(4290)株式会社プレステージ・インターナショナル 減収増益 国内事業がカバー

2021/06/24

 

 

玉上 進一 社長

株式会社プレステージ・インターナショナル(4290)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

サービス業

代表者

玉上 進一

所在地

東京都千代田区麹町2-4-1

決算月

3月

HP

http://www.prestigein.com/

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

691円

128,131,800株

88,539百万円

10.0%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

8.00円

1.2%

26.55円

26.0倍

241.30円

2.9倍

*株価は6/3終値。各数値は21年3月期決算短信より。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2018年3月(実)

33,119

4,230

4,638

2,936

23.03

12.00

2019年3月(実)

37,196

4,687

4,928

3,185

24.91

13.00

2020年3月(実)

42,377

4,959

5,364

3,193

24.95

2021年3月(実)

40,617

5,233

5,453

2,968

23.18

7.00

2022年3月(予)

45,000

6,000

6,200

3,400

26.55

8.00

* 予想は会社予想。単位:百万円、円。 2018年10月及び2019年10月、1株を2株に分割(EPSを遡及修正)。2020年3月期配当は、第2四半期末7円、期末3.5円。2022年3月期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用。

 

 

(株)プレステージ・インターナショナルの2021年3月期決算概要、22年3月期業績予想、中期経営計画などをお伝えします。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2021年3月期決算概要
3.2022年3月期業績予想
4.中期経営計画
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 21年3月期の売上高は前期比4.2%減の406億17百万円。グローバル事業が新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響を受けた。営業利益は同5.5%増の52億33百万円。アシスタンス業務における外注費(売上原価)の抑制や残業抑制および人員の再配置による人件費(売上原価・販管費)コントロールを進めた。売上総利益が同2.3%増加し、粗利率は1.4pt改善。販管費は同1.6%減少。海外グループの収益減を国内事業でカバーした結果、税負担率が増加したことなどから、当期純利益は同7.0%減の29億68百万円。予想に対しては、売上は未達、営業利益・経常利益は期初予想、修正予想共に上回った。 
  • 22年3月期の売上高は前期比10.8%増の450億円、営業利益は同14.7%増の60億円の予想。全事業増収を見込んでいる。新型コロナウイルス感染症の影響が一部残ると想定しているが、「価値創造」を目指し、サービスメニューの追加、サービス領域の拡大を行う。また、コストコントロールを継続的に実施し、更なる生産性の向上を目指す。配当は中間、期末とも前期比0.5円/株増配の4.00円/株、年間8.00円/株を予定している。予想配当性向は30.1%。 
  • 今期2022年3月期を初年度とする3か年の中期経営計画を策定した。各事業における戦略を有機的に結合させ、「PIでしかできない事業領域」を立体的に拡充することにより、2024年3月期連結ベースで「売上高600億円、営業利益80億円」を目指す。 
  • 減収で営業利益も小幅な増加にとどまった21年3月期であったが、売上高は前期第1四半期をボトムに緩やかながら回復傾向にある。新型コロナウイルス感染症の拡大状況は国・地域ごとにバラツキがあるため今後の影響は依然不透明であるが、短期的な視点からは四半期売上がどのあたりからコロナ禍前の110億円レベルを超えてくるかを注目していきたい。また、中期経営計画においては、「PIでしか実現できないサービス領域の創造」に向けたDX導入についての具体的な取り組み及びその進捗を見ていきたい。

1.会社概要

「エンド・ユーザー(消費者)の不便さや困ったことに耳を傾け、解決に導く」という経営理念の下、国内外でBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を展開している。サービスの主なものは、自動車保険加入者にサービスを提供するロードアシスタンスサービス(電話対応から現場でのサービスまで)、海外旅行損害保険加入者向けの日本語緊急コンタクトセンターサービス、物件の管理会社等と契約しマンションの入居者に提供するホームアシストサービス(水漏れ、鍵開け、ハウスクリーニング等)、駐車場管理会社向けのパークアシストサービス等。いずれのサービスも馴染みはあるが、B2Bの事業形態をとっているため、言い換えると、サービス提供の際はクライアント企業(損害保険会社、自動車関連会社、不動産管理会社等)の社名を名乗って対応するため、“プレステージ・インターナショナル”という同社の社名を耳にする事は少ない。

 

【1-1 グループ経営理念とグループ事業方針】

グループ経営理念
エンド・ユーザー(消費者)の不便さや困ったことに耳を傾け、解決に導く事業創造を行い、その発展に伴い社会の問題を解決し、貢献できる企業として成長する。

 

