(4319)TAC株式会社 増収見込み 新事業領域への挑戦

2022/03/03

 

 

多田 敏男 社長

TAC株式会社(4319)

 

 

会社情報

市場

東証1部

業種

サービス業

代表取締役社長

多田 敏男

所在地

東京都千代田区神田三崎町3-2-18

決算月

3月末日

HP

https://www.tac-school.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

229円

18,504,000株

4,237百万円

7.2%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

6.00円

2.6%

20.54円

11.1倍

313.88円

0.7倍

*株価は2月10日の終値。発行済株式数、DPS、EPSは22年3月期第3四半期決算短信より。ROE、BPSは前期実績

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2018年3月(実)

20,951

833

735

442

23.93

5.00

2019年3月(実)

20,474

340

409

309

16.74

8.00

2020年3月(実)

20,331

162

260

103

5.58

5.00

2021年3月(実)

19,749

404

646

405

21.92

5.00

2022年3月(予)

20,500

600

578

380

20.54

6.00

*単位:百万円、円。予想は会社予想。数値は発生ベース。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下、同様。

 

 

TACの2022年3月期第3四半期決算概要等についてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2022年3月期第3四半期決算概要
3.2022年3月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 22年3月期第3四半期は前年同期比増収、営業増益。現金ベース売上高は、新型コロナウイルス感染拡大により落ち込んだ前年同期より回復しており、前年同期比5.0%増の155億33百万円。発生ベース売上高は同6.2%増の155億99百万円。売上原価が同7.0%増、販管費が同0.5%増にとどまったため、発生ベース営業利益は同22.9%増の6億66百万円となった。当期純利益は同4.5%減の4億56百万円となった。

     

  • 通期業績予想に変更は無い。22年3月期業績は前期比増収営業増益予想だが、営業外の一過性要因無くなり経常利益以下は減益予想。現金ベース売上高は、前期比4.2%増の206億50百万円、発生ベース売上高は同3.8%増の205億円、営業利益は同48.3%増の6億円を予想。新たな売上獲得及び新たな事業領域への挑戦により「増収を見込み、賃借料の適切なコントロールを中心とした施策等により大幅増益を見込んでいる。ただ、経常利益及び当期純利益は減益を予想。前期に計上した助成金収入を見込んでいないため。なお、配当は前期より1.00円/株を増配し6.00円/株を予定。予想配当性向は29.2%。

     

  • 新型コロナウイルス感染拡大のピークアウト感が見えてきている。加えて、リモートなどウィズコロナに向けた新たな生活スタイルが定着しつつある。昨年コロナの影響で延期もしくは中止になった各種試験は、ネット試験なども活用しながら、戻ってくることが考えられるため、今後の動向に注目したい。

     

1.会社概要

「資格の学校TAC」として、資格取得スクールを全国展開。社会人や大学生を対象に、公認会計士、税理士、不動産鑑定士、社会保険労務士、司法試験、司法書士等の資格試験や公務員試験の受験指導を中心に、企業向けの研修事業や出版事業等も手掛ける。

 

企業グループ(連結子会社9社、持分法適用関連会社1社、非連結・持分法非適用子会社1社)

会社区分

セグメント

会社名

業務内容

連結子会社

個人教育事業

(株)TAC総合管理

太科信息技術(大連)有限公司

(株)オンラインスクール

教室用ビルの契約・メンテナンス業務等

大連オペレーションセンター(事務・教材視聴チェック等)

インターネットを通じての会員制教育事業

法人研修事業

(株)LUAC

保険関係の企業研修事業

出版事業

(株)早稲田経営出版

(株)TACグループ出版販売

「Wセミナー」ブランドの出版事業

出版事業に関する営業・宣伝等

人材事業

(株)TACプロフェッションバンク

人材紹介・派遣・求人広告事業

(株)医療事務スタッフ関西

医療事務系労働者派遣、レセプト作成業務

(株)クボ医療

レセプト点検業務、レセプト整理業務など

持分法適用関連会社

 

(株)プロフェッションネットワーク

実務家向けWeb情報誌の発行

非連結・持分法非適用子会社

 

