(7840)フランスベッドホールディングス株式会社 増収増益 需要拡大に期待

2022/01/13

 

 

 

池田 茂 会長兼社長

フランスベッドホールディングス株式会社(7840)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

その他製品(製造業)

代表取締役会長兼社長

池田 茂

所在地

東京都新宿区西新宿6-22-1 新宿スクエアタワー6F

決算月

3月

HP

https://francebed-hd.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

914円

41,397,500株

37,837百万円

6.1%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

30.00円

3.3%

62.70円

14.6倍

1,011.22円

0.9倍

*株価は12/20終値。発行済株式数、DPS、EPS、BPSは22年3月期第2四半期決算短信より。ROEは前期実績。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2018年3月(実)

52,410

2,606

2,606

1,806

44.88

25.00

2019年3月(実)

51,764

2,363

2,361

2,599

66.02

28.00

2020年3月(実)

52,430

2,492

2,436

1,520

39.07

28.00

2021年3月(実)

52,430

3,246

3,451

2,295

59.87

30.00

2022年3月(予)

54,000

3,700

3,650

2,350

62.70

30.00

*単位:百万円、円。予想は会社側予想。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下、同様。

 

フランスベッドホールディングス株式会社の2022年3月期第2四半期決算概要などをお伝えします。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2022年3月期第2四半期決算概要
3.2022年3月期業績予想
4.今後の取り組み
5.今後の注目点
<参考1:中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)>
<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 福祉用具貸与事業のパイオニアとして、医療・介護用ベッド、福祉用具の製造、仕入、レンタル、小売及び卸売等の「メディカルサービス事業」や、家庭用ベッド、家具類、寝装品等の製造、仕入及び卸売等の「インテリア健康事業」などを展開。

     

  • 22年3月期第2四半期の売上高は前年同期比6.4%増の259億78百万円。両セグメントとも増収。主力の福祉用具貸与事業が堅調に推移し、インテリア健康事業においても、前年コロナ禍で大きく減収となった家庭用ベッド等の販売が回復した。営業利益は同46.6%増の18億65百万円。メディカルサービス事業で売上原価率が低い介護関連レンタルの売上構成比が上昇したほか、インテリア健康事業では粗利率が高い高単価・高付加価値マットレスの販売が好調だったことなどから粗利率は1.8ポイント改善し、売上総利益は同10.1%増加。人件費などの販管費増を吸収し、大幅な増益となった。四半期純利益は同53.4%増の13億5百万円。前年同期に特別損失に計上していた臨時休業等による損失がなくなり、特別利益に固定資産売却益を計上した。

     

  • 業績予想に変更は無い。売上高は前期比2.9%増の540億円、営業利益は同13.9%増の37億円の予想。両事業とも増収増益を見込む。配当は前期と同じく30.00円/株の予定。予想配当性向は47.8%。

     

  • 今期を初年度とする中期経営計画(22/3期~24/3期)では、少子高齢化の進行で医療・介護の担い手不足が更に深刻化することが予想される中、介護分野の課題解決に向けてグループで保有する経営資源をシルバービジネスに集中し、新しい商品やサービスを通じて課題解決を図る考えだ。目指す姿は「社会に役立つ企業、社会に貢献する企業」。暮らしに役立つ製品・サービスを提供することで、収益を獲得し、適正な利益を計上するのと同時に、経済価値を一辺倒に追及するのではなく、ESGを重視した経営に努め、社会的な価値もあわせて創造する。また、社会環境の変化に合わせ新たな価値の創造にチャレンジし続けることで、社会から100年を超えて存続を期待される企業であり続けたいと考えている。24/3期 売上高590億円、経常利益48億円、ROE8%以上を目指している。

     

  • 上期進捗率は売上高48.1%、経常利益52.0%。売上高はほぼ例年同水準だが、経常利益は高水準にある。コロナ禍の影響から脱しつつあるインテリア健康事業の回復を中心に、第3四半期以降、売上・利益をどれだけ積上げて行くか注目したい。

     

  • 環境対応製品は、同社に限らず、付加価値が高い点はもちろんだが、環境に対する意識が個人・法人双方で高まる中、需要も確実に拡大していくことが期待される。中期経営計画で経常利益の高成長を計画しているインテリア健康事業のドライバーとなる同製品の具体的な売上の推移も今後の開示を期待したい。

     

1.会社概要

『創造と革新により、「豊かさとやさしさ」のある暮らしの実現に貢献するヒューマンカンパニーを目指します。』を経営理念に掲げ、医療・介護用ベッド、福祉用具の製造、仕入、レンタル、小売及び卸売等の「メディカルサービス事業」や、家庭用ベッド、家具類、寝装品等の製造、仕入及び卸売等の「インテリア健康事業」などを展開している。福祉用具貸与事業のパイオニア。「人にやさしいモノづくり」や「幅広く迅速なサービス提供体制」などが特長・強み。

 

【1-1 沿革】

池田茂氏(現 フランスベッドホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長)の父、池田実氏が1949年、フランスベッド株式会社の前身となる双葉製作所を設立。自動車製品のシート製造を手掛けていたが、1956年に日本初となる分割式ベッド「フランスベッド」の製造を開始したところ、大ヒット。1961年、商号をフランスベッド株式会社に変更。1963年、東京証券取引所2部に上場、1966年、東京証券取引所1部に指定替。

 

