(2687)株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア 不動産の有効活用に期待

2021/12/23

 

 

泉澤 豊

会長

 

泉澤 摩利雄

社長

株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア(2687)

 

会社情報

市場

東証1部

業種

小売業(商業)

代表取締役会長

泉澤 豊

代表取締役社長

泉澤 摩利雄

所在地

千葉県千葉市美浜区中瀬1-7-1

決算月

2月

HP

http://www.cvs-bayarea.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

396円

4,936,269株

1,955百万円

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

14.00円

3.5%

753.48円

0.5倍

*株価は12/10終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE・BPSは2021年2月期実績。時価総額は12/10終値×自己株式控除後発行済株式数、数値は四捨五入。

 

連結業績推移

決算期

営業総収入

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

配当

2018年2月(実)

29,394

13

90

-279

20.00

2019年2月(実)

10,916

31

-28

3,801

770.04

30.00

2020年2月(実)

10,427

37

165

-401

20.00

2021年2月(実)

7,318

-546

-548

-1,160

14.00

2022年2月(予)

7,800

-154

-210

-307

14.00

*単位:百万円、円。
*予想は会社予想。

 

 

シー・ヴイ・エス・ベイエリアの2022年2月期上期決算と2022年2月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告いたします。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2022年2月期上期決算
3.2022年2月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレートガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 22/2期上期は前年同期比1.2%増収。経常損失1億43百万円(前年同期は1億38百万円の損失)。新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が7月下旬から再び大幅に増加したことで東京五輪が無観客となるなど、依然として厳しい状況が続いた。こうした環境下、マンションフロントサービス事業においては、安定した収益を確保した一方、ホテル事業においては、新規感染者数の急増を受けた人流抑制などにより、各施設の稼働率は苦戦が続いた。

     

  • 通期予想は6.6%増収、経常損失は2億1百万円(前期は5億48百万円の損失)を見込む。期初の予想からそれぞれ減額修正となった。ホテル事業の苦戦が主因。クリーニング事業も回復には一定の期間を要する状況。マンションフロントサービス事業では、上期は好調に推移したものの、来期以降を見据えた新サービスや人材への投資などを見込んでいることを踏まえての修正。今後は、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が大きく減少したことを受け、期初時点の計画同様、都心部の宿泊需要が継続的に改善し、ビジネスホテル近隣の大型テーマパークにおける入園制限の緩和がさらに進むことを想定している。期末配当は8.00円/株、上期6.00円/株とあわせ、通期で14.00円/株を予定。

     

  • コロナ禍から回復基調にはあるものの、思惑通りには進展していない。ただし、10月には東京都の緊急事態宣言は解除、新規感染者も大幅に減少しており、回復がさらに進みそうだ。今後の回復に対する策も施されている。コスト面では、組織再編を受け、効率化が進展しそうである。また、新たにオープンしたキャンプ場は9月後半以降、好調の模様。来春には本格貢献するだろう。来期以降に向けての期待は不動産の有効活用。ホテル施設の早期縮小に対する布石とも考えられる。株価は低調に推移しており、PBRは0.5倍と低位。時価総額は20億円程度で推移しているが、2Q末の同社の現預金は20億16百万円、投資有価証券2億72百万円を合わせると大幅に下回っている。今後回復基調に入ることを想定すると株価は評価不足の水準にあるといえそうだ。

     

1.会社概要

(1)沿革

1981年2月設立。「日常生活の便利さを提供できる会社になりたい」を企業理念とし、直営店主体のコンビニエンス・ストア(コンビニ)事業をスタート。その後、クリーニング事業およびマンションのフロント(業務)受託事業、ビジネスホテルの運営などに事業を拡大。
2000年12月、大阪証券取引所ナスダック・ジャパン(現:JASDAQ)市場に株式上場。2006年2月には東京証券取引所市場第一部へ昇格した。
2009年11月、千葉県市川市ビジネスホテルの1号店となる「CVS・BAY HOTEL」を開業し、ホテル事業を立ち上げた。
2018年3月、会社分割によりコンビニ事業の一部を、企業フランチャイズ契約を締結していた株式会社ローソンおよびローソンが新設する子会社へ譲渡、「コンビニを営む会社」から「コンビニも営む会社」への転換を実施。マンションフロントサービス事業の事業領域拡大、ホテル事業の更なる強化のほか、M&A等により、常にチャレンジを続ける企業文化の下、「選択と集中」により成長企業への回帰を目指す。
2021年3月、組織変更を行うとともに、泉澤 摩利雄氏が代表取締役社長に就任。グループ企業理念を「生活のなかで彩りを感じて頂く、新しいサービスを発見し、創造し、提供する」とし、社会環境の変化とともに変わっていく消費者ニーズへの即応を図るとともに、多くのお客様に喜んで頂く価値あるサービスの拡充に努めている。

 

 

(2)主な事業内容

企業理念:生活のなかで彩りを感じて頂く、
新しいサービスを発見し、創造し、提供する
ミッション:お客様の気持ちを、光あふれる明るい方向へと向ける、
そのようなサービスを実現すること

(同社HPより)

 

コンビニ事業を除いた20/2期の売上(事業収入)構成比はトップがマンションフロントサービス事業、2位がホテル事業、3位がクリーニング事業。
19/2期以降、主力事業はマンションフロントサービス事業となっているが、コンビニ事業も一部継続しているほか、ホテル事業の拡大、早期収益化に向けた各種施策の実行による既存ユニット型ホテル施設の早期収益化を図るとともに、新たな施設の開業のほか不動産投資事業やM&Aなどの新事業の創出などにより、数年内に分割対象事業の収益を補完することを目指していたが、21/2期については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を各事業が受け、特にホテル事業は大幅減収となった。

 

*単位:百万円。

 