泰克現代教育(大連)有限公司

日本式簿記・情報処理教育の企業研修

*2021年12月末。

【1-1沿革】

1980年12月、資格試験の受験指導を目的として設立され、公認会計士講座、日商簿記検定講座、税理士講座を開講。2001年10月に株式を店頭登録。03年1月の東証2部上場を経て、04年3月に同1部に指定替えとなった。09年9月には司法試験、司法書士、弁理士、国家公務員Ⅰ種(現・国家総合職)・外務専門職等の資格受験講座を展開していた(株)KSS(旧・早稲田経営出版)から資格取得支援事業及び出版事業を譲受。これにより、会計分野に強みを有する同社の資格講座に法律系講座が加わると共に、公務員試験のフルラインナップ化も進んだ。2013年12月、小中高生向け通信教育事業を柱とする(株)増進会出版社と資本・業務提携契約を締結。2014年6月には医療事務分野への進出を狙い、M&Aを実施。

 

【1-2強み】

(1)試験制度の変化や法令改正へのきめ細かい対応
同社は、会社設立間もない頃から講師陣が毎年テキストを改訂し、試験制度の変化や法令改正にきめ細かく対応することで他社との差別化を図り受講生の支持を得てきた。事業が200億円規模になると、毎年発生するテキスト改訂コストを吸収することが可能だが、新規参入を考える企業はもちろん、同社よりも事業規模の劣る同業者にとっても、テキストを毎年改訂することは大きな負担である(ノウハウの蓄積が進み、高い生産性を実現していることも強みとなっている)。

 

(2)積極的な講座開発と充実したラインナップ
同社は大学生市場の開拓も含めて積極的に新しい分野(新講座の開設)にチャレンジすることで業界トップに上り詰め、業界初の株式上場を果たした。また、09年には、Wセミナーの資格取得支援事業を譲受し、従来手薄だった法律系講座や公務員試験のラインナップを拡充した。法律系講座及び公務員講座は、会計系3講座(公認会計士、税理士、簿記検定)と共に3本柱を形成し、マーケットの大きい3本柱を中心に多様な講座をラインナップしている。

 

(3)受講生中心主義の下でのサービスの先進性
サービスの先進性も同社の強みである。教育メディアや講師を受講生が自由に選択できるシステムを、資格取得学校市場で最初に導入したのは同社である。その背景にある受講生中心主義の経営姿勢は、テキストの品質と共に、「資格の学校TAC」のブランド醸成に一役買っている。

【1-3 ROE分析】

 

15/3期

16/3期

17/3期

18/3期

19/3期

20/3期

21/3期

ROE(%)

4.9

4.8

10.3

8.6

5.7

1.9

7.2

 売上高当期純利益率(%)

1.06

1.07

2.40

2.11

1.51

0.51

2.05

 総資産回転率(回)

0.98

0.93

0.94

0.96

0.95

0.97

0.97

 レバレッジ(倍)

4.68

4.81

4.60

4.27

4.00

3.81

3.60

収益性の大幅な改善によりROEが4期ぶりに改善した。今期の売上高当期純利益率は一過性要因が無くなるため1.9%に低下し、ROEは6.4%と悪化すると同社では見込んでいる。

 

2.2022年3月期第3四半期決算概要

売上高について
同社が行う資格取得支援事業は、受講申込者に全額受講料をお支払いいただき(現金ベースの売上)、当社はこれを一旦、前受金として貸借対照表・負債の部に計上する。その後、教育サービス提供期間に対応して、前受金が月ごとに売上に振り替えられる(発生ベースの売上)。損益計算書に計上される売上高は発生ベースの売上高で、同社は経営管理上、現金ベースの売上高の増加を重視している。
なお、今期から「収益認識に関する会計基準」等を適用しており、出版事業における返品の可能性のある取引については予想される返品相当額の純額を加減し、売上高で従来に比べ1億44百万円増加している。

 

季節的特徴について
同社の四半期毎の業績推移は次のとおり。なお、現金ベース売上高(前受金調整前売上高)は受講申し込み金額を集計した売上高を、発生ベース売上高(前受金調整後売上高)は受講申し込み金額を教育サービス提供期間に対応して配分した後の売上高を、それぞれ表している。
同社が扱う公認会計士や税理士などの主な資格講座の本試験が春から秋(第1~第3四半期)に実施されることや、公務員講座など大学生が主な顧客となる講座の申し込みは春から夏(第1~第2四半期)に集中する等の特徴があるため、第4四半期は申し込み(現金ベース売上高)がその他の四半期に比べて少なくなりやすい傾向がある。一方、賃借料や講師料、広告宣伝費などの営業費用は毎月一定額が計上されるため四半期ごとの偏重は無い。

 

(1)連結業績

 