1958年に主に「フランスベッド」を販売することを目的に設立された「フランスベッド販売」において、1983年、池田茂氏が新規事業として開始した在宅介護用の療養ベッドの販売を行っていた際、販売後日を置かず利用者が亡くなられたケースで、下取りの要請があったのを機に、レンタルサービスを開始。顧客満足度が極めて高いことからレンタル事業を本格的に展開していくために、1987年、グループ会社の日本衛生寝具株式会社がフランスベッド販売株式会社を吸収合併し、社名を「フランスベッドメディカルサービス株式会社」に変更。福祉用具貸与事業のパイオニアとなる。

 

当初はレンタルサービス自体の認知が低く苦戦したが、福祉用具の無償提供をレンタルに切り替えることでコスト削減を進めたい地方自治体のニーズを取り込み、業容は着実に拡大。
2000年の介護保険制度スタートに際しては、池田会長兼社長の厚生労働省への働きかけもあり、福祉用具レンタルが介護保険制度にも組み込まれ、業績は急速に拡大していく。
2004年3月、フランスベッド株式会社及びフランスベッドメディカルサービス株式会社の株式移転により、フランスベッドホールディングス株式会社を設立。同月、東京証券取引所市場第1部及び大阪証券取引所市場第1部に株式を上場。
2009年4月、フランスベッドメディカルサービス株式会社をフランスベッド株式会社に吸収合併した。

 

【1-2 経営理念】

以下の経営理念を掲げている。
社長インタビューにあるように、製品利用者の困りごとを解決することを活動の指針としている。

創造と革新により、「豊かさとやさしさ」のある暮らしの実現に貢献するヒューマンカンパニーを目指します。

株主価値最大化の追求。付加価値の高い新商品・新サービスを創造します。

経営資源の有効活用を図り、グループの総合力を強化します。

 

【1-3 同社を取り巻く環境】

(1)少子高齢化の進行 ~介護の担い手不足と在宅での老老介護の増加~
少子高齢化の進行下、要介護認定者数が増加する一方で、15~64歳の生産年齢人口の減少により、介護施設における介護人材の不足、在宅での老老介護の増加が更に進むことは確実で、超高齢化社会への対応が日本社会の大きな課題である。

 

 

 

(同社資料より)

 

 

(2)堅調な福祉用具貸与市場
こうした高齢化の進行、要介護認定者数の増加に伴い、介護ベッドを中心とした福祉用具貸与費用額は今後も堅調に拡大することが見込まれ、同社では2020年度以降も年率6%で増加すると予測している。

 

(同社資料より)

 

(3)住宅着工戸数は減少も、リフォーム市場は堅調に推移
新築住宅着工件数は減少が予測されるが、リフォーム市場は緩やかながらも拡大が見込まれ、それに伴い耐久消費財の買い替え需要も同様に堅調な推移が見込まれる。

 

(同社資料より)

 

 

 

 

【1-4 事業内容】

報告セグメントは「メディカルサービス」「インテリア健康」の2つ。「その他」は不動産賃貸等。

 

 

(1)メディカルサービス事業
医療・介護用ベッドや福祉用具の開発・製造・仕入・レンタル・小売及び卸売のほか、展開地域は限定的だが、医療・福祉施設・ホテル等のリネンサプライを提供している。また、医療・福祉施設のトータルプロデュースも手掛けている。

 

在宅、施設向けのベッドや家具、介護用品等を手がける生産・開発部門と、全国の自社店舗および提携代理店の販売網を持つ営業・販売部門とが一体となり、独創的な商品・サービスを提案している。
1983年に日本で初めて療養ベッドのレンタルサービスをスタートさせて以来、サービスや製品を通じて、環境に配慮し、やさしさのある暮らしの実現を追求している。

 

(主要子会社・関連会社)
フランスベッド㈱、㈱ホームケアサービス山口、㈱翼、カシダス㈱、江蘇芙蘭舒床有限公司、フランスベッドメディカルサービス㈱、㈱ミストラルサービス

 

(事業内容)
①医療・介護用ベッドや福祉用具の製造・仕入・レンタル・小売及び卸売
介護用品・福祉用具から健康サポート商品、アクティブシニア向けブランド「Reha tech(リハテック)」 の商品などのレンタル及び販売を経験豊かな専門スタッフを介して店舗、インターネットなどで行っている。
店舗では介護相談やケアプランの作成など様々な相談を受けたり、健康に関する多彩なセミナー・イベントを開催したりしている。

 

②医療・福祉施設・ホテル等のリネンサプライ
医療・福祉施設やホテル等に清潔で安全なリネンを提供している。医療・福祉施設向けのリネン類は、消毒施設を完備したクリーニング工場で迅速・丁寧に仕上げている。工場は厳しい衛生基準を満たし、「医療関連サービスマーク認定工場」に指定されている。

 

③医療・福祉施設のトータルプロデュース
顧客である医療・福祉施設からの安全に対する要望を踏まえ、製品のさらなる安全性の向上を図る設計・開発に全力をあげている。また、いち早く医療・介護ベッドに家庭的なデザインや素材を取り入れ、従来、無機質だった医療・福祉施設の空間に温かみを添えてきた。療養生活においてインテリアが与える心理的な効果にも配慮し、より質の高い医療・福祉環境の実現を支援している。

 

(商流)
主に直レンタルとレンタル卸・卸販売の2つの商流がある。

 

*直レンタル
福祉用具・介護用品メーカーであり、福祉用具貸与事業者でもある同社が、自社で保有するレンタル資産をメンテナンスしながら、ケアマネージャーを介して介護保険利用者に貸与する。

 

*レンタル卸・卸販売
福祉用具・介護用品メーカーである同社が、福祉用具貸与事業者にレンタル卸や卸販売を行うとともに、福祉用具貸与事業者に商品をレンタル、または販売を行うレンタル卸業者に商品を卸販売する。