①マンションフロントサービス事業
2019年2月以降の主力事業。連結子会社(株)アスクのほか地域運営会社3社が提供。

 

【事業内容】
マンション共有施設の案内や宅急便、クリーニングの取り次ぎ等、マンションのフロント業務を手掛けるマンションフロント(コンシェルジュ)サービス、レジデンスサポート(メンテナンスサポート、ハウスクリーニング事業者紹介等)、ミニショップやカフェの運営等を手掛けている。
業界トップのマンションフロントサービスでは、首都圏を中心に756件(2021年8月末時点)の施設などを受託。マンション内の居住者同士のコミュニティ構築支援を目的とした、イベント開催やお祭り開催支援などのサービスも提供し、入居者の満足度向上を目指している。
また、(株)FA24との間で「クリーニング取次ぎ」や「ハウスクリーニング」サービスにおける相乗効果の創出を目指している。
近年は収益性を重視し、不採算物件の計画的撤退を進めてきた。

 

②ホテル事業
今後の成長性や事業規模の観点から同社が最も注力している。ただし、新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きく、今後は宿泊需要がコロナ前の水準に回復するには数年を要することを想定し事業展開を進める。

 

【事業概要】
ホテル事業は、ビジネスユースおよびレジャーユースを対象とし、千葉県市川市に始まり、18年6月より浦安市、20年7月より東京都港区で運営を行っている「ビジネスホテル事業」と、低価格ながらもより快適な空間を提供することで新たな需要を取り込むことを目指す「ユニット型ホテル事業」によって構成されている。

 

<ビジネスホテル事業>
(概要)
JR京葉線市川塩浜駅前の自社所有地で、コンビニ併設の108室規模(シングル21室、ダブル46室、ツイン41室)のビジネスホテル「CVS・BAY HOEL」を09年12月に開業した。
JR京葉線 市川塩浜駅は東京駅から8駅22分、東京ディズニーリゾートのある舞浜駅まで2駅6分、幕張メッセがある海浜幕張駅まで14分の好立地。価格競争力も強く、平日はビジネス客、週末はレジャー客と安定した集客を誇る。

 

(同社HPより)

 

近隣テーマパークの入園者や、都心部でのインバウンド顧客の需要増加を背景に、15年12月には隣接する借地においてシングル/ダブル11室、ツイン38室、ファミリー2室、ユニット区画20室(女性専用)、3階建ての新館を開業した。本館よりもやや広いゆとりのある客室空間を提供し、やや高めの宿泊料金で本館と差別化を図っている。
女性専用ユニット区画は安心清潔が評価されている。

 

 

<CVS BAY HOTEL ベイタワー>
JR 京葉線 市川塩浜駅 徒歩1分、市川塩浜駅前エリアにおいて、3棟目となるホテルを開業した。
客室数は107室(シングル42、ツイン63、トリプル2)、20年10月にオープン。本館と連絡通路で接続しており、1階には飲食テナントが入居するほか、2階には大浴場やセミナールームを完備するなど、旅行や出張、企業研修などの様々な用途で利用できるホテルとなっている。写真手前が本館、奥がベイタワー。

(同社HPより)

 

<BAY HOTEL東京浜松町>
ビジネスホテルとして東京初進出となる「BAYHOTEL東京浜松町を20年7月より開業。
ビジネスホテルとユニット型ホテルを組み合わせた新たなタイプのハイブリッドホテルとして、ビジネスマンやバックパッカーのみならず日本人旅行者やグループ利用にも対応した宿泊形式を採用し、幅広い宿泊需要の獲得を目指している。

 

 

 

 

 

(同社HPより)

 

<ユニット型ホテル事業>
(出店時の背景)
15年頃から都心部の宿泊料金上昇に伴い低価格な宿泊施設への需要が増加。また、海外からの訪日経験者が増えるに従い、気軽な旅行者が増加し、旅行費用の低予算化が進んだ。一方、従来の都心での宿泊事情は、価格の安いカプセルホテルは終電に乗り遅れた客が利用するもので、「自宅の睡眠替わり」、「安いが汚い」といった芳しくないイメージが定着していた。
こうした中、宿泊需要を獲得へ女性、外国人観光客など新たな顧客層を獲得するためのイノベーションが不可欠と考えた同社が、より快適で安心な空間を低価格で提供することでこれらの需要を取り込むためにスタートさせたのが「スマートホテル」。

 

(概要)
「スマートホテル」は、賃借した既存建物をコンバージョンして運営するユニット型ホテル。第1号物件として15年7月に「東京銀座BAY HOTEL」を開業。21年8月末現在、東京都内で2施設の運営を行っている。
「日本らしさ」をコンセプトに内装やユニフォームを統一。また、「共有スペース」や「パブリックスペース」などをゆとりある配置とすることで出張や観光需要にとどまらず女性客や外国人観光客獲得を目指している。

 

(新型コロナウイルス感染症による影響大きく、一部施設の営業再開を断念)
しかし新型コロナウイルス感染症の影響を受けた。一時は全施設が休業を余儀なくされ、今後、価格優位性を確保するまでには相当の期間を要すると判断し、昨年末以降3施設については閉店を余儀なくされた。
また、「東京有明BAY HOTEL」は、近隣の大規模展示場で開催予定であった東京モーターショーの開催中止や展示会・イベントの中止や規模縮小の影響により、10月以降は臨時休業している。

15年12月開業

 

東京有明BAY HOTEL      146ユニット(M80・W66)

東京都江東区東雲2丁目

りんかい線東雲駅4分

ビッグサイト利用者に加え、舞浜やお台場の観光客も活用

16年5月開業

 

秋葉原BAY HOTEL           130ユニット(W130)

東京都千代田区神田練塀町

いずれの秋葉原駅からも徒歩3分

女性専用ホテル

(同社資料、HPよりインベストメントブリッジ作成)