グループ事業方針
プレステージ・インターナショナルグループは、社会に必要とされ、クライアント企業から信頼され、エンド・ユーザから感謝されるソリューションを提供できるグループを標榜し、社会貢献を常に念頭におきながらクライアント企業、株主、社員、地域と共に繁栄できるグローバルカンパニーを目指します。

 

【1-2 事業セグメントの概要】

リテンション・メーカー戦略の進捗を明確にするため、21/3期よりセグメントを下記の通りサービス別からマーケット別に変更した。

 

 

【1-3 沿革】

玉上社長が、7年間にわたる海外生活で言葉や文化の違いにより不便な思いをした経験から、「海外でも日本にいるときのように高品質で心のこもったサービスを受ける事ができればいいのに・・・。」という思いが会社設立(1986年10月)の動機。その翌年にニューヨークへ進出し、トラブルに遭った日本人からの問い合わせに24時間日本語で対応するサービスを開始した。その後、アジア、ヨーロッパの主要都市にネットワークを広げると共にサービス内容を拡充。国内でのサービスも育成して業容を拡大した。

 

2001年7月にヘラクレス市場に上場し、2003年10月には、秋田県秋田市に緊急要請を24時間年中無休で受け付けるコンタクトセンターを開設(現「秋田BPOメインキャンパス」WEST棟650席)。「長期的かつ安定した人材の確保によってはじめて顧客への安定したサービスの提供が可能になる」との考えから開設した同キャンパスは、その後、07年EAST棟(550席)、12年サテライト棟(300席)と規模を拡大。高品質のインフラに対するクライアントからの評価は高く、ショールームとしての役割に加え、秋田での新たな雇用創造の一翼も担っている。2012年12月の東証2部上場を経て、2013年12月に東証1部に市場変更。

 

【1-4 強み】

同社の強みは、安定したストックビジネス、高品質なサービスを支えるサービス拠点、そして、この結果としての高い収益性と経営効率を実現している事。

 

(1)安定したストックビジネス
クライアント企業である損害保険会社等の既存顧客向け付加価値サービス(保険特約)が中心のため、外部環境による収益の振れが比較的小さい。主たる業務委託契約フィーは、サービス対象者数×予想利用率によって算出され、サービス対象者やサービス対象者一人当たりの利用が増えると、翌期の委託契約フィーに反映される。特に自動車のトラブル対応は認知度の向上で導入企業や利用者が増加しており、継続的なサービス対象者数の増加と利用率の向上につながっている。自動車メーカーや販売会社がサービス収入の拡大に力を入れている事も追い風となっている。不動産関連サービスも同様に、フローの物件売り切りビジネスに依存していたマンションデベロッパー等がストックビジネスとして強化している事が追い風になっている。また、海外事業として手掛けているヘルスケア・プログラム(海外赴任での健康トラブル対応)は、成長著しい海外市場を目指す企業のグローバル展開が追い風になっている。

 

(2)高品質なサービスを支えるサービス拠点
高品質なサービスの提供を実現するために、国内でコンタクトセンターと現場部隊を展開すると共に、世界18ヶ国25拠点のグローバルネットワークを有する。

 

(3)国内6か所のBPO拠点
BPO拠点であるコンタクトセンターは、秋田BPOメインキャンパス(秋田県秋田市)、山形BPOパーク(山形県酒田市)、秋田BPOにかほブランチ(秋田県にかほ市)、富山BPOタウン(富山県射水市)、秋田BPO横手キャンパス(秋田県)、新潟BPO魚沼テラスの6カ所。人材の安定化を念頭に地方都市に開設している。
このほか横浜、青森にグループ会社のコンタクトセンターを有している。

 

*BPO拠点の稼働状況

 

席数

人員数

キャパシティ率

退職率

退職率前期比増減

秋田

1,500

1,416

94.4%

8.8%

-1.5%

山形

1,150

716

62.3%

9.0%

-4.8%

富山

1,000

682

68.2%

10.5%

-4.6%

横手

500

321

64.2%

13.7%

+5.9%

にかほ

300

243

81.0%

3.3%

-8.1%

魚沼

260

56

21.5%

16.7%

+3.4%

合計

4,710

3,434

72.9%

9.4%

-2.9%

*21年3月末現在

 

(4)全国主要都市において現場部隊を内製化
現場部隊については、(株)プレミアアシストが、ロードアシスト(自動車向け)、ホームアシスト(不動産向け)、及びパークアシスト(駐車場向け)を全国の主要都市に内製化した現場部隊を展開している(政令指定都市全てのカバーが目標)。
トラブル現場で顧客対応するスタッフは清潔感のあるユニフォームで統一された正社員であり、定期的にマナー講習等が実施され、サービス品質向上への取り組みには余念がない。同社グループ企業の正社員による現場対応への評価は高く、競争力の源泉となっている。