 

(同社資料より)

 

(2)インテリア健康事業
ベッド・家具類・寝装品・健康機器等の開発・製造・仕入及び販売。

 

生産・開発部門では、創業以来、追求してきた快適な睡眠のための研究を活かしたベッド・寝装品の開発にはじまり、家具・インテリアから健康機器まで多彩で価値ある商品づくりに取り組んでいる。
また、営業部門では全国の家具店、百貨店、インテリア専門店、宿泊施設など、幅広い販路を確立している。
両部門が構築してきた独自のノウハウを活かし、今までにない商品・サービスによって、より豊かな新しい生活文化の創造に寄与している。

 

(主要子会社・関連会社)
フランスベッド㈱、フランスベッド販売㈱、㈱エフビー友の会、東京ベッド㈱、フランスベッドファニチャー㈱、
江蘇芙蘭舒床有限公司

 

(事業内容)
①家具インテリア業界のトップメーカーとして暮らしをサポート
家具インテリア業界のトップメーカーとして、国内のみならず海外市場も視野に入れ、健康や睡眠、ライフスタイル、環境への配慮など様々な視点から高付加価値製品を消費者市場に提案し、豊かさを実感できる暮らしの実現をサポートしている。

 

②付加価値の高い製品を開発
創業以来追求してきた快適な眠りを提供するベッドに加え、リビングソファ、ダイニングセットなどインテリア家具全般からマッサージ機などの健康機器まで、豊かで健康的な生活を演出する付加価値の高い多彩な製品を開発している。

 

③快適で上質なホテルのインテリアを、企画からトータルにプロデュース
長年培った快適な空間づくりのノウハウを活かし、ホテルのトータルプロデュースを行っている。ベッドやインテリアの納入を始め、客室やロビーのデザイン・設計・施工、インテリアのコーディネートまで、効果的な空間演出をホテルのコンセプトに合わせてプロデュースしている。

【1-5 特徴と強み】

(1)商品開発力:人にやさしいモノづくりを追求
『「創造と革新により、「豊かさとやさしさ」のある暮らしの実現に貢献するヒューマンカンパニーを目指します』を経営理念に掲げる同社は、「お客様の困りごとを解決すること」を行動の指針としている。
この指針を基に、「自動寝返り支援ベッド」「離床支援マルチポジションベッド」といった、日常活動(ADL:Activities of Daily Living)の向上を図る上で役立ち、家庭や社会復帰に向けて取り組みやすい、「人にやさしいモノづくり」を追求している。
また、環境対応商品の開発にも注力している。

 

(同社資料より)

 

(2)幅広く迅速なサービス提供体制
業界のリーディングカンパニーとして、福祉用具販売・レンタル、病院・福祉施設のトータルプロデュース、医療機器の販売・レンタルなど、安心して暮らせる独自の「やさしいサービス」を在宅から病院・施設まで幅広く提供している。
また、介護用ベッドを始めとした福祉用具は、例えば利用者が病院から退院し自宅に戻る前には必ず自宅に設置しておく必要がある。そのため、迅速に手配することができるか否かが重要なポイントとなる。
同社は、基幹メンテナンスセンターの新築・増強に加え、メンテナンス機能を持たない物流拠点である「小型サービスデポ」を都市部に増設し、サービス提供体制の更なる強化に取り組んでいる。

 

(3)豊かさとやさしさのある暮らしを提供
家具インテリア業界のトップメーカーとして、70年に亘り「豊かさとやさしさのある暮らしの実現」を追求し、豊かな生活文化を創造している。

 

【1-6 ROE分析】

 

17/3期

18/3期

19/3期

20/3期

21/3期

ROE(%)

5.1

4.5

6.5

4.0

6.1

 売上高当期純利益率(%)

3.70

3.45

5.02

2.90

4.38

 総資産回転率(回)

0.85

0.82

0.81

0.85

0.86

 レバレッジ(倍)

1.64

1.62

1.62

1.63

1.63

 

中期経営計画(22/3期~24/3期)では、24/3期8%以上を目標としている。
24/3期の売上高当期純利益率は5.4%の計画なので、ROE8%を達成するには、総資産回転率およびレバレッジの上昇が必要となる。

2.2022年3月期第2四半期決算概要

【2-1業績概要】

 

21/3期2Q

構成比

22/3期2Q

構成比

前年同期比

売上高

24,398

100.0%

25,978

100.0%

+6.4%

売上総利益

12,825

52.6%

14,126

54.4%

+10.1%

販管費

11,553

47.4%

12,260

47.2%

+6.1%

営業利益

1,272

5.2%

1,865

7.1%

+46.6%

経常利益

1,480

6.0%

1,901

7.3%

+28.4%

四半期純利益

851

3.5%

1,305

5.0%

+53.4%

*単位:百万円。

 

増収、大幅増益
売上高は前年同期比6.4%増の259億78百万円。両セグメントとも増収。主力の福祉用具貸与事業が堅調に推移し、インテリア健康事業においても、前年コロナ禍で大きく減収となった家庭用ベッド等の販売が回復した。
営業利益は同46.6%増の18億65百万円。メディカルサービス事業で売上原価率が低い介護関連レンタルの売上構成比が上昇したほか、インテリア健康事業では粗利率が高い高単価・高付加価値マットレスの販売が好調だったことなどから粗利率は1.8ポイント改善し、売上総利益は同10.1%増加。人件費などの販管費増を吸収し、大幅な増益となった。
四半期純利益は同53.4%増の13億5百万円。前年同期に特別損失に計上していた臨時休業等による損失がなくなり、特別利益に固定資産売却益を計上した。