 

2.2022年2月期上期決算

(1)連結業績

 

21/2期 上期

構成比

22/2期 上期

構成比

前年同期比

会社予想

予想比

営業総収入

3,671

100.0%

3,716

100.0%

+1.2%

4,256

-12.7%

営業総利益

942

25.7%

1,157

31.1%

+22.8%

販管費

1,198

32.6%

1,284

34.6%

+7.2%

営業利益

-255

-126

13

経常利益

-138

-143

42

親会社株主に帰属する

四半期純利益

-277

-229

33

*単位:百万円。
*数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。

 

前年同期比1.2%の増収、1億43百万円の経常損失
営業総収入は前年同期比1.2%増の37億16百万円。新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が、5月上旬以降減少を続けたことで、東京五輪開催に向け経済活動の盛り上がりが期待された。しかし、7月下旬から再び新規感染者数が大幅に増加したことで東京五輪が無観客となるなど、依然として厳しい状況が続いた。
こうした環境下、マンションフロントサービス事業においては、安定した収益を確保した一方、ホテル事業においては、新規感染者数の急増を受けた人流抑制などにより、各施設の稼働率は苦戦が続いた。ただし、東京五輪開催期間中においては無観客開催となった一方で運営関連企業の宿泊先として一棟貸切での利用があったことや、夏休み後半のスポーツイベント開催時に団体予約を獲得したことなどにより改善が進んだ。
営業損失1億26百万円(前年同期は2億55百万円の損失)。利益面では、売上総利益率が前年同期25.7%から31.1%に改善、販管費の増加はあったものの、営業損失は縮小した。有価証券売却益の減少などにより、経常損失1億43百万円(前年同期は1億38百万円の損失)、ユニット型ホテル1施設およびホテルに併設するコンビニエンス・ストア店舗の閉店に伴い、店舗閉鎖損失引当金繰入額を特別損失に計上したことなどにより親会社株主に帰属する四半期純損失は2億29百万円(前年同期は2億77百万円の損失)となった。

 

セグメント別収益

 

21/2期 上期

構成比

/利益率

22/2期 上期

構成比

/利益率

前年同期比

ホテル事業

90

2.4%

257

6.8%

+183.6%

マンションフロントサービス事業

2,486

66.7%

2,304

61.2%

-7.3%

クリーニング事業

410

11.0%

420

11.2%

+2.4%

コンビニ事業

641

17.2%

687

18.3%

+7.3%

その他事業

99

2.7%

95

2.5%

-3.8%

消去・全社

-56

-49

営業総収入

3,671

100.0%

3,716

100.0%

+1.2%

ホテル事業

-185

-155

マンションフロントサービス事業

167

6.7%

215

9.4%

+28.9%

クリーニング事業

9

2.2%

15

3.8%

+74.8%

コンビニ事業

-1

24

3.5%

その他事業

10

10.8%

18

19.8%

+76.0%

調整額

-256

-246

セグメント利益

-255

-126

*単位:百万円。
*売上高は構成比、営業利益は営業総収入利益率。
*数値は切捨て、率は四捨五入。

 

ホテル事業
事業収入2億57百万円(前年同期比183.6%増)、セグメント損失1億55百万円(前年同期は1億85百万円の損失)。
各施設においては、新型コロナウイルス感染症の感染予防の徹底に努め、安心安全な宿泊サービスの提供を行うとともに、東京五輪開催期間中は運営関連企業に対し宿泊先としての提供を行った。メディアコンテンツとのコラボ企画も継続して実施した。千葉県内で運営するビジネスホテル施設においては、緊急事態宣言の発出を受け近隣の大型テーマパーク の入園制限が続いたことで、稼働率は低水準で推移するなど厳しい状況が続いた。「CVS・BAY HOTEL」においては、近隣の工事関係者などのビジネス需要のほか、昨年の10月に増築棟を開業し、スケールメリットを活かした営業活動を積極的に進めており、東京五輪や近隣施設でのスポーツイベント開催時においては団体予約を獲得するなど、売上高の確保に努めた。ユニット型ホテルにおいては、新型コロナウイルス感染症の長期化に伴い、昨年末以降3施設の閉店を余儀なくされるなど、厳しい状況が続いている。「東京有明BAY HOTEL」については、東京五輪の運営関連企業の宿泊先として7月から9月末まで一棟貸切で利用があったほか、「秋葉原BAY HOTEL」においても、メディアコンテンツとコラボ企画を継続的に実施し、宿泊需要だけでなく、グッズ販売やファン同士の集いの場としての需要の獲得を進めた。なお、「東京有明BAY HOTEL」においては、近隣の大規模展示場で開催予定であった東京モーターショーが開催中止となるなど、展示会やイベントの中止や規模縮小の影響などを踏まえ、10月以降、再度臨時休業しており、営業中のユニット型ホテルは1施設となっている。前上期において、臨時休業していたホテル施設の賃料等の経費について、臨時休業に伴う特別損失として1億30百万円をセグメント費用外として計上しているため、今上期における各施設の営業損失は実質的には大幅に縮小している。

 

マンションフロントサービス事業
事業収入23億4百万円(前年同期比7.3%減)、セグメント利益2億15百万円(同28.9%増)。
上期末現在における総受注件数は756件。新型コロナウイルス感染症の影響を受けた、在宅勤務の増加や飲食自粛の行動様式の変化などにより、フロントでのクリーニング取扱高およびマンション内のショップやカフェなどにおける付帯売上高の回復は鈍い。フロントスタッフの定着率の改善により、採用、教育費のコスト削減が進んだことで、セグメント利益は増加した。

 