 

各海外拠点では、海外で病気・ケガをした際の医療費の査定やキャッシュレスで受診可能な病院ネットワークの開拓を行っている。

 

(同社Webサイトより)

 

【1-5 ROE分析】

 

17/3期

18/3期

19/3期

20/3期

21/3期

ROE (%)

14.4

13.1

12.7

11.7

10.0

 売上高当期純利益率(%)

9.46

8.87

8.56

7.54

7.31

 総資産回転率(回)

1.05

1.03

1.02

1.03

0.91

 レバレッジ(倍)

1.44

1.43

1.46

1.50

1.52

 

ROEは2桁台と高水準で推移しているが、企業規模の拡大とともに収益率及び回転率の低下によりROEは低下傾向にある。中期経営計画(2022-2024)では13%を目標としている。資産効率性を伴ったトップラインの拡大が望まれる。

 

2.2021年3月期決算概要

【2-1 連結業績】

 

20/3期 

構成比

21/3期 

構成比

前期比

予想比1

予想比2

売上高

42,377

100.0%

40,617

100.0%

-4.2%

-5.5%

-5.5%

売上総利益

8,985

21.2%

9,195

22.6%

+2.3%

販管費

4,026

9.5%

3,962

9.8%

-1.6%

営業利益

4,959

11.7%

5,233

12.9%

+5.5%

+4.7%

+0.6%

経常利益

5,364

12.7%

5,453

13.4%

+1.6%

+8.0%

+2.9%

当期純利益

3,193

7.5%

2,968

7.3%

-7.0%

-7.3%

-12.7%

* 単位:百万円。予想比1、予想比2はそれぞれ期初予想、20年10月発表の業績予想に対する比率。

 

減収、営業増益。ほぼ計画通りの着地
売上高は前期比4.2%減の406億17百万円。オートモーティブ事業、グローバル事業が新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた。

 

営業利益は同5.5%増の52億33百万円。アシスタンス業務における外注費(売上原価)の抑制や残業抑制および人員の再配置による人件費(売上原価・販管費)コントロールを進めた。売上総利益が同2.3%増加し、粗利率は1.4pt改善。販管費は同1.6%減少。
海外グループの収益減を国内事業でカバーした結果、税負担率が増加し、当期純利益は同7.0%減の29億68百万円。
予想に対しては、売上は未達、営業利益・経常利益は期初予想、修正予想共に上回ったが、当期純利益は未達となった。

 

当期純利益の見通しについては、過去の実績から「(営業利益+利息)×70%+持分法利益-少数株主持分」で設定し、業績の見通し修正時に同じロジックで再計算したが、比較的税負担の低い海外グループの収益減を国内事業でカバーした結果となり税負担率が増加したことに加え山形BPOパーク竣工による資産除去債務が発生したため、事業環境の変化を適切に反映できずに大きな差額が生じた形となった。

 

これを反省し、今後は固定したロジックによる算定を改め、積上げ算出を行い、見込み策定時に当期の特殊要因等を織り込むことに加え、事業環境を四半期ごとに精査し、精度向上を図ることとした。今期から実施済である。

 

【2-2 セグメント別動向】

 

20/3期 

構成比・利益率

21/3期 

構成比・利益率

前期比

予想比

オートモーティブ事業

21,000

49.6%

19,810

48.8%

-5.7%

-6.6%

プロパティ事業

5,298

12.5%

5,375

13.2%

+1.5%

-4.0%

グローバル事業

6,154

14.5%

4,593

11.3%

-25.4%

-14.1%

カスタマー事業

4,553

10.7%

5,211

12.8%

+14.5%

-0.2%

金融保証事業

4,334

10.2%

4,597

11.3%

+6.1%

+1.0%

IT事業

749

1.8%

554

1.4%

-26.0%

+10.8%

ソーシャル事業

287

0.7%

475

1.2%

+65.7%

-18.1%

連結売上高

42,377

100.0%

40,617

100.0%

-4.2%

-5.5%

オートモーティブ事業

2,466

11.7%

2,909

14.7%

+18.0%

+3.9%

プロパティ事業

530

10.0%

507

9.4%

-4.3%

-11.1%

グローバル事業

947

15.4%

235

5.1%

-75.1%

-41.3%

カスタマー事業

301

6.6%

713

13.7%

+136.6%

+29.6%

金融保証事業

1,074

24.8%

1,124

24.5%

+4.7%

+7.0%

IT事業

190

25.4%

126

22.7%

-33.6%

+57.5%

ソーシャル事業

-555

-379

連結営業利益

4,959

11.7%

5,233

12.9%

+5.5%

+0.6%

* 単位:百万円。予想比は20年10月発表の業績予想に対する比率。

 