 

なお、収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)を22年3月期第1四半期から適用している。適用無い場合の売上高は258億55百万円(前年同期比6.0%増)、営業利益18億4百万円(同41.8%増)。

 

四半期ベースでは21年3月期第1四半期をボトムに回復傾向にあるが、22年3月期第2四半期は売上・利益ともほぼ前年同期並み。

 

【2-2 セグメント別動向】

 

21/3期2Q

構成比

22/3期2Q

構成比

前年同期比

メディカルサービス

15,015

61.5%

16,446

63.3%

+9.5%

インテリア健康

9,185

37.6%

9,290

35.7%

+1.1%

その他

198

0.8%

242

0.9%

+22.2%

セグメント売上高合計

24,398

100.0%

25,978

100.0%

+6.4%

メディカルサービス

1,361

9.0%

1,567

9.5%

+15.1%

インテリア健康

140

1.5%

373

4.0%

+165.3%

その他

2

1.0%

1

0.8%

-7.0%

調整額

-24

-42

セグメント利益合計

1,480

6.0%

1,901

7.3%

+28.4%

*単位:百万円。セグメント利益(経常利益)の構成比はセグメント利益率。22年3月期から事業ポートフォリオマネジメント強化を目的として、セグメント別目標を営業利益から経常利益に変更。

 

(1)メディカルサービス事業
増収増益
売上高は前年同期比9.5%増の164億46百万円。
介護関連レンタル売上は、需要が全国平均を上回って堅調に推移。20年10月に取得したカシダス株式会社も寄与。
セグメント利益は同15.1%増の15億67百万円。
増収に加え、自社製造介護ベッドレンタルが堅調に推移し原価率が低減し、福祉用具貸与事業のインフラ拡充や人件費増など販管費増を吸収した。
病院施設向け取引も、コロナ禍で非接触や業務省力化に寄与するベッドの販売等により売上高は横ばいながら利益を確保した。

 

 

(2)インテリア健康事業
増収増益
売上高は前年同期比1.1%増の92億90百万円。
第1回目の緊急事態宣言の発出による外出自粛などにより家具販売店向け売上が大きく落ち込んだ前年同期に比べ、マットレス、羽毛、健康機等を中心に回復した。
セグメント利益は同165.3%増の3億73百万円。
除菌機能を標準搭載した高単価マットレスが、長引くコロナ禍による衛生意識の高まりを捉え好調に推移し、粗利率改善に貢献した。催事費や運賃も減少した。

 

 

【2-3 財務状態とキャッシュ・フロー】

◎主要BS

 

21年3月末

21年9月末

増減

 

21年3月末

21年9月末

増減

流動資産

32,055

29,838

-2,216

流動負債

17,698

17,838

+139

現預金

9,702

8,033

-1,668

仕入債務

5,332

4,373

-958

売上債権

10,039

8,809

-1,229

短期有利子負債

6,876

8,980

+2,104

たな卸資産

7,787

8,361

+574

固定負債

7,106

5,501

-1,604

固定資産

30,135

30,891

+756

長期有利子負債

5,592

4,015

-1,577

有形固定資産

19,633

20,548

+915

負債合計

24,804

23,339

-1,464

無形固定資産

1,826

1,760

-66

純資産

37,412

37,408

-4

投資その他の資産

8,674

8,582

-92

利益剰余金

35,881

36,540

+659

資産合計

62,217

60,747

-1,469

負債純資産合計

62,217

60,747

-1,469

*単位:百万円。売上債権は電子記録的債権を、仕入債務は電子記録的債務をそれぞれ含む。有利子負債はリース債務を含む。

 

現預金、売上債権の減少等で資産合計は前期末比14億円減少し607億円。
長期有利子負債の減少などで負債は同14億円減少し233億円。純資産はほぼ変わらず374億円。
自己資本比率は前期末より1.4ポイント上昇し61.5%となった。

 

◎キャッシュ・フロー

 

21/3期2Q

22/3期2Q

増減

営業CF

5,878

2,675

-3,202

投資CF

-2,676

-3,284

-607

フリーCF

3,202

-609

-3,811

財務CF

-557

-624

-66

現金同等物残高

13,353

11,033

-2,320

*単位:百万円。

 

たな卸資産の増加などで営業CFのプラス幅は縮小し、フリーCFはマイナスに転じた。
キャッシュポジションは低下した。

 

【2-4 トピックス】

①新市場区分「プライム市場」を選択
21年7月に株式会社東京証券取引所より、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果を受領し、新市場区分において「プライム市場」の上場維持基準に適合していることを確認した。
これを受け、新市場区分として「プライム市場」を選択することとした。
今後は、東証の定めるスケジュールに基づき、新市場区分の選択申請に係る所定の手続きを進めていく。

 

②メディカルサービス事業の事業基盤強化に向けたM&Aを実施
21年11月、子会社であるフランスベッド株式会社の株式会社ホームケアサービス山口の完全子会社化を発表した。
株式譲渡実行日は21年12月20日。

 

(株式会社ホームケアサービス山口概要)
1986年設立。山口県を中心に、福祉用具の販売やレンタル、特定施設入居者生活介護事業などの福祉サ-ビスの提供を行っている。2020年10月期の売上高は20億28百万円、営業利益2億52百万円。総資産14億54百万円、純資産7億28百万円。

 

(完全子会社化の背景)
主力事業のメディカルサービス事業においては、その中心事業である福祉用具貸与事業のシェア拡大などを目的として、営業拠点の拡充やM&Aの活用などにより、事業基盤と事業規模の拡大に取り組んでいる。
今回のM&Aにより、株式会社ホームケアサービス山口が保有する顧客基盤が加わることで、フランスベッドホールディングスグループのメディカルサービス事業の事業基盤がさらに強固なものとなり、事業規模の拡大につなげることが可能と考えている。