クリーニング事業
事業収入4億20百万円(前年同期比2.4%増)、セグメント利益15百万円(同74.8%増)。
新型コロナウイルス感染の影響により、ホテルリネンにおいては依然として低調に推移している。在宅勤務の普及によるワイシャツ、スーツのクリーニングの需要減少など、売上高の本格的な改善には至らない状況。

 

コンビニ事業
事業収入6億87百万円(前年同期比7.3%増)、セグメント利益24百万円(前年同期は0百万円の損失)。
同社の強みである独創性を持った店舗作りを目指し、フランチャイズ本部が推進する各種施策に加え、新型コロナウイルス感染症による消費行動の変化に対応していくため、住宅立地の店舗においては、日配食品の販売強化のほか、青果の専門業者と共同で野菜市を定期的に開催するなどの取り組みを進めてきた。
一方、大規模展示場や観光施設に近隣している店舗においては、前年比較では売上高は緩やかに回復傾向が続いたものの、東京五輪開催に伴い6月以降大規模展示場でのイベントが開催されなかったことに加え、東京五輪が無観客開催となったことにより、同エリアを訪れる観光客の回復が進まなかったことで、年間売上の最盛期である7、8月の客数は伸び悩みが見られた。

 

その他事業
事業収入95百万円(前年同期比3.8%減)、セグメント利益18百万円(同76.0%増)。
その他事業としては、事業用不動産の保有や賃貸管理のほか、キャンプ場の運営など、各種サービスの提供を行っている。
固定資産の有効活用として、5月より千葉県成田市にてキャンプ場をプレオープンし、6月1日に本格的に営業を開始した。プレオープン期間中のゴールデンウイークや休日を中心に多くの若者や家族連れの顧客からの利用があった。しかし、梅雨入り後から8月にかけては、週末に雨天が続いたことから、客数に伸び悩みが見られたが、9月以降は天候に恵まれ、好調に推移している模様。6月よりヘアカットサービス店舗の運営形態を見直し、業務委託に変更したことで、売上高は減少している。

 

(2)財政状態

 

21年2月

21年8月

 

21年2月

21年8月

現預金

1,936

2,016

仕入債務

131

159

売上債権

451

425

短期有利子負債

1,423

1,791

有価証券

流動負債

2,645

2,745

たな卸資産

59

58

長期有利子負債

3,443

3,132

流動資産

2,738

2,766

長期預り保証金

373

361

有形固定資産

4,339

4,201

固定負債

4,142

3,812

無形固定資産

71

66

純資産

3,719

3,460

投資その他

3,358

2,983

負債・純資産合計

10,507

10,018

固定資産

7,769

7,251

有利子負債合計

4,866

4,924

*単位:百万円。
*有利子負債=借入金+リース債務。

 

22/2期上期末における資産合計は、前期末比4億89百万円減少し、100億18百万円となった。現預金が79百万円増加したことなどにより、流動資産が27百万円増加した。一方、投資有価証券が3億11百万円減少したことなどにより固定資産が5億17百万円減少した。
負債合計は、前期末比2億30百万円減少し、65億57百万円となった。短期借入金が5億50百万円増加し、また1年以内返済借入金が81百万円、資産除去債務が1億65百万円減少したことなどにより、流動負債が99百万円増加した。一方、長期借入金が3億6百万円減少したことなどにより固定負債が3億30百万円減少した。
純資産は、前期末比2億58百万円減少し、34億60百万円となった。剰余金の配当を行ったほか、親会社株主に帰属する四半期純損失を2億29百万円計上した。

 

 

キャッシュ・フロー

 

21/2期 上期

22/2期 上期

前年同期比

営業キャッシュ・フロー

469

-181

-651

投資キャッシュ・フロー

-499

233

+733

フリー・キャッシュ・フロー

-30

52

+82

財務キャッシュ・フロー

524

27

-496

-94.7%

現金および現金同等物上期末残高

2,100

2,016

-83

-4.0%

*単位:百万円

 

22/2期上期末における現金および現金同等物残高は、前期末比べ79百万円増加し、20億16百万円となった。
営業CFは、1億81百万円の支出超過(前年同期は4億69百万円の収入超過)となった。その主な内訳は、税金等調整前四半期純損失2億20百万円を計上したことに加え、投資不動産により1億55百万円の収入があった一方、投資不動産管理費により1億68百万円、店舗閉鎖損失の支払により38百万円を支出したことによるもの。
投資CFは、2億33百万円の収入超過(前年同四半期は4億99百万円の支出超過)となった。その主な内訳は、投資有価証券の売却により3億32百万円の収入があった一方、資産除去債務の履行による支出1億48百万円、有形固定資産の取得により46百万円それぞれ支出したことによるもの。
財務CFは、27百万円の収入超過(前年同期は5億24百万円の収入超過)となった。その主な内訳は、短期借入金の純増加額が4億50百万円あった一方、長期借入金の返済により3億88百万円を支出したことによるもの。

 

 

 

3.2022年2月期業績予想

(1)通期連結業績

 

21/2期 実績

構成比

22/2期 予想

構成比

前期比

期初予想

営業総収入

7,318

100.0%

7,800

100.0%

+6.6%

8,586

営業利益

-546

-154

78

経常利益

-548

-210

68

親会社株主に帰属する当期純利益

-1,160

-307

51

*単位:百万円。

 