オートモーティブ事業
減収増益。
国内における活動自粛の影響を受け、主にロードアシストの追加収益の獲得に至らず減収。
減収ではあったがPAシェア率向上、人件費コストコントロール等の生産性向上施策を実行し増益。営業利益率14.7%は過去最高水準である。

 

プロパティ事業
増収減益。
パークアシストは弱含みで推移したが、ホームアシストの堅調でカバーし増収。
魚沼を中心に受注能力の強化、基幹システム構築等の成長投資実行など一時的にコストが増加し減益。

 

グローバル事業
減収減益。
新型コロナウイルス感染症の影響を最も受けた海外旅行保険、現地決済クレジットカードの利用減や会員(家族含む)の帰国、受診控えが生じた。
駐在員向け医療サポートは、コロナ対応ニーズで新規獲得もあった。

 

 

カスタマー事業
増収増益。
既存ビジネスが堅調で増収。プロジェクトの採算改善も寄与し増益。

 

金融保証事業
増収増益。
グループ会社である株式会社イントラストが運営する保証プログラムが堅調に推移した。

 

IT事業
減収減益。
前期の受注検収の反動が生じた。

 

ソーシャル事業
増収、損失幅縮小。
前期の発達障害児支援プログラムの給付金返還の影響なく増収。営業利益は赤字幅縮小。

 

【2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー】

◎財政状態

 

20年3月

21年3月

増減

 

20年3月

21年3月

増減

流動資産

27,701

27,275

-426

流動負債

11,138

11,458

+319

現預金

17,089

16,310

-778

仕入債務

1,327

1,042

-284

売上債権

4,516

4,027

-489

短期有利子負債

350

250

-100

立替金

4,278

4,323

+44

前受金

1,903

3,135

+1,231

固定資産

15,189

19,480

+4,290

固定負債

1,851

2,408

+557

有形固定資産

8,898

11,234

+2,336

長期有利子負債

500

250

-250

無形固定資産

1,160

1,439

+279

資産除去債務

1,146

1,659

+512

投資その他の資産

5,130

6,806

+1,675

負債合計

12,989

13,866

+876

資産合計

42,891

46,755

+3,863

純資産

29,901

32,888

+2,986

       

利益剰余金

23,489

25,561

+2,071

       

負債純資産合計

42,891

46,755

+3,863

* 単位:百万円

 

有形固定資産の増加などで総資産は前期末に比べ38億円増加し、467億円。
前受金の増加などで負債合計は同8億円増加し138億円。
利益剰余金の増加などで純資産は同29億円増加の328億円。
自己資本比率は前期末より0.2ポイント上昇し66.1%となった。

 

◎キャッシュ・フロー

20/3期

21/3期

増減

営業CF

5,933

4,630

-1,303

投資CF

-2,796

-4,137

-1,340

フリーCF

3,137

493

-2,643

財務CF

-1,267

-1,356

-89

現金及び現金同等物残高

17,036

16,291

-745

* 単位:百万円

 

過去最大規模の投資CFを営業活CFでカバー。フリーCFは株主還元に充当する。

 

 

【2-4 事業の状況】

◎現場対応(フィールド)手配件数及びシェア
*手配件数

 

20/3期

21/3期

前期比

ロードアシスト

758

782

+3.2%

ホームアシスト

114

135

+18.2%

うち分譲

87

106

+22.0%

パークアシスト

234

257

+9.7%

 

*シェア率

 

20/3期

21/3期

前期比

ロードアシスト

13.9%

15.2%

+1.3pt

FCシェア率加算

16.0%

19.0%

+3.0pt

ホームアシスト

41.0%

37.8%

-3.2pt

うち分譲

49.9%

45.6%

-4.3pt

パークアシスト

83.5%

82.4%

-1.1pt

 

ロードアシスト::手配件数は3.2%増と低い伸び率だったが、大都市圏を中心にシェア向上を実施した。
ホームアシスト:手配件数は大幅増加もシェアは低下した。
パークアシスト:手配件数は増加したが、低効率の遠方エリア案件を外部委託したことによりシェア率は低下した。

 

3.2022年3月期業績予想

【3-1 連結業績】

 

21/3期 

構成比

22/3期(予) 