 

③自己株式の取得を発表
21年11月、自己株式の取得を発表した。
取得する株式総数(上限)は55万株で、自己株式を除く発行済株式数に対する割合は1.49%。
取得価額総額(上限)は、5億円。
期間は21年12月1日から22年2月28日まで。

 

 

3.2022年3月期業績予想

【3-1 業績予想】

 

21/3期

構成比

22/3期(予)

構成比

前期比

進捗率

売上高

52,430

100.0%

54,000

100.0%

+2.9%

48.1%

営業利益

3,246

6.1%

3,700

6.8%

+13.9%

50.4%

経常利益

3,451

6.5%

3,650

6.7%

+5.7%

52.0%

当期純利益

2,295

4.3%

2,350

4.3%

+2.3%

55.5%

*単位:百万円。予想は会社側予想。

 

業績予想に変更無し、増収増益
業績予想に変更は無い。売上高は前期比2.9%増の540億円、営業利益は同13.9%増の37億円の予想。
両事業とも増収増益を見込む。
配当は前期と同じく30.00円/株の予定。予想配当性向は47.8%。

 

◎設備投資の計画

 

20/3期

21/3期

22/3期上期

22/3期

(期初計画)

22/3期

(修正計画)

レンタル資産

4,172

4,288

2,432

5,094

4,869

工場生産・物流設備

275

343

240

488

457

サービスセンター

76

1,611

527

1,371

1,430

ソフトウェアの取得

314

161

125

195

156

その他

544

365

74

95

86

合計

5,383

6,770

3,399

7,244

6,999

減価償却費

4,518

4,931

2,619

5,371

5,365

 

【3-2 セグメント別動向】

 

21/3期

構成比

22/3期(予)

構成比

前期比

進捗率

メディカルサービス

32,839

62.6%

34,200

63.3%

+4.1%

48.0%

インテリア健康

19,186

36.6%

19,800

36.7%

+3.2%

46.9%

セグメント売上高合計

52,430

100.0%

54,000

100.0%

+2.9%

48.1%

メディカルサービス

2,954

8.9%

3,000

8.7%

+1.5%

52.2%

インテリア健康

522

2.7%

650

3.2%

+24.5%

57.3%

セグメント利益合計

3,451

6.5%

3,650

6.7%

+5.7%

52.0%

*単位:百万円。22年3月期から事業ポートフォリオマネジメント強化を目的として、セグメント別目標を営業利益から経常利益に変更。

 

 

(1)メディカルサービス事業
増収増益。
福祉用具貸与事業へ経営資源を集中する。
レンタル売上については、営業所を上期3ヵ所新設した。下期は2ヵ所の計画。21年4月に新卒30名を採用し、営業員を増強したほか、小型サービスデポを上期に1か所増設した。
前述のように山口県を中心に、福祉用具の販売やレンタル、特定施設入居者生活介護事業などの福祉サ-ビスの提供を行っている株式会社ホームケアサービス山口を完全子会社化した。

 

レンタル重点商品であるマルチポジションベッドのレンタル強化や、新商品マルチフィット手すりへの切替を積極的に推進する。

 

メディカルDX推進室を新設した。

 

(2)インテリア健康事業
増収増益。
時代のニーズに合った商品展開により、利益率の上昇を図る。
利益率の向上にむけては、環境対応などの新たな付加価値を持つ商品の開発および販売を強化する。

 

自社製品をアピールする場を拡大するため、自社グループ展示場を上期に1か所新設した。
EC事業の強化に向け、EC事業者向け商品の開発やインターネット販売の強化に取り組んでいる。

 

4.今後の取り組み

4-1 ESG経営の推進

特に「環境」への取り組みを強化する。
(1)インテリア健康事業
基幹マットレスの全ラインナップに「エコマーク認定」を取得した。除菌機能を持ったマットレスのエコマーク取得は業界初である。
また、マットレスには、資源となるスプリング(鉄)が多く使われているため、再利用のために他の素材と分ける必要がある。ただ、一般的なマットレスのスプリング部分は、一つずつ不織布の袋に包まれていたり、しっかりと留めてあったりするために、分解するには非常に手間がかかる。
また、マットレスの処分方法は自治体によってさまざまで、収集・処理(分解)をする自治体がある一方、分解したマットレスのみを受け付ける自治体や、収集・処理を実施していない自治体は全体の約18%にのぼる。

 

こうした状況に対し、同社では環境配慮型マットレス解体システム「MORELIY(モアリー)」を開発した。
フランスベッド独自の連続スプリング構造で、簡単にスプリングとその他の素材に解体することができ、廃棄時の負担を軽減する。2021年度のグッドデザイン賞を受賞した。

 

こうした環境に配慮した製品を環境問題へ意識の高い消費者へ訴求等するため、自社グループ展示場を21年3月末の31拠点から、21年11月末には33拠点に増設した。

 

(2)メディカルサービス事業
福祉用具貸与事業は、堅調に業績が伸長している一方で、毎年10万点超のレンタル品を廃却しており、簿価が残存している分だけでも年間2.5億円分を廃却している。
そこで、環境負荷軽減と利益の拡大を図るため、廃却総数の削減とレンタルに適した商品開発に取り組んでいく。

 