22/2期は6.6%増収、経常損失2億10百万円を見込む
通期予想は売上高が前期比6.6%増の78億円、営業損失1億54百万円(前期は5億46百万円の損失)、経常損失は2億1百万円(同5億48百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は3億7百万円(同11億60百万円の損失)を見込む。期初の予想からそれぞれ減額修正となった。ホテル事業では、期初計画では東京五輪開催を契機に宿泊需要の改善が進むと見込んでいたが、緊急事態宣言が9月末まで発出されていた状況に加え、10 月よりユニット型ホテル1施設を休業したことなどが影響した。クリーニング事業においては、在宅勤務の増加や行動様式の変化などにより、個人向けクリーニングサービスの回復には一定の期間を要する状況に変化が見られない。マンションフロントサービス事業の上期実績は好調に推移したものの、来期以降を見据えた新サービスや人材への投資などを見込んでいることを踏まえての修正。今後は、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が大きく減少したことを受け、期初時点の計画同様、都心部の宿泊需要が継続的に改善し、ビジネスホテル近隣の大型テーマパークにおける入園制限の緩和がさらに進むことを想定している。
ホテル事業では、8月下旬に新規感染者数がピークアウトしたことなどを受け、9月末を以て緊急事態宣言が解除されたことから今後、レジャー需要などが緩やかに回復することが期待されているが、冬場に向けて再拡大リスクに注視していく必要がある。マンションフロントサービス事業では付帯売上高の回復にはさらに一定の期間を要すること見込む。今後は、マンション居住者向けに厳選した商品の販売を行うショッピングサイトを9月よりリニューアルを実施し拡充を進めていくほか、22年初頭にはマンション居住者支援アプリケーション「OICOS」のバージョンアップを予定している。マンション規模が小さく有人サービスを提案出来ない施設へのサービス導入提案を進めていくとともにシェアオフィスにおける受託業務など、今後の成長が期待される領域への開拓をさらに進める考え。近年進めていた不採算物件の計画的撤退交渉は概ね完了したことから、今後の受注件数の減少は軽微となることを想定している。クリーニング事業は、本格的な改善には一定期間を要することが見込まれる。こうした状況を踏まえ、既存顧客へのアプローチを強化し、需要の掘り起こしに向けた施策を進めていくほか、業務効率化によるコスト削減に取り組む考え。コンビニ事業では、今後近隣の大規模展示場においては、使用再開後も年内の主要イベントの中止や規模縮小の発表がされるなど、売上高の本格的な改善にはさらに一定の期間を要することが見込まれる。その他の事業うち、キャンプ場については、9月以降は週末の天候に恵まれたことに加え、SNSでの口コミや雑誌への掲載などによる、認知度の向上により、週末の利用者は開業以来最高を更新するなど、売上高は大きく伸長している。
期末配当は8.00円/株、上期6.00円/株とあわせ、通期で14.00円/株を予定。

 

 

 

(2)事業方針

経営理念・ミッション
経営理念:生活のなかで彩りを感じて頂く、新しいサービスを発見し、創造し、提供する
ミッション:お客様の気持ちを、光あふれる明るい方向へと向けるそのようなサービスを実現すること

 

セグメント別事業方針

 

ホテル事業

既存需要に依存しないビジネスモデルの構築

⇒コアセグメントの需要取り込み、団体研修等の法人需要獲得

・オペレーションの向上(安心・安全な宿泊を提供)

⇒コロナ対応の徹底、清掃、接客レベルの向上

 

マンション

フロントサービス事業

非有人型サービスプラットフォームの構築

⇒アプリケーションを活用した情報サービスの提供など

・非マンション分野での受付業務の拡大

⇒シェアオフィス、コワーキングスペースでの受付業務獲得

 

クリーニング事業

・既存顧客(提供物件)へのアプローチ強化

⇒需要の掘り起こしを目指す

・取引先の選択と集中

⇒バックオフィスの業務削減による管理コストの削減

 

コンビニ事業

・基本オペレーションの効率化

⇒業務効率化による収益性の改善

・店舗毎の商圏に対応した品揃えの強化

⇒既存需要の売上最大化+各種イベントに対応した独自商品仕入

 

ビジネスホテル事業
近隣の大型テーマパークに依存した運営からの脱却
①スケールメリット活用を活かした団体旅行への営業強化

増築棟の開業により市川塩浜エリアにおける総客室数は280室超まで拡大

⇒旅行代理店等を通じて法人団体や、教育旅行団体へのアプローチを強化していく
*上期は夏休み期間中に五輪関係先やスポーツ大会イベントにおける団体予約を獲得
②利用客層と親和性の高いコンテンツとのコラボによる高付加価値サービスの提供

千葉県内で運営するビジネスホテル⇒家族連れ、女性の比率が高い(テーマパークの利用者)

⇒子供、女性向けのコンテンツとのコラボ企画を展開し、客室単価の向上を目指す
*現在コンテンツ会社数社と商談。トライアル実施に向けた協議中

 

ユニット型ホテル事業
従来のカプセルホテルの延長からのイメージを脱却
①コアターゲットを明確にし、コンテンツに特化したホテル

これまでの不特定多数の宿泊者を想定した宿泊サービスを一新

➡スマホゲームや2.5次元舞台等などのメディアコンテンツとのコラボ企画を軸とした運営へ
 ⇒特定のファンが集うサロン+グッズ販売+宿泊=付加価値空間の提供による差別化された需要取り込む
  施設内のコンテンツ物販を拡充し、宿泊以外の収益源を確保していく
②安心・安全な宿泊サービスの提供

コロナ対策の徹底、サービスレベルの標準化

 

※5月12日~秋葉原ベイホテルで開催中のコラボ企画の様子。ファンが集う共有スペースのほか、キャラクターが装飾されたユニットルームを展開。

 

 

(同社資料より)

 

成田スカイウェイBBQ (CAMP)~5月1日プレオープン、6月1日に本格オープン~
千葉県成田市に保有する約20,000㎡の広大な土地を活用
※日常生活から離れた不便さを自由なアイディアで楽しんでもらう場所として提供
⇒初期投資を抑制しつつ、コロナ禍における生活様式の変化に対応した事業

(同社資料より)

プレオープン中のGW期間は家族連れや若者を中心に数多く利用者が来場も梅雨入り後から8月にかけて週末の天候に恵まれず、売上が伸び悩むも
SNSでの口コミや、人気ユーチューバーからの雑誌取材等により、認知度が上昇
9月に入り、開業以来最多の来場者数を更新しており、売上高は大きく増加中