構成比

前期比

売上高

40,617

100.0%

45,000

100.0%

+10.8%

営業利益

5,233

12.9%

6,000

13.3%

+14.7%

経常利益

5,453

13.4%

6,200

13.8%

+13.7%

当期純利益

2,968

7.3%

3,400

7.6%

+14.5%

*単位:百万円。2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用。前期比は適用のない21年3月期との単純比較。

 

増収増益
売上高は前期比10.8%増の450億円、営業利益は同14.7%増の60億円の予想。
全事業増収を見込んでいる。
新型コロナウイルス感染症の影響が一部残ると想定しているが、「価値創造」を目指し、サービスメニューの追加、サービス領域の拡大を行う。また、コストコントロールを継続的に実施し、更なる生産性の向上を目指す。
配当は中間、期末とも前期比0.5円/株増配の4.00円/株、年間8.00円/株を予定している。予想配当性向は30.1%。

 

【3-2 セグメント別動向】

 

21/3期 

構成比・利益率

22/3期(予) 

構成比・利益率

前期比

オートモーティブ事業

19,810

46.7%

21,200

47.1%

+7.0%

プロパティ事業

5,375

12.7%

5,900

13.1%

+9.8%

グローバル事業

4,593

10.8%

5,000

11.1%

+8.9%

カスタマー事業

5,211

12.3%

6,200

13.8%

+19.0%

金融保証事業

4,597

10.8%

5,400

12.0%

+17.5%

IT事業

554

1.3%

700

1.6%

+26.2%

ソーシャル事業

475

1.1%

600

1.3%

+26.0%

連結売上高

40,617

95.8%

45,000

100.0%

10.8%

オートモーティブ事業

2,909

14.7%

2,800

13.2%

-3.8%

プロパティ事業

507

9.4%

750

12.7%

+47.7%

グローバル事業

235

5.1%

400

8.0%

+69.7%

カスタマー事業

713

13.7%

850

13.7%

+19.2%

金融保証事業

1,124

24.5%

1,300

24.1%

+15.6%

IT事業

126

22.7%

150

21.4%

+18.8%

ソーシャル事業

-379

-250

連結営業利益

5,233

12.9%

6,000

13.3%

14.7%

* 単位:百万円。予想比は20年10月発表の業績予想に対する比率。

 

オートモーティブ事業
増収減益。
活動の回復とサービスメニュー追加を図る。大手クライアントの立ち上げに向けた採用・教育や現場対応強化の成長投資負担発生し減益となるが営業利益率13.2%と高水準を維持する。

 

プロパティ事業
増収増益。
成長投資の効果を獲得する。

 

グローバル事業
増収増益。
ワクチンの普及で一部回復を見込んでいる。駐在員向けサービスを軸に展開する。

 

カスタマー事業
増収増益。
引き続きBCP需要等を見込んでいる。

 

金融保証事業
増収増益。
グループ会社の株式会社イントラストが引き続き堅調の見込み。

 

IT事業
増収増益。
開発パイプラインの回復を見込んでいる。

 

ソーシャル事業
増収、損失幅縮小。
一時的コストが収束する。

 

【3-3 設備投資・減価償却】

 

21/3期

22/3期

設備投資

3,567百万円

 

富山山トレーニングフィールド800百万円

山形BPOパーク1,960百万円

新潟BPO魚沼テラス220百万円

現場対応車輛等150百万円

IT関連280百万円

3.000百万円

 

秋田BPOにかほキャンパス2,000百万円

現場対応車輛等410百万円

IT関連300百万円

減価償却

1.154百万円

1,300百万円

 

4.中期経営計画

今期2022年3月期を初年度とする3か年の中期経営計画を策定した。

 

【4-1 前中計の振り返り】

2018年5月に「継続的、安定的な成長」「同社でしかできないサービスの創造」「地方都市での雇用の創造・継続」「女性の雇用機会の創出」「地域拠点での文化創造」を骨子とした中期事業計画「HOP3 for NEXT10」を策定し、事業を推進してきた。

 

(成果)
*2019年4月秋田県横手市(500席)、2019年10月新潟県魚沼市(リノベーション後260席)、2021年3月山形県酒田市(既存施設に500増席)と地方都市での職場環境を重視したBPO拠点を開設し、雇用の創造・継続に取り組む。
*女性の採用を更に進めるため、女性活躍推進担当の取締役を選任し、様々な施策を直接的に判断し、迅速に採用する施策を実行した。

 

(数値目標)

 

2018/3月期

2021/3月期

目標(22/3期)

売上高

33,119

40,617

45,000

営業利益率

12.8%

12.9%

14%

ROE

13.1%

10.0%

15%

ROA

14.4%

12.2%

10%

 

2021年3月期の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により計画の前提条件が崩れ未達となったが、骨子として設定した今後の成長の基盤となる「成長投資」は着実に実行した。