4-2 メディカルサービス事業における積極的な投資の拡大

メディカルサービス事業での設備投資額は年々拡大しており、事業拡大を支えるインフラへの積極的な投資を行っている。
2022年5月に投資額30億円で東京サービスセンターを移転新築するほか、23年4月稼働開始予定で大阪サービスセンター(仮称)を新設する計画。投資額は現在積算中である。
この他、名古屋サービスセンター(仮称)の候補地を選定中で、大都市圏での基幹メンテナンスセンターの新築・移転を行っていく。

 

また、前述のように、株式会社ホームケアサービス山口を子会社化したように、後継者問題等を抱える福祉用具貸与事業者や事業譲渡を希望する企業などを主なターゲットとして、市場シェアの獲得スピードアップのためM&Aも積極的に推進する。

 

 

5.今後の注目点

上期進捗率は売上高48.1%、経常利益52.0%。売上高はほぼ例年同水準だが、経常利益は高水準にある。コロナ禍の影響から脱しつつあるインテリア健康事業の回復により、第3四半期以降、売上・利益をどれだけ積上げて行くか注目したい。
環境対応製品は、同社に限らず、付加価値が高い点はもちろんだが、環境に対する意識が個人・法人双方で高まる中、需要も確実に拡大していくことが期待される。
中期経営計画で経常利益の高成長を計画しているインテリア健康事業のドライバーとなる同製品の具体的な売上の推移も今後の開示を期待したい。

 

 

 

<参考1:中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)>

同社では、今期(22年3月期)を初年度とする3か年の中期経営計画を発表した。

 

【1 前中計の振り返り】

(1)全社
コロナ禍の影響もあり、売上・利益ともに計画未達となった。
ROEに関しては、6.0%の計画を0.1ポイント上回り、21年3月期6.1%だった。

(2)セグメント別
①メディカルサービス事業
福祉用具部門は堅調に推移し売上・利益とも計画を上回ったが、病院施設向け販売やリネンサプライ事業の施設部門が計画未達となり、メディカルサービス事業全体でも未達。

 

 

②インテリア健康事業
家庭向けベッドが中心のインテリア部門は計画未達となったが、量から質への転換を推し進めた結果、収益性は改善した。

 

【2 新中計概要】

(1)外部環境
【1-3 同社を取り巻く環境】で触れたように、少子高齢化の進行で医療・介護の担い手不足が更に深刻化することが予想される。

 

(2)目指す姿
そうした外部環境、日本の課題を解決するために、同社は、介護分野の課題解決に向けてグループで保有する経営資源をシルバービジネスに集中し、新しい商品やサービスを通じて課題解決を図る考えだ。
目指す姿は「社会に役立つ企業、社会に貢献する企業」。

 

暮らしに役立つ製品・サービスを提供することで、収益を獲得し、適正な利益を計上するのと同時に、経済価値を一辺倒に追及するのではなく、ESGを重視した経営に努め、社会的な価値もあわせて創造する。
また、社会環境の変化に合わせ新たな価値の創造にチャレンジし続けることで、社会から100年を超えて存続を期待される企業であり続けたいと考えている。

 

(3)グループ戦略
事業ポートフォリオにおける各分野において以下のような戦略を掲げている。

分野

21年3月期

売上高

戦略

福祉用具

252億円

市場成長率・利益率とも高い中核事業。積極投資による規模拡大シェア拡大を図る。

インテリア

190億円

市場成長率は低いが、量から質への転換を進め、事業の効率性を高めることで利益率を向上させる。

施設

78億円

事業構造見直しにより利益率を向上させる。

ホテル

17億円

事業構造見直しにより利益率を向上させる。

海外

1億円

将来の成長ドライバーとして育成に再チャレンジする。

新規事業

将来的に収益の柱となる新規事業を育成する。

 

(4)継続的な企業成長を支える経営基盤の強化
以下5つのテーマをESG視点に立った「マテリアリティ」に特定した。

 

より安心で安全な高付加価値製品の提供

資源のリユース・リサイクルの追求

CO2排出削減とエネルギー転換

人材の育成

ダイバーシティおよびワークライフバランスの推進

 

コンプライアンス・ガバナンス・健全な財務内容という強固な事業基盤の上で、豊かさとやさしさのある暮らしの実現に貢献するため、高付加価値な製品・サービスを提供し続けるほか、資源を効率的に利用するために、レンタルサービスの推進や環境対応商品等の開発、資源のリユース・リサイクルを追求する。

 

今期中には5つの重要テーマに沿った中期目標と、KPIの設定を行ない、内外に公表し、取り組みを開始する予定。

 

(5)事業ごとの重点施策
①メディカルサービス事業
重点施策は「福祉用具貸与事業への経営資源集中による事業拡大」。

 

前述のように、福祉用具貸与市場は、2020年度以降も前年比6%増で伸長すると予測している。
また、2022年より団塊の世代の後期高齢者への移行が始まり、特に大都市部における後期高齢者の増加率が顕著となるのを受け、以下のような具体的な施策を展開する。

 

 

◎拡大戦略
保有する経営資源をメディカルサービス事業に集中させ、後期高齢者の増加率が顕著な都市部は直取引を拡大。地方は卸取引のレンタルを伸ばす。
そのため、東名阪を中心に営業拠点を、21年3月末の92営業所から24年3月末までに103営業所へ11カ所増設する。
営業員も、同じく東名阪を中心に80名増員する。

 

また、後継者問題等を抱える福祉用具貸与事業者や事業譲渡を希望する企業を主なターゲットとしたM&Aを推進するほか、受注獲得に伴う業務のDX化を進めることで、営業活動の生産性最大化を図る。

 