 

マンションフロントサービス事業
マンション業界の概要
昨年の全国のマンション販売戸数はコロナ禍の影響により減少。今後も建設コストの高止まりに加え、建設に適した用地の不足から、1棟当たりの戸数が小規模な物件が増える傾向にあり、コンシェルジュサービスを導入可能な新規物件は減少傾向が続いていく見通し。
➡既存のマンションフロントサービスは維持しつつ、新サービスの開発、新規市場の開拓が不可欠

 

今後の受付サービスの事業展開
①有人型のコンシェルジュ受付サービス
マンション新規着工件数は減少傾向であり、今後は富裕層向けの物件や企業受付を中心に展開
⇒高品質なサービスによる付加価値の追求を目指す。
※近年は、シェアオフィスでの受付業務を積極的に拡大
②ITを活用した新たな受付サービス
・マンション居住者向けのアプリケーションによるサービス提供
共用施設の予約や管理規約、掲示板の閲覧などのフロントサービス機能を搭載
有人型サービスの継続が難しい物件や小規模の物件においてもサービスの提供が可能
・アプリケーションを活用したプラットフォーム事業の展開
独立系として国内最大級のマンション受託件数を持つ強みを活かし、
居住者向けのサービスや厳選した商品の販売を行うWEBサイトを展開
マンション居住者とサプライヤーを繋ぐプラットフォーマーを目指す

 

マンション居住者に向けた取り組み

OICOS

マンション(分譲・賃貸)、学生寮・社員寮他、会員登録制のWEBサイト

⇒有人受付サービスの代替機能

・共用施設の予約、鍵の受渡、料金決済

・問合せ等コールセンター機能の代替

規模の小さい物件でもサービス提供可能に

GEM

マンション(分譲・賃貸)向けの会員登録制のショッピングサイト *21年9月リニューアル

⇒国内最大級のマンション受託件数を持つ強みを活かしたプラットフォーム事業

・当社が厳選した商品を居住者へ提供

マンション居住者とサプライヤーを繋ぐプラットフォームとしてサービスを提供

 

22年初頭を目途にバージョンアップを予定

 

おせちや年末商材の予約を受付中

(同社資料より)

 

~組織再編~
①ホテル事業本部、コンビニ事業本部を統合し『サービス事業本部』を設置
経営環境が大きく変化していく中で、より機動的な組織運営体制を目指す
⇒若手人材の積極的な登用、事業の垣根を超えた人的資源の有効活用
営業部門におけるコストの全体最適化を図る
②コーポレート戦略グループを新設
戦略や投資を部分最適から、グループ全体の最適化にすべく各種立案を推進
③管理部門の統合に向け、グループ間での積極的な人材の異動を実施
⇒今後3年を目途に各社の管理部門を統合および社内システムの統合を目指す
管理部門の統合⇒人的コストの圧縮
グループ間のシステムの統一⇒投資コストの圧縮

(同社資料より)

 

*株主優待制度
19年2月に「利用可能施設の追加」、「大口保有優遇制度の導入」、「長期保有優遇制度の導入」等の変更を発表したが、配当金による利益還元とのバランスを考慮し21年8月末の権利確定分は、株主優待券の割引金額を増額した。

 

株主優待制度変更の内容

 

新型コロナウイルス感染症の影響が長期化しているため、利用期限は通常時5月末から2カ月延長し、2022年7月末を予定。

 

 

 

利用可能施設
ビジネスホテル

 

ユニット型ホテル

*1 個室タイプのほかユニット区画の客室利用ができます
*2 女性専用施設
(同社開示資料より)

 

4.今後の注目点

コロナ禍から回復基調にはあるものの、思惑通りには進展していない。ただし、10月には東京都の緊急事態宣言は解除され、新規感染者も大幅に減少している。回復はさらに進みそうだ。ビジネスホテルでは団体旅行への営業を強化、ユニット型ホテルではコアターゲットを明確にしており、今後の回復に対する策も施されている。コスト面では、組織再編を受け、効率化が進展しそうである。また、新たにオープンしたキャンプ場が夏場に伸び悩んだものの、9月後半以降、好調の模様。来春には本格貢献するだろう。来期以降に向けての期待は不動産の有効活用。ホテル施設の早期縮小に対する布石とも考えられる。
株価は低調に推移しており、PBRは0.5倍と低位。時価総額は20億円程度で推移しているが、2Q末の同社の現預金は20億16百万円、投資有価証券2億72百万円を合わせると大幅に下回っている。今後回復基調に入ることを想定すると株価は評価不足の水準にあるといえそうだ。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態および取締役・監査役の構成

組織形態

監査等委員会設置会社

取締役(監査等委員除く)

8名、うち社外取締役 4名

監査等委員

3名、うち社外取締役 3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日 2021年12月10日

 

<基本的な考え方>

 

当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、株主の皆様やお客様、従業員、地域社会などのすべてのステークホルダーと適切な 関係を構築し、社会的責任を果たしていくことであると考えております。この考え方は、当社の社是である「明日への誓い」のなかで、すべてのステークホルダーに対し“より良き明日の実現”を誓い、実践する経営を目指していくことを掲げていることに基づくものです。そのためには、法令遵守のほか、経営の透明性や効率性をより一層高めていくことが不可欠であり、コーポレート・ガバナンスのさらなる充実を通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。

 

法令遵守においては、企業理念を具現化した「企業行動基準」を定め、同基準を当社グループに横断的に運用しているほか、各従業員に対し、日頃の業務時に振り返ることができるよう、行動指針の要点をまとめた携帯可能なガイド冊子を配付しており、当社グループの全社員が法令および定款などを厳守した行動を行うよう周知を図っております。