21/3期3Q

構成比

22/3期3Q

構成比

前年同期比

現金ベース売上高

14,790

100.7%

15,533

99.6%

+5.0%

発生ベース売上高

14,694

100.0%

15,599

100.0%

+6.2%

売上総利益

5,954

40.5%

6,106

39.1%

+2.6%

販管費

5,412

36.8%

5,440

34.9%

+0.5%

営業利益

541

3.7%

666

4.3%

+22.9%

経常利益

701

4.8%

709

4.5%

+1.2%

四半期純利益

477

3.2%

456

2.9%

-4.5%

*単位:百万円。四半期純利益は親会社株主に帰属する四半期純利益。以下、同様。

 

増収、増益
22年3月期第3四半期は前年同期比増収、営業増益。現金ベース売上高は、新型コロナウイルス感染拡大により落ち込んだ前年同期より回復しており、前年同期比5.0%増の155億33百万円。発生ベース売上高は同6.2%増の155億99百万円。売上原価が同7.0%増、販管費が同0.5%増にとどまったため、発生ベース営業利益は同22.9%増の6億66百万円となった。当期純利益は同4.5%減の4億56百万円となった。なお、今期から「収益認識に関する会計基準」等を適用しており、出版事業における返品の可能性のある取引については予想される返品相当額の純額を加減し、売上高で従来に比べ1億44百万円増加、売上原価も同様に56百万円増加している。一方、従来より売上総利益相当額については返品調整引当金を計上していたため、差引売上総利益以下の各段階利益に与える影響はない。

 

(2)セグメント別動向

セグメント別現金ベース売上高

 

21/3期3Q

構成比

22/3期3Q

構成比

前年同期比

個人教育事業

8,628

58.3%

8,450

54.4%

-2.1%

法人研修事業

3,125

21.1%

3,392

21.8%

+8.5%

出版事業

2,671

18.1%

3,296

21.2%

+23.4%

人材事業

403

2.7%

434

2.8%

+7.9%

内部売上高または振替高

-38

-40

連結売上高

14,790

100.0%

15,533

100.0%

+5.0%

*単位:百万円

 

セグメント別現金ベース営業利益

 

21/3期3Q

利益率

22/3期3Q

利益率

前年同期比

個人教育事業

-273

-3.2%

-243

-2.9%

法人研修事業

800

25.6%

846

24.9%

+5.7%

出版事業

904

33.9%

826

25.1%

-8.6%

人材事業

61

15.2%

90

20.9%

+48.7%

内部売上高または振替高

-854

-919

連結営業利益

638

4.3%

599

3.9%

-6.0%

*単位:百万円。

 

【個人教育事業】
減収・赤字縮小

増収

簿記検定講座等

 

新型コロナウイルスの新規感染者数が拡大する状況が続いた当第2四半期(7~9月)から引き続き当社講座への申し込み状況は低調に推移し、当第3四半期までの累計での現金ベース売上高は前年を下回る結果となった。前年の第3四半期までと今年の第3四半期までとでは資格試験等の実施状況に相違があるため同社講座への申し込みが集中する時期にも相違が生じており、全体としての傾向を把握するためには第4四半期の状況も含めて判断していく必要があるが、コロナ禍が続く不透明な社会状況において同社講座への申し込みも様子見傾向が続いている。主力講座の一つである簿記検定講座及び税理士講座は第1~2四半期に引き続き第3四半期も順調に推移し、前年の売上を上回った。一方、公認会計士講座においては、短答式試験の実施時期の違いにより受験経験者向けの次年度向け商品の申し込み時期に相違が生じ、第1四半期の現金ベース売上高は増加したが、第2~3四半期は前年を下回り第3四半期までの累計で前年を下回った。また公務員講座も、主な受講生層である大学生に関して、大学生活との両立の関係や民間就職と公務員志望との間で様子見といった状況等により第3四半期までの累計での現金ベース売上高は前年を下回った。
コスト面では、講師料、教材制作のための外注費、賃借料等とあわせた営業費用の合計は86億94百万円(前年同期比2.3%減)となった。

 

【法人研修事業】
増収・増益

増収

大学内セミナー、コンテンツ提供、委託訓練等

 

企業向けの研修は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年の第2四半期以降WEB会議システムを利用した研修需要が増加してきており、受講場所を選ばない、研修会場までの移動時間やコストを削減できる等の様々なメリットを享受できることから、対面型研修が実施できない場合の代替的手段との位置付けから研修実施方法の一つとして定着しつつある。企業における研修需要は、企業のDX推進もあり情報・国際分野の需要が大きい他、金融・不動産分野なども全体的に好調に推移している。大学内セミナーは、休校などの措置が取られていた期間があった昨年と比較すると今年は対面授業も少しずつ行われるようになっていることで、4~12月の9か月間は前年同期比で15.9%増となった。地方の個人を主な顧客とする提携校事業は同8.4%減、地方専門学校に対するコンテンツ提供は同26.7%増、自治体からの委託訓練は同3.9%減となった。
コスト面では、講師料、営業に係る人件費等の営業費用は25億45百万円(同9.5%増)となった。

