算性向上につながっていると言えよう。

◆ フロンティアインターナショナルの強み
同社の特色及び強みとして、(1)顧客企業に提供するソリューション領域の広さ、(2)海外を含む拠点数の多さ、(3)一定割合の直接取引の存在、(4)顧客接点の豊富さ(案件規模、クライアント属性)の4点が挙げられよう。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。