 

【4-2 概要】

(1)次の成長の実現に向けて
オートモーティブやカスタマーにおけるフィールド業務であるロードアシスト、保証等、自社ナレッジの活用によるカスタマーサポート業務などの強みをいかし、大手損害保険会社や自動車メーカーなどの新規受注も増加し、安定した成長を続けてきた。

 

新型コロナウイルス感染症の感染拡大は個人、企業の活動様式に大きな変革をもたらした。また、今後の通信、テクノロジーの革新は様々なサービスを創出するとともに、社会的課題も浮き彫りとなると想定している。こうした環境の中で、既存のサービスを延長するだけでは、その存在価値が薄れ、衰退に向かってしまう。

 

同社はITやDXを活用するナレッジプラットフォームを構築し業務工数の削減、見直し、更なる顧客ニーズへの対応など、同社ならではの価値提供により「価値創造企業」として更なる成長を目指していく。

 

具体的には以下のような目標を掲げている。
*引き続き10%以上の売上高成長
*26年度までにBPO総席数を6,000席超へ(現在4,500席)。24年度、26年度にそれぞれ500席規模拡大の投資を決定している。
*PREMIER Assistブランド拡充に向け、現場対応人数を現在の550名から880名へ拡大。

 

(2)長期ビジョンと中期経営計画
10年後の世界の課題を、アフターデジタル、高齢化社会、地域格差の拡大、環境問題などと捉えた上で、長期ビジョンとして『「価値創造企業」として社会的課題を解決するサービスを創出する』を掲げている。

中期事業計画2021-2024のビジョンは以下の通り。

1. PIでしか実現できないサービス領域の創造 人とITによる最高品質なオペレーションとフィールドサービスの提供
2.安定的・継続的な成長 地域拠点によるカスタマーサービスとフィールドにより、現場対応能力をITにより提供品質を高め、ナレッジを蓄積し新たなサービスとして再循環させる
3.地方都市での雇用の創造・維持 山形のBPO拠点は500席から1000席の山形BPOパークへ、にかほ300席から500席へ、一関500席新設
4. インクルーシブな職場環境の創出 女性活躍、女性管理職比率50%、障がい者雇用、スポーツ人財の活用

 

(3)PI-DXモデルの創造
成長実現にはDXの導入が重要な施策となる。
3段階での導入・活用を進める。

 

STEP1 コンタクトセンターで使用しているシステムの統一化を目指す *簡略化

クライアントごとに異なっているシステムへの対応、教育

 

*BCP対応

システム共通化により、他拠点や他チームへのサポート体制構築

 

*PI独自システムで運営可能

更なるナレッジ構築と共有が可能

STEP2 共通システムによるPIナレッジ活用サービスを新たな分野へ提供可能 *システム共有

サービス規模、対象業種、企業に合わせたスポットサービス提供可能

 

*サブスクリプション

初期投資が要らず、導入コスト抑制新しい契約モデルが提供可能

STEP3 ナレッジ共有による新たな顧客価値の提供を目指 *PIらしいサービス価値の創出

 

*DX化する社会との連携強化

 

*価値創出

顧客視点でのビジネス開発

 

(4)セグメント別戦略
①オートモーティブ
ロードアシストとカスタマーサポートのITによる更なる価値提供を目指す。

 

質+スピード+顧客価値(更なる満足)の追求のため、PAにおいては駆付け部隊の拠点拡充、保険においてはIT・DXによる教育システムの構築(ナレッジマネジメント)、メーカーにおいてはCASE対応のサービス構築に取り組む。

 

カスタマーサポートにおいては、事故受付を活用した新しいカスタマーサービスの創出や自動車以外の新たな損害保険マーケットに対するプラットフォームを通じたサービス提供などを検討している。

PREMIER Assistにおいては以下のような目標を立てている。

 

21/3期

24/3期(予)

プレミアアシスト-ロードアシスト当社直営

   

体制

230名

300名

出動数

120,000出動

200,000出動

FC

   

体制

41拠点

75拠点

出動数

30,000出動

120,000出動

 

②プロパティ(ホーム)
BPOとITの組み合わせにより「住」サポートのスタンダードモデルを提供する。

 

「居住者ニーズ対応のビジネス創出」「不動産事業におけるタッチポイント(受託業務)の拡大」「居住者ニーズの更なる実現の為の協業」のために、ITナレッジの共有・活用やラストワンマイル改革のためのパートナー開拓を進める。

 