 

当社は監査等委員会設置会社制度を採用しております。これは監査等委員である取締役が、取締役会において議決権を行使することを通じ、取締役会の透明性や監督機能の強化を図ることを目的としております。また、当社の職務執行が適正かつ効率的に行われるよう、社外取締役および監査等委員である社外取締役(独立役員1名含む)の出席のもと、毎月定例で取締役会を開催し、業務執行取締役や業務執行役員および子会社の取締役より職務執行に関する報告を実施しているほか、重要事項の審議・決定を行うことでグループ全体の業務の適正に努めております。

 

<コーポレートガバナンスコードの各原則を実施しないおもな理由>

 

補充原則1-2-4.議決権の電子行使を可能とする環境作り及び招集通知の英訳
補充原則3-1-2.英語での情報の開示・提供
当社の株主における海外投資家の比率は相対的に低く、現状の議決権行使状況に大きな支障はないものと考えているため、コスト等を踏まえ、議決権電子行使プラットフォームの利用、招集通知の英訳および英語での情報開示は実施しておりません。今後は、株主構成(外国人株主や機関投資家の株式保有比率など)や議決権行使状況、あるいは株主の利便性を考慮の上、検討を進めてまいります。

 

原則1-3.資本政策の基本的な方針
当社は、これまで公募増資や立会外分売を行ってきたことで、経営陣である創業者およびその関係者による持株比率の低下が進んでまいりましたが、現在も創業者およびその関係者が議決権の過半数近くを所持しており、上場企業として、所有と経営の分離のあり方については、今後の検討課題と認識しております。また、新株発行による資金調達については、既存株主の利益を不当に毀損することがないよう、当社の中長期的な成長を実現し、利益の拡大が見込まれるなど、その必要性や合理性について取締役会で審議・監督してまいります。また、その内容については、株主の皆さまに対し適切に開示、説明を行うこととしております。収益につきましては、将来の企業価値拡大のための事業投資に備えた内部保留の充実を図りつつ、株主の皆さまへ安定的かつ継続的な利益還元を行ってまいります。

 

原則2-3-①.サステナビリティを巡る課題への対応
補充原則3-1-③.サステナビリティを巡る取組みの開示
補充原則4-2-②.サステナビリティを巡る取組みの基本方針の策定
当社グループは、中長期的な企業価値の向上に向け、ESG(Environment/環境、Social/社会、Governance/企業統治)が非常に重要であるとの認識のもと、今後は目標値を設定すべく、具体的に取り組んでまいります。当社グループは「生活のなかで彩りを感じて頂く、新しいサービスを発見し、創造し、提供する」という経営理念の実現を、永続的に行うことを目的とし、廃棄物の削減・資源の有効活用・リサイクル商材の積極的活用・電気設備投資を要さない事業の実現を検討するとともに、多様性の確保に向けた人材登用・育成や、交通機関による移動を要しない在宅勤務の支援、ライフスタイルに配慮した時短勤務・フレックス勤務等の拡大を図り、時代の変化に対応した働きやすさの追求に注力しております。サステナビリティ課題への積極的・能動的な貢献が、当社にとっても重要であるとの認識を持ち、経営戦略の開示にあたっては、自社のサステナビリティについての取組みを適切に開示するよう努めるとともに、今後は、自社のサステナビリティに対する人的資本や知的財産への投資等についても、自社の経営戦略・経営課題との整合性を意識しつつ、分かりやすく具体的に情報を開示・提供できるよう、努めてまいります。

 

補充原則2-4-1.中核人材の登用等における多様性の確保
当社グループは、事業環境の変化に則して多様な人材を見出し、性別、国籍、年齢等に関係なく採用・評価を行っており、先進的かつ独創性のある人材確保に注力しております。さらに、優秀人材の育成・確保に向け階層別研修を整えるなど、環境の変化に対応した人事制度や適材適所の配置等を行っております。ただし、女性・外国人・中途採用者が、全従業員に占める割合が少ない当社においては、女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等、中核人材の登用等に関する測定可能な目標を設けるまでに至っておりませんが、女性・外国人・中途採用者の管理職への登用は既に行っており、2021年6月には、新任執行役員に女性を登用するなど、多様性の確保に向けた取り組みをさらに強化しております。今後は、測定可能な数値目標の作成について検討するとともに、育児休業の取得や復職後の時短勤務、リモート勤務の選択など、ライフスタイルに合わせた働きやすさや社内環境の整備・拡充を図ってまいります。

 

原則3-1.情報開示の充実(1)会社の目指すところや経営戦略、経営計画
補充原則4-1-2.中期経営計画の実現
当社グループは、主な中期的な経営目標として、会社の持続的な成長に向けた営業利益の安定的な確保および新たな事業の確立を目標としております。コンビニエンス・ストア事業の再編以降、収益性を重視した経営方針のもと各事業の事業計画の再構築を進めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、ホテル事業においては、稼働率、売上高が大幅に減少し、3棟を閉店するなど、早急な収益改善が重要な経営課題であると認識しております。これまでの事業モデルを見直すとともに、コロナ禍における需要の変化に対応した各種取組みを進めていくことで、収益改善に努めてまいります。また、マンションフロント事業においては、非マンションフロントサービスの案件獲得に努めていくほか、新規事業の創出による収益基盤の安定を図ってまいりますが、現時点において中長期的な数値目標は定めておりません。

 

補充原則4-3-2.客観性・適時性・透明性ある手続きによるCEOの選任
補充原則4-3-3.CEOを解任するための客観性・適時性・透明性ある手続きの確立
当社では、独立した諮問委員会を設置しておりませんが、CEOの選解任は、会社における最も重要な戦略的意思決定であることを踏まえ、取締役会において、独立社外取締役の適切な関与・助言を得た上で、CEOの選解任を決議することとしております。