 

【出版事業】
増収・減益

増収

簿記検定、中小企業診断士、情報処理、FP、賃貸不動産経営管理士、電験等

 

出版事業は、第1四半期(4~6月)において昨年とは異なり多くの書店が営業していたことや、自宅で過ごす時間が増加したことに伴ういわゆる巣ごもり需要が続いていること等により前年を大きく上回った。資格試験対策書籍では、TAC出版の簿記検定、中小企業診断士、情報処理、FP、賃貸不動産経営管理士、電験などが好調に推移した。
コスト面では、売上の増加に伴い外注費や業務委託費等の制作費用が増加したことや、一定の販促活動を行っていること等の理由により、営業費用全体としては24億69百万円(前年同期比39.7%増)となった。
なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用により、売上高は従来の方法に比べ1億44百万円増加しているが、営業利益には影響がない。

 

【人材事業】
増収・大幅増益
会計系人材事業は、人材派遣売上は前年に比べ低調に推移しているが、広告売上及び人材紹介売上が前年を上回った。税理士法人や監査法人、一般企業などにおける会計系人材の需要は大きく、また求職者も増加傾向で短期間に成約に至る件数も増えてくるなど、人材紹介売上は好調に推移している。医療系人材事業は、コロナ禍において業務量が増加したことに加え営業力強化による取引先の拡大の効果が順調に売上に結び付いている。

 

(3)分野別動向

22年3月期第1四半期連結会計期間の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しており、出版事業における返品の可能性のある取引については予想される返品相当額の純額(前期末において計算された返品相当額の売上高への繰入と当第3四半期末における返品相当額の売上高からの控除)を売上高に加減している。同社は、当該返品相当額を合理的に見積る方法として、過去の売上高に対する返品実績等に基づいた全体的な見積計算を行う方法を採用しており各分野への按分は行っていない。そのため、当第3四半期に係る各分野の売上高を合計した額(下記表中の「合計」欄に記載の数値)は四半期連結損益計算書における売上高とは一致しない。

 

分野別発生ベース売上高

 

21/3期3Q

構成比

22/3期3Q

構成比

前年同期比

財務・会計分野

2,865

19.5%

3,195

20.7%

+11.5%

経営・税務分野

2,273

15.5%

2,301

14.9%

+1.3%

金融・不動産分野

3,449

23.5%

3,789

24.5%

+9.9%

法律分野

991

6.7%

946

6.1%

-4.5%

公務員・労務分野

3,346

22.8%

3,187

20.6%

-4.8%

情報・国際分野

1,046

7.1%

1,170

7.6%

+11.8%

医療・福祉分野

192

1.3%

210

1.4%

+9.3%

その他

528

3.6%

654

4.2%

+23.9%

合計

14,694

100.0%

15,455

100.0%

+5.2%

*単位:百万円

 

【マーケット概要】
2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、試験の中止等があったため、申込者が大幅に減少。2021年度は、資格試験等は、概ね例年通りの日程で実施予定。

 

【分野別概況】
(財務・会計分野)
簿記検定は、2020年の6月の日商簿記検定試験が中止となったものの、2021年は試験会場で受験する統一試験(ペーパー形式)の申込者数は316,926人と前年比で前年比+13,386人と、5年ぶりに増加。ネット試験の2020年12月~2021年12月の期間の受験者数は2級101,674人、3級199,464人。
公認会計士は、2021年の申込者数が14,192人で前年比+961人と6年連続で増加。
税理士は、2021年の申込者数は35,774人で前年比+639人と増加。

 

(公務員・労務分野)
コロナ禍の影響で2020年度の公務員試験は試験日程を延期して実施されたが、2021年は概ね例年通りに実施。
民間企業への就職を選択する傾向もあり、公務員志願者は減少傾向。

 

(法律分野)
2021年の司法試験予備試験の申込者数は14,317人と、前年比で▲1,001人と6年ぶりに減少。
2021年の司法書士は14,988人と前年比+557人と増加、弁理士は3,859人と前年比+458人と増加。

 

(4)受講者数の動向

 