現在72万戸のサービス提供戸数を2024年3月期には85万戸まで拡大する。全国の供給分譲マンション戸数(約673万戸)に占めるシェアを10.5%から12.6%まで引き上げる。
また24年3月期の手配数(ホームアシスト専有部修理件数)は30万件を目標としている。

 

PREMIER Assist(ホームアシスト)においては以下のような目標を立てている。

 

21/3期

24/3期(予)

体制

110名

230名

出動数

50,000出動

150,000出動

 

 

ペット産業における保険マーケットは年平均2桁で成長しており、動物の医療発展やペットの家族化により今後も需要が高まると見ている
そこで、ペットが病気になった際の相談・往診・搬送等のアシスタンスサービスと保険請求対応・システム提供等の保険BPOサービスを掛け合わせ、これまで培ったノウハウを活用しペット産業へ進出する。
ペットアシストの目標会員数は20万人としている。

 

③グローバル
HCP(ヘルスケアプログラム)を軸に拠点インフラを強化する。

 

具体的には、現地駐在員や在留邦人へのフィールドワークを展開し、未病&予防、言語や慣習・文化等、診療障壁の不安を解消するとともに、きめ細やかにニーズを汲み上げサービスメニューを拡充する。
また、PIナレッジを共通プラットフォームとして提供することで、クライアント企業の本社人事・現地法人・会員の間をシームレスにサポートする。

 

コロナ回復後を見据え、海外旅行サービスと同じインフラで高い存在価値を展開する。

 

HCP提供企業会員数の目標は以下の通り。

 

21/3期

24/3期(予)

HCP会員数

30,000名

国内本社営業マーケット 40,000名

海外現地法人マーケット 20,000名

 

現地駐在員、在留邦人へフィールドワークの展開で20,000人を獲得する。
海外在留邦人135万人のうち永住者を含まない民間企業関係の長期滞留者46万人に「安心・安全」を提供する。

 

④カスタマー
同社サービス利用の入口としての重要な機能であるため、高品質なサービス開発を継続する。

 

具体的には、以下3点に注力する。
「高付加価値な職場環境」
責任感をもって仕事をする環境としてのインフラを整備するため、PI独自の社員教育クライアントとwin-winの関係で提供し、低離職率を実現する。

 

「BCP対応の強化」
セキュアな環境で安定したオペレーションを継続するために、システムを共通化するとともに、他チームや他拠点も含めたサポート体制を構築する。

 

「共通システムPIナレッジ活用サービスの提供」
システム共有によるサービスに応じた高品質なスポットサービスを提供する。

 

⑤金融保証
既存クライアントの付加率向上と新規クライアント獲得による「ストックの積み上げ」、医療費保障、介護保障、養育費保障など「社会的意義に繋がる戦略の拡充」、消費者の安心・安全を広めるための「保証スキームで社会インフラを提供」という3つの取り組みにより持続的成長を目指す。

 

⑥IT
「人」でしかできないサービスの価値向上を目指す。

 

ナレッジのビジネスへの活用プラットフォームの実現、ITによる顧客ニーズに合わせたサービスの提供やアプリケーションとの連携等、カスタマーエクスペリエンスの価値創造に取り組む。

 

同社のITサービスでは、サービス規模に応じたスポットサービス提供が可能で、対象業種や企業に合わせた提供も可能である。また初期投資が要らず、導入コストも抑えられるほかサブスクリプション等新しい契約モデルも提供化可能な点が特徴である。

 

24年3月期に完成予定の「一関BPO(仮称)」をIT戦略の拠点として新たなサービスの開発・創造に取り組んでいく。

 

⑦ソーシャル
アランマーレでは、バスケットボール、バレーボール、ハンドボールそれぞれ全てのチームがトップリーグに参戦している。
選手による食育授業の活動や障がい児向けのハンドボール教室などを実施している。

 

企業主導型の事業所内保育施設「オランジェリー」では、地域との連携を強化しローカルニーズへ対応するために地域の保育園として開放するなど地域貢献を図り保育サービスの拡大を図っている。
また、学童が休みの期間に社内学童を開設し、誰もが無理なく働きたい職場環境の実現を目指している。

 

このほか、地方創生ファンド「PI Re-Turn Fund」が、社会貢献事業へのサービス提供を目指す地方活性化事業を展開している。

 

(5)地方創生、ESG
BPO拠点を5県・8拠点に拡大し、6,000席への増席を計画している同社では、雇用の創造・維持を通じた地域の成長と自社の成長は共鳴すると考えており、地域で獲得した利益を地域に再投資する「地域還元モデル」を構築している。

 