 

原則4-8.独立社外取締役の有効な活用
当社の独立社外取締役は1名ですが、幅広い専門知識と豊富な経験に基づき、取締役会では自由闊達な議論がなされており、独立社外取締役としての責務を十分に果たしております。今後の社外取締役の増員につきましては、当社の規模、経営環境等を総合的に勘案し、検討してまいります。

 

補充原則4-10-1.独立した委員会の設置
当社は、機関設計として監査等委員会設置会社制度を採用しており、取締役(監査等委員である取締役を除く)5名、監査等委員である取締役3名によって取締役会を構成しており、当社の企業規模などに鑑み、現状の体制が適切であると判断しております。任意の仕組みの活用については、現時点においては、独立した指名委員会や報酬委員会を設置しておりませんが、企業規模の拡大など、必要に応じ、検討いたします。

 

原則4-11.取締役会・監査役会の実効性確保のための前提条件
補充原則4-11-1.取締役の選任に関する方針・手続き
当社は、取締役(監査等委員である取締役を除く)の人数は9名以内、監査等委員である取締役は5名以内と定款で定めております。取締役会は取締役5名(監査等委員である取締役を除く)、監査等委員である取締役3名で構成されており、当社の事業規模、事業内容において、経営の効率性を確保する観点から、現状の規模は適正であると考えております。また、その人選においては、各事業分野に精通した人物を選任し、知識・経験・能力のバランスを確保するよう努めております。取締役会の国際性については、当社の事業範囲が国内に限定されているため、現時点においては検討しておりませんが、ジェンダーや国際性、職歴、年齢の面を含む多様性の追求が重要であることを認識しております。ただし一方で、上場から20年近くを経た2018年3月に大規模な会社分割を行ったことにより、社員数は大幅に減少したものの、2001年入社の新卒社員が勤続20年を経て、2021年5月、新任取締役に就任するなど、知識・経験・能力を持つ社内人材の育成が進んでいること、また、様々な分野での活躍経験を授けることを目的に、当社グループ間異動による人事交流も積極的に行うことで多様性の確保に努めていることに加え、役員報酬の総額を当社グループの事業規模に見合った水準に抑えていることもあり、多様性の確保だけを目的とした役員の登用については、その必要性を含め、今後も取締役会において慎重に議論してまいります。なお、スキル・マトリックスをはじめとした取締役の有するスキル等の組み合わせの開示についても、今後、検討してまいります。

 

補充原則4-11-3.取締役会の実効性の分析及び評価
当社取締役会は、定例の取締役会における議論および相互の監督を通じて、取締役会全体の機能の向上を図っており、各取締役の自己評価および取締役会の実効性についての分析・評価およびその開示方法については、引き続き検討してまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示>

 

原則1-4.いわゆる政策保有株式
当社は、政策保有株式を保有しておりませんが、保有する場合には、「業務提携、取引の維持・強化および株式の安定等の保有目的の合理性」を検討し取締役会で諮ることとします。また、政策保有株式を保有した場合の議決権行使については、当社と投資先企業双方の持続的成長と、中長期的な企業価値向上に資するかを基準として総合的に判断するほか、政策保有株主との取引については経済合理性が十分か検証したうえで、決定いたします。

 

原則2-6 企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮
当社は、企業年金制度は導入しておりません。

 

原則3-1.情報開示の充実
(3)経営陣幹部・取締役の報酬を決定するにあたっての方針と手続
当社の取締役の報酬につきましては、基本報酬および非金銭報酬により構成し、監督機能を担う社外取締役については、その職務に鑑み、基本報酬のみを支払うこととしております。なお、非金銭報酬等については、必要に応じ、取締役会において具体的な方針および内容について検討を行うものとしております。各取締役の基本報酬の額については取締役会決議に基づき代表取締役社長がその具体的内容について委任を受けるものとし、代表取締役は当社の業績水準に加え、各取締役の職責および貢献度を考慮しながら、総合的に勘案して決定しており、その総額は株主総会で定められた報酬限度額の範囲内となっております。また、監査等委員である取締役の報酬につきましては、株主総会で定められた報酬限度額の範囲内で監査等委員会の協議により決定しております。

 

(4)取締役の選解任および指名の方針と手続当社取締役会は、経営陣幹部の選任については、それぞれの経験・実績等を分析しながら、その資質や人格を十分に有する者を指名し、社外取締役候補者については、取締役会全体の監督・監視機能の強化を図るべく、多様な知見や豊富な経験を持つ候補者をそれぞれ指名しております。なお、監査等委員である取締役候補者については、監査等委員会の同意を得ることとしております。経営陣幹部の選任にあたっては、上記の選任要件をもとに取締役会が選任した候補者の議案について独立社外取締役が出席する監査等委員会において適切かどうか検討を行ったのち、取締役会において決議します。経営陣幹部の職務執行に重大な法令・規則違反等があった場合や取締役としての資質や職務遂行能力を満たさないと判断した場合は、取締役会において、独立社外取締役が出席することを必須要件として、役付けの罷免を決議することとしております。

 

原則4-2-1 客観性・透明性のある経営陣の報酬制度の設計及び具体的な報酬額の決定
経営陣の具体的な報酬を決定するにあたっては、事前に独立社外取締役を含む監査等委員会がその内容を審議することで、客観性・透明性ある手続きを確保してまいります。

 

2021年12月10日開示コーポレートガバナンスの状況より

 

株式会社インベストメントブリッジ
ブリッジレポート   株式会社インベストメントブリッジ
個人投資家に注目企業の事業内容、ビジネスモデル、特徴や強み、今後の成長戦略、足元の業績動向などをわかりやすくお伝えするレポートです。
Copyright(C) 2011 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。 また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。 当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。 本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。 投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。

このページのトップへ