21/3期3Q

構成比

22/3期3Q

構成比

前年同期比

個人受講者数

97,617

57.3%

98,640

57.4%

+1.0%

法人受講者数

72,638

42.7%

73,312

42.6%

+0.9%

合計

170,255

100.0%

171,952

100.0%

+1.0%

*単位:人

 

分野別受講者数

 

21/3期3Q

構成比

22/3期3Q

構成比

前期比

財務・会計分野

26,693

15.7%

26,335

15.3%

-1.3%

経営・税務分野

19,053

11.2%

20,717

12.1%

+8.7%

金融・不動産分野

50,773

29.8%

50,550

29.4%

-0.4%

法律分野

8,411

4.9%

8,258

4.8%

-1.8%

公務員・労務分野

39,576

23.3%

38,165

22.2%

-3.6%

情報・国際/医療・福祉/その他分野

25,749

15.1%

27,927

16.2%

+8.5%

合計

170,255

100.0%

171,952

100.0%

+1.0%

*単位:人

 

(5)財政状態

◎主要BS項目

 

21年3月末

21年12月末

 

21年3月末

21年12月末

 現預金

5,149

6,100

 仕入債務

633

557

 売上債権

3,792

3,755

 返品調整・廃棄損失引当金

727

264

 たな卸資産

894

844

 前受金

6,294

6,266

流動資産

10,501

11,480

 資産除去債務

106

203

 有形固定資産

4,760

5,008

 有利子負債

4,446

5,321

 無形固定資産

233

208

負債

14,602

15,250

 投資その他

4,922

4,743

純資産

5,815

6,191

固定資産

9,915

9,960

負債・純資産合計

20,417

21,441

*単位:百万円

 

現預金の増加等で流動資産は前期末比9億78百万円増加。有形固定資産の増加などで固定資産は同44百万円増加。資産合計は同10億23百万円増加し214億41百万円。
有利子負債の増加などで負債合計は同6億48百万円増加の152億50百万円。
利益剰余金の増加等で純資産は同3億75百万円増加の61億91百万円。
この結果、自己資本比率は前期末より0.4%上昇し28.8%となった。

 

3.2022年3月期業績予想

(1)連結業績予想

 

21/3期 実績

構成比

22/3期 予想

構成比

前期比

現金ベース売上高

19,816

100.3%

20,650

100.7%

+4.2%

発生ベース売上高

19,749

100.0%

20,500

100.0%

+3.8%

差引売上総利益

7,725

39.1%

販管費

7,320

37.1%

営業利益

404

2.0%

600

2.9%

+48.3%

経常利益

646

3.3%

578

2.8%

-10.6%

当期純利益

405

2.1%

380

1.9%

-6.3%

*単位:百万円。予想は会社側予想。

 

業績予想に変更無し。
22年3月期業績は前期比増収営業増益予想だが、営業外の一過性要因無くなり経常利益以下は減益予想。現金ベース売上高は、前期比4.2%増の206億50百万円、発生ベース売上高は同3.8%増の205億円、営業利益は同48.3%増の6億円を予想。新たな売上獲得及び新たな事業領域への挑戦により「増収を見込み、賃借料の適切なコントロールを中心とした施策等により大幅増益を見込んでいる。ただ、経常利益及び当期純利益は減益を予想。前期に計上した助成金収入を見込んでいないため。なお、配当は前期より1.00円/株を増配し6.00円/株を予定。予想配当性向は29.2%。

4.今後の注目点

新型コロナウイルス感染拡大のピークアウト感が見えてきている。加えて、リモートなどウィズコロナに向けた新たな生活スタイルが定着しつつある。昨年コロナの影響で延期もしくは中止になった各種試験は、ネット試験なども活用しながら、戻ってくることが考えられるため、今後の動向に注目したい。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

監査等委員でない取締役

12名、うち社外2名

監査等委員である取締役

3名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2021年12月24日
<基本的な考え方>
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、迅速な意思決定の重視という点にあり、当社の社内取締役は、現在10名となっております。一方で、社外取締役を5名配置し、パブリック・カンパニーとして求められる企業統治ないし法令遵守体制について適切に整備するとともに有効に機能するように運用しております。

 

わが国は、成熟した工業社会から急速に知識社会へシフトしつつあります。知識社会ではさまざまな分野ごとに知識専門家(プロフェッション)が要求され、活躍の場を広げています。プロフェッション(profession)とは英語のprofess=「神の前で宣言する」を語源とし、中世ヨーロッパ社会では神に誓いを立てて従事する職業として、神父・医師・会計士・教師等の知識専門家を指していました。当社は公認会計士を養成するビジネスを始めて以来、大学に代わって、現代に求められる多くのプロフェッションの養成を担当してまいりました。