◎事業拡大を支えるインフラの整備
レンタル用具の補修・修理を行う基幹メンテナンスセンターについて、東京サービスセンターを2022年5月に新築、移転する。延床面積を1.4倍に拡張し、太陽光発電を導入する予定だ。
大阪、名古屋での整備も計画中である。

 

また、福祉用具貸与事業においては、物流配送網の拡充が競争優位の条件の1つとなるため、メンテナンス機能を持たない物流拠点である小型サービスデポの増設も進める。
都市部を中心に4ヵ所(東京都八王子市、東京都大田区、東京都練馬区、神奈川県川崎市)増設し、2024年3月末には16拠点とする計画だ。

 

◎省力化・労力軽減に資する商品開発
「介護人材の不足」や「老老介護の増加」など介護業界の課題に対応し、省力化や労力軽減につながる福祉用具を開発する。

 

現在注力中の商品が「離床支援マルチポジションベッド」。
寝姿勢から立ち上がり姿勢まで4つのポジションに変形することで、利用者の自立を支援するとともに、介護者の負担を軽減する。
2020年から在宅モデルを投入してきた。2021年11月に病院・福祉施設モデルを発売し、1-2年後には海外向けモデルを開発する。

 

(同社資料より)

 

②インテリア健康事業
重点施策は「時代のニーズに合った商品展開による利益率の向上」。

 

新築住宅着工件数は減少が予測されるが、リフォーム市場は緩やかながらも拡大が見込まれ、それに伴い耐久消費財の買い替え需要も同様に堅調な推移が見込まれる。
具体的な施策は以下の通り。
◎時代のニーズにあった商品の開発
コロナ禍の健康・衛生意識向上や環境問題に対応し、新たな付加価値を持つ機能商品の開発・拡販を進める。

 

*新「ライフトリートメントマットレス」
衛生に特化した寝具ブランド「キュリエスAG」のマットレスが高い支持を得ているため、マットレスの生地に除菌機能を標準装備した。「除菌・通気性:きれいが続くマットレス」「抗菌:きれいが続くベッドフレーム」「除菌:きれいが続く寝具」という、3つのきれいで髙衛生な眠りを実現する。
全ラインナップでエコマークを取得しており、環境面でもアピールする。

 

*環境対応マットレス「リコ・プラス」
マットレスには、資源となるスプリング(鉄)が多く使われているため、再利用のために他の素材と分ける必要がある。ただ、一般的なマットレスのスプリング部分は、一つずつ不織布の袋に包まれていたり、しっかりと留めてあったりするために、分解するには非常に手間がかかる。また、マットレスの処分方法は自治体によってさまざまで、収集・処理(分解)をする自治体がある一方、分解したマットレスのみを受け付ける自治体や、収集・処理を実施していない自治体も数多く存在する。

 

これに対し環境対応マットレス「リコ・プラス」のマットレスは、フランスベッド独自の連続スプリング構造で、簡単にスプリングとその他の素材に分けることができ、廃棄時の負担を軽減。詰め物・表生地等の再生材料比率を高め、リサイクル・リユースに対応したマットレスであり、「エコマーク」を取得し、グリーン購入法にも適合している。

 

*環境配慮型マットレス解体システム「MORELIY (モアリー)」
消費者が環境保全に関わる活動に参加しやすい仕組みを創出するため、 マットレスの解体を容易にする環境配慮型解体システムMORELIY (モアリー)」 を開発。
 「MORELIY」 を採用したマットレスは 、 クッション材、スプリング、生地 が分解 しやすく 、工具を必要とせず 約15分で解体ができる。
従来のマットレスは、解体すること自体ができなかったが、「MORELIY」によって素材の分別が可能になるため、廃材料の再利用(サーマルリサイクル、マテリアルリサイクル)の促進につながる。
 マットレスの解体・分別・リサイクルまでの流れを容易にすることで、消費者が環境保全に関わる活動に参加しやすい仕組みを作っていき 、今後10年間で5割のマットレスに「MORELIY」を導入していく。

 

◎ペット事業の拡大
ペット関連総市場は年率2%増程度で堅調に拡大している。
「フランスペット」というブランドを立ち上げており、長年各インテリア製造で培った技術を生かしてペット関連商品のアイテム拡充を進める。

 

◎独自機能を持った自社製品のアピールする場を拡大
自社グループ展示場を増設し、取引先と協業した第2の売り場として活用。独自機能を持った利益率の高い中高級品を拡販する。2024年3月末までに4カ所増設し、35拠点とする計画。

 

◎拡大するEC市場への対応
コロナ禍で消費者の通販・ECの利用は、一段と拡大し、今後もそのトレンドはますます強まることが予想される。
同社の通販・EC向け売上高もここ2期、2ケタの増収となっている。
配送がしやすくインターネット販売に適した商品ラインナップを拡充し、通販・EC需要を取り込んでいく。

 

(同社資料より)

 

◎インターネット取引増加に向けた施策
巣ごもり需要の拡大などにより、取扱量が急増しているため、中小のEC事業者が自前で行なってきた商品手配や商品管理、配送手配などが煩雑になっている。
こうした課題に対応して、EC事業者に代わり、同社が商品管理から物流手配までを担う協業体制を構築する。
EC事業者は受注関連業務に専念することができ、消費者ニーズに的確に対応することができる。

 

(同社資料より)

 

(6)株主還元
安定配当を基本方針とし、利益水準に関わらず半期15円(年30円)の配当を維持しながらも、安定的に利益を積み増すことで、連結配当性向50%程度を目安に、中長期の企業成長を図るために必要な投資額等を考慮し、総合的な判断により配当水準の向上を目指す。
継続的に自己株式取得を実施する予定である。

 

