ジャパンエクセレント投資法人(8987)の第30期決算はコロナ禍による収益影響は当初計画の範囲内。営業費用等の減少により内部留保を温存の上、分配金は計画比上振れ着地。1口当たりNAVの成長も継続

2021/12/09



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説明会開催日:2021年8月18日
代表取締役社長 香山 秀一郎氏

◎決算ハイライト
・営業収益は105.6億円(前期比-4.7億円)、営業利益は45.9億円(-3.3億円)
・1口当たり分配金は当初予想通り前期比-62円の2,938円
・コロナ禍による収益影響は当初計画の範囲内。営業費用等の減少により内部留保を温存の上、分配金は計画比上振れ着地
・1口当たりNAVの成長も継続
▽外部成長
・スポンサーよりBIZCORE神保町を102億円で取得 – 巡航ベースの分配金を116円嵩上げる収益効果
・築古(築43年)の興和白金台ビルを売却決定 – 2022年6月期に計上する売却益を分配金の維持・安定化に活用
・スポンサー・第三者との物件取得交渉の継続
▽内部成長
・退去は想定通りも、テナントの様子見続き入居計画未達
・賃料改定については、テナントの業況等を総合的に勘案して柔軟に対応
・コロナ禍影響による賃料減免・支払猶予は12百万円程度と限定的
▽財務戦略
・キャッシュマネジメントによる資産効率の向上 – 全額手元資金によるBIZCORE神保町の取得、預り敷金リリース
・バイバックに機動的に対応するため資産運用ガイドラインの改訂
・長期借入金40億円の借り換えで長期化・金利引下げを実現
▽ESG
・MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数へ組入れ
・21世紀金融行動原則へ署名
・TCFDへ賛同表明
・グリーンビル認証の取得継続(2物件追加)
・保有3物件での使用電力切替によるCO2排出量削減

 

◎業績予想
・第31期業績は、営業収益106.8億円(前期比+1.2億円)、営業利益44.2億円(-1.6億円)を予想
・入退去要因により賃貸事業収入は減少も、BIZCORE神保町の通期寄与により、1口当たり分配金は圧縮積立金取崩しなく当初予想比+100円の2,800円を予想
・第32期業績は、営業収益110.4億円(前期比+3.5億円)、営業利益47.1億円(+2.8億円)を予想
・入退去要因による賃貸事業収入減を興和白金台ビル売却益で打ち返し、圧縮積立金320百万円繰入の上、1口当たり分配金は前期比±0円の2,800円を予想

 

◎運用状況と方針
▽外部成長
・コアスポンサーの日鉄興和不動産が開発を進める中規模ハイグレードオフィスビル『BIZCORE(ビズコア)』シリーズから、 第二弾としてBIZCORE神保町(83.2%相当)を取得
・全額手元資金を充当し資産効率向上。巡航分配金116円嵩上げ
・最も築古の興和白金台ビルにつき、将来的な建替え・再開発を展望したアセットリサイクルの観点から、スポンサーへ売却を決定
・将来的な収益性を勘案したポートフォリオの入替という観点に加え、足許の相場水準で売却価格を決定し、想定される売却益を活用することを展望
・約8億円の売却益の一部を第32期の分配金に活用し、残額を内部留保することで、将来的な分配金安定化のための財務余力に
・本件も入替を想定しており、代り物件については今後、スポンサーと協議予定
【方針】 安定的な1口当たり分配金・NAVの成長を目指すべく、コンスタントに良質な取得物件の積み上げを図る方針
【今後の戦略】
・厳選投資の下、中期的な資産規模拡大へ
・コアスポンサーの中期計画と連動した、継続的なパイプライン供給が主軸
・入替によるポートフォリオ改善にも継続して取り組み
▽内部成長
<賃料の状況①(入居・退去)>
・大型床を中心にテナントの様子見姿勢続き、第30期末の稼働率は96.4%で着地(計画比▲0.7pt)
・オフィス需要の持ち直しを想定し、稼働率は第31期をボトムに緩やかな回復を予想
<賃料の状況②(賃料改定)>
・第30期は改定対象面積の10.5%で+6.0%の増額を実現
・第31期、第32期はリーシングマーケット環境に鑑み、増額ターゲット先を絞り込むとともに、ある程度の減額更改を想定した保守的な計画
<賃料ギャップの状況>
・賃料ギャップは▲5.8% 。依然既存契約(オフィス)の6割超がマーケット賃料以下
<工事実績推移>
・中長期的な視点から、各物件の運用状況・競争力を見極めたうえで修繕・リニューアルを計画的に実施し、物件の資産価値を維持・向上
・経年に伴う大規模改修にも計画的に取り組み
<CO2排出削減等に向けた設備改修>
・CO2排出削減及びSDGs(持続可能な開発目標)に向けた運用資産の設備改修を計画的に実行
▽財務戦略
・長期借入金40億円を固定金利にて借換。長期化・金利引下げを実現
・預り敷金リリースによりLTVに影響することなく物件取得余力を拡大
・金利の固定化、残存期間の長期化、返済期限の分散化を併進させつつ、売却益を活用し内部留保を積み増し
▽ESG関連
・足許の1年間でESGに関する取組みの幅が広がり、ある程度の基盤は整ったとの認識
・今後は、従前の取組みを着実に遂行していくことに加え、新たなテーマに向けてチャレンジするESG第2ステージへ踏み込むことで、更なる進化・深化を図るべく努力

 


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