ESGにおいては、「S:ソーシャル」分野を中心に「地域還元モデル」「女性活躍推進」「健康経営」「スポーツ、保育園」「地方創生事業」をより深める。
また、職場環境の整備や経営ビジョンの共有化、ガバナンスの強化等の取組についても適切に情報開示を進め、マーケットとの健全な会話を継続する。

 

(6)財務目標
各戦略を有機的に結合させ、「PIでしかできない事業領域」を立体的に拡充することにより、2024年3月期連結ベースでの財務目標を以下のように設定した。

 

 

21/3期

24/3期 目標

増減/CAGR

売上高

40,617

60,000

+13.9%

営業利益

5,233

8,000

+15.2%

ROA

12.2%

10%

-2.2%

ROE

10.0%

13%

+3pt

総還元性向

30.2%

30%以上

*単位:百万円

 

5.今後の注目点

減収で営業利益も小幅な増加にとどまった21年3月期であったが、売上高は前期第1四半期をボトムに緩やかながら回復傾向にある。新型コロナウイルス感染症の拡大状況は国・地域ごとにバラツキがあるため今後の影響は依然不透明であるが、短期的な視点からは四半期売上がどのあたりからコロナ禍前の110億円レベルを超えてくるかを注目していきたい。
また、中期経営計画においては、「PIでしか実現できないサービス領域の創造」に向けたDX導入についての具体的な取り組み及びその進捗を見ていきたい。

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態 監査役設置会社
取締役 5名、うち社外2名
監査役 4名、うち社外2名

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2021年06月08日)
基本的な考え方
当社におけるコーポレート・ガバナンスとは、エンドユーザー、クライアント企業、株主、従業員、地域等の各ステークホルダーとの関係における企業経営の基本的な枠組みのあり方と理解しております。当社及び当社グループとして、コーポレート・ガバナンスの充実・強化は株主利益および企業価値向上のための責務と考えており、以下の方針を定めております。
1 株主の権利を尊重し、平等性を確保します。
2 各ステークホルダーとの適切な協働を図ります。
3 会社情報を適切に開示し、透明性の確保を図ります。
4 公正・透明で迅速果断な判断を可能にする取締役会等の体制の構築に取り組みます。
5 株主との適切な対話を行ないます。

 

<実施しない主な原則とその理由>
補充原則4-10-1(諮問委員会等の設置)
当社は、任意の指名・報酬委員会などの独立した諮問委員会を設置していませんが、取締役候補の選任や取締役の報酬については、取締役会の決議に先立ち、独立社外取締役に対し説明を行い、適切な助言を得ています。このように、取締役候補の選任や取締役の報酬について、独立社外取締役の適切な関与・助言を得ていることから、これらに係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任は十分担保されているものと考えています。

 

<開示している主な原則>
補充原則4-11-3(取締役会全体の実効性について)
当社では、取締役会事務局であるグループ経営統括本部が、全取締役および全監査役を対象に「取締役会の実効性評価に関するアンケート」を実施しております。実施結果を取りまとめ、取締役会において分析・評価を行なっております。アンケート回答を分析した結果、取締役会の実効性について、適切であると評価しました。他方、取締役会の役割やメンバー構成、取締役会において期待される議案設定、議案資料の改善等、多岐にわたって建設的な意見・提案が示されました。各意見・提案については優先度の高いものから対応を検討し、取締役会での審議の充実化を図りたいと考えております。また評価手法についても改善を進めていきます。

 

原則5-1(株主との建設的な対話に関する方針)
当社では、グループ経営統括本部を担当部署としております。株主や投資家に対しては、決算発表後に決算説明会を開催するとともに、逐次、各BPO拠点見学を兼ねた説明会やスモールミーティングを実施しております。また、海外機関投資家向けにスモールミーティングも実施しております。株主・投資家との建設的な対話を促進するための体制・取組みに関する基本方針は以下のとおりになります。
(1)株主との対話については、建設的な対話が実現するよう、代表取締役又はIR担当責任者が直接面談に臨むことを基本としております。
(2)IR担当責任者は、グループ経営統括本部を管掌し、グループ管理統括本部等を含めて他部署と十分な連携をとれる横断的な体制を構築しております。
(3)株主構造の把握に努めるとともに、決算説明会および各BPO拠点において個人投資家向け説明会を実施しております。
(4)代表取締役およびIR担当責任者は、取締役会および執行役員会において対話の状況について定期的にフィードバックを行なっております。
(5)決算説明会および株主のとの面談は、すでに開示されている情報を敷衍して説明することとしており、開示されていない重要事実に該当する事実については開示・説明しない方針であります。かかる措置は、株主間の公平、市場の健全性の確保のほか、株主の自由な株式売買を保障するうえで必要な措置と認識しております。

 

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