(7)数値目標
全社及び各セグメントの数値目標は以下の通り。
ROEは、現在の6%台から3年間で8%以上に向上させる。
*CAGRは21年3月期(実績)から24年3月期(計画)までの年平均成長率。(株)インベストメントブリッジが計算。

 

◎メディカルサービス事業

 

◎インテリア健康事業

 

 

 

<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役

9名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2021年12月3日

 

<基本的な考え方>
当社は、コーポレート・ガバナンスとは、株主、顧客、従業員、取引先、地域社会等さまざまな利害関係者との関係における企業経営の基本的枠組みのあり方であり、要素別には、「経営監督機能」「企業倫理の確立」「リスクマネジメント」「コンプライアンス」「アカウンタビリティー(説明責任の履行)」「経営効率の向上」から構成されるものと認識しております。この基本的枠組みを踏まえ、株主利益の増大に努めることが、当社の最大の責務であると考えております。
このような認識のもと、当社はコーポレート・ガバナンス体制の更なる充実を図るため、2016年6月に監査等委員会設置会社に移行いたしました。また、2019年6月25日開催の第16期定時株主総会の決議に基づき、監査等委員である社外取締役を1名増員し、社外取締役による監査・監督機能の強化を行うことにより、当社及び当社子会社(以下「当社グループ」という。)の持続的な成長と、より一層健全な経営倫理を尊重する企業文化・企業風土の醸成に資するものと考えております。
当社においては、コーポレート・ガバナンスの充実、強化のために、対処すべき課題として「監査機能の強化」「法令遵守の徹底」「IR機能の充実」及び「子会社事業の有機的活性化」の4点を掲げております。
これらの課題への取り組みとして、当社の取締役会、監査等委員会のほか、各グループ等(監査グループ、経営企画グループ、経理/総務グループ、秘書グループ、人事部)の機能の明確化と強化を図り、経営の透明性の向上に努めてまいります。

 

<主なコーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
2021年6月改訂後のコードに基づいて記載しております。

 

原則

開示内容

【補充原則2-4-1 女性の活躍促進を含む社内の多様性の確保】

当社は、事業会社であるフランスベッド株式会社を中心に、社内における女性社員の活躍促進を図るため、新卒・キャリア社員の採用比率の向上、ジョブリターン制度の導入やダイバーシティ推進室の設置等の検討を進めております。その他多様性の確保については測定可能な目標設定と併せ、今後の課題として取り組んでまいります。

また、多様性を意識した採用方針を掲げ、社員教育を実施することにより人材育成を図り、在宅勤務制度をはじめとした働き方改革に関する社内規程や制度、育児・介護休業制度等を一層充実させることにより、働きやすい環境整備を進めてまいります。

【補充原則3-1-2 情報開示の充実】

当社の外国人株式保有比率は10%未満であり、現在英語での情報の開示・提供は、自社ホームページにおける会社案内や決算短信のみの掲載に留まりますが、今後は合理的な範囲を踏まえ開示対象の拡大を進めてまいります。

【補充原則4-2-2 サステナビリティを巡る課題についての基本方針の策定等】

当社は、中長期的な企業価値の向上に向けて、中期経営計画において、継続的な企業成長を支える経営基盤の強化を基に、事業ポートフォリオマネジメントの実践ならびに環境・社会・ガバナンスを意識したESG経営の推進が必須であると認識しております。

自社のサステナビリティを巡る取組みについての基本的な方針を策定中であり、その進捗状況については、取締役会で定期的にフォローしてまいります。

 

 

 

<主なコーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示>

原則

開示内容

【原則1-4 政策保有株式】

当社グループでは、持続的な成長と企業価値向上を目的として、政策保有株式を保有しております。

毎年定期的、継続的に個別の政策保有株式について、取引状況や受取配当金等のリターンとリスクや資本コストを比較し、中長期的な観点から合理性の検証を行います。検証により保有の合理性が認められない場合には、当該株式の縮減を進めてまいります。

政策保有株式に係る議決権行使については、株主総会の議案ごとに、当社グループと発行会社双方の中長期的な企業価値の向上の観点から判断しており、企業価値を毀損すると判断される議案については反対を、また一定期間連続で赤字決算、重大な不祥事などがあった企業については、議案の内容を慎重に精査し行使してまいります。

【原則3-1-3 サステナビリティについての取組み等】

当社は、中期経営計画において継続的な企業成長を支える経営基盤の強化として、5つのテーマ「(1)より安心で安全な高付加価値製品の提供」「(2)資源のリユース・リサイクルの追求」「(3)CO2排出削減とエネルギー転換」「(4)人材の育成」「(5)ダイバーシティおよびワークライフバランスの推進」と事業を支える基盤「(1)ガバナンス」「(2)コンプライアンス」「(3)健全な財務」を特定しました。

また、当社ホームページのCSR情報ページのESG課題に対する取り組みで、SDGsとの関係性について紹介するとともに、トップメッセージを記載しております。

今後、「環境理念・行動指針」「リスク・機会の定量的な開示」「ガバナンス体制の整備状況」「温室効果ガス排出量に関する指標・目標」等について引続き検討を行い、開示への手続きを進めてまいります。

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】

当社は、IR担当取締役を選任するとともに、経営企画部をIR担当部署としております。株主や投資家に対しては、決算説明会を半期に1回開催し、代表取締役会長兼社長等が直接経営方針や財務状況等を説明するとともに、その内容を、自社のホームページにて配信しております。

さらに、機関投資家を対象としたスモールミーティングや、個人投資家を対象とした会社説明会も、年に数回開催し、可能な限り、代表取締役が参加し、説明を行っております。

 

 

 

 

 

 

 

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