 

当社グループは、「社会が必要とするプロフェッションを養成する」及び「個人の成長に深く関わる」ことを経営理念として、拠点とメディアを通して顧客(大学生・社会人・法人企業)の幅広い支持を受け、教育サービスおよび人材育成・供給市場での一強となることを目指してまいります。ステークホルダーとしての顧客の支持基盤を有してこそ、「株主価値の増大」という株式会社に求められる最も基本的な命題も達せられると考えております。

 

当社グループのコーポレート・ガバナンスにはこうしたプロフェッションとしての自己規律が組織風土として働いており、当社の取締役自身も「経営のプロフェッション」たらんと律しております。取締役の任期は会社法上1年(監査等委員である取締役は2年)と定められており、毎期、株主総会において「経営のプロフェッション」であったかどうか株主によって判定されます。また、当社は機関設計として監査等委員会設置会社を採用し、企業経営に関する監督及び監査機能・内部統制の充実、コンプライアンスの徹底を図り、透明性の高い企業経営を目指しております。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>
当社は、コーポレートガバナンス・コードの以下の原則について実施しておりませんが、その理由は以下の通りです。
 なお、以下の内容は2021年6月の改訂後のコーポレートガバナンス・コードに基づいて記載しております。

 

原則

実施しない理由

補充原則1-2(4)

当社の株主構成はその大半が国内の個人株主であり、機関投資家や海外の投資家の割合は限定的なものとなっております。そのため、現時点では議決権電子行使プラットフォームの利用等や招集通知の英訳は実施しておりません。しかしながら、今後、機関投資家や海外の投資家の割合が高まってきた際には、それらを進めていくことを検討してまいります。

補充原則2-4(1)

 

当社は中核人材の登用に関して、その属性にこだわらず、個人の能力に基づく評価・登用を基本としております。 それゆえ、属性ごとの数値目標は定めておりません。

また当社は、日本国内での事業活動がそのほとんどを占めることもあり、外国人管理職の登用実績はありません。しかし当社は中核人材の登用に関して、その属性にこだわらず、個人の能力に基づく評価・登用を基本としているため、今後の事業展開により適任者がいれば、登用を検討してまいります。

当社は新卒採用に加え、中途採用等も積極的に行っており、多様性のある人材育成と活気のある組織作りに取り組んでおります。

補充原則4-11(1)

 

当社は、当社グループの経営を効果的かつ効率的に行い、会社の持続的な成長と企業価値の最大化を図るため、取締役会は能力や知識・経験等のバックグラウンドが異なる多様なメンバーで構成することとしております。また取締役の人数の上限については、迅速な意思決定が行えるように定款で15名以内、うち監査等委員である取締役が4名以内と定めております。

なお、スキル・マトリックスの開示に関しましては今後の課題として検討してまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>
コーポレートガバナンス・コードで開示が求められる各原則に関する当社の方針は以下の通りです(「コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由」に記載された原則を除く)。
 なお、以下の内容は2021年6月の改訂後のコーポレートガバナンス・コードに基づいて記載しております。

原則

開示内容

補充原則3-1(3)

 

当社はサステナビリティに関する取り組みとして、環境面においては社内の業務におけるペーパーレスの推進、クールビズやウォームビズの実施及びそれに伴う空調エネルギーの省力化によるCO2排出の削減などに取り組んでおります。また、社会的な面においては、ビジネスパーソンに必須の会計知識の習得を推進し、企業並びに日本経済全体の発展に寄与することを目的とした「簿記チャンピオン大会」等を実施しております。

当社の経営理念は「プロフェッションの養成を通して社会に貢献」することです。

当社は学生や社会人の国家資格等の資格取得支援という教育サービス業を行っており、そのための教材・カリキュラム開発等、教育コンテンツの開発は、知的財産への投資にほかなりません。またその教育コンテンツ開発のためにプロフェッションの養成が不可欠であることから、従業員に対して日商簿記3級の取得を義務付けているほか、各種資格の取得を推奨し、そのための講座受講料等のサポートを積極的に行っております。

原則5-1

株主を含む投資家の方々からの問い合わせ等に対応するため、専門の部署(IR室)を設置しております。問い合わせ事項に関しては、インサイダーに抵触する恐れが高いと判断される情報を除き、適切に対応することとしております。

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