エン・ジャパン(4849) 減収減益 コスト削減徹底に注目
越智 通勝 会長 |
鈴木 孝二 社長 |
エン・ジャパン株式会社(4849) |
|
会社情報
市場 |
東証1部 |
業種 |
サービス業 |
代表者 |
越智 通勝、鈴木 孝二 |
所在地 |
東京都新宿区西新宿 6-5-1 |
決算月 |
3月 |
HP |
株式情報
株価 |
発行済株式数(自己株式を控除) |
時価総額 |
ROE(実) |
売買単位 |
|
3,000円 |
44,770,034株 |
134,310百万円 |
19.6% |
100株 |
|
DPS(予) |
配当利回り(予) |
EPS(予) |
PER(予) |
BPS(実) |
PBR(実) |
-円 |
-% |
-円 |
-倍 |
834.74円 |
3.6倍 |
*株価は8/25終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
*BPS、ROEは20年3月期実績。数値は四捨五入。
*21/3期の会社予想DPSとEPSは未定。
連結業績推移
決算期 |
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属 する当期純利益 |
EPS |
DPS |
2017年3月(実) |
31,719 |
6,856 |
6,848 |
4,005 |
88.03 |
27.60 |
2018年3月(実) |
40,710 |
9,626 |
9,731 |
6,366 |
139.93 |
46.50 |
2019年3月(実) |
48,733 |
11,661 |
11,834 |
8,144 |
178.97 |
62.80 |
2020年3月(実) |
56,848 |
11,005 |
11,057 |
7,125 |
156.23 |
74.80 |
2021年3月(予) |
– |
– |
– |
– |
– |
– |
(単位:百万円、円)
*21/3期の業績予想については、新型コロナウイルスによる事業及び業績への影響を正確に把握し、反映することが困難であるとの認識により、期初段階では公表が見送られた。
エン・ジャパンの2021年3月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.新中期経営計画(20/3期~22/3期)
3.2021年3月期第1四半期決算
4.2021年3月期第2四半期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 21/3期第1四半期は売上高が前年同期比24.1%の減収、営業利益が同57.0%の減益。売上面は、国内求人サイトにおいて、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令後、顧客企業の採用需要減少や採用の見合わせ等が増加したことにより、売上高が大幅に減少した。人材紹介は、子会社のエンワールド・ジャパン(以下、EWJ)及び、エン・ジャパンの人材紹介であるエン エージェントともに採用需要減少の影響を受けたものの、成功報酬型が主体の収益モデルであるため、前四半期の営業成果を中心とした売上高が今第1四半期に計上され増収となった。海外事業は、3ヶ月遅れで業績を取り込んでおり新型コロナウイルス感染拡大の本格的な影響を受ける前の業績となるため、ベトナムは求人サイトを中心に増収となった一方で、インドはIT派遣事業を中心に事業を展開しており、インド国内の経済環境悪化の影響等を受け減収となった。こうした中、変動費である広告宣伝費を中心に削減を行った他、全般的な見直しを前倒して進めたことが費用面の削減に結び付いた。
- 21/3期の会社計画は、新型コロナウイルスによる事業及び業績への影響を正確に把握し、反映することが困難であるとの認識により、第1四半期決算発表段階でも公表が見送られた。また、同様の理由により21/3期の配当予想も未定となった。一方、現時点で見通しが可能である第2四半期連結会計期間のみ業績予想が開示された。第2四半期連結会計期間の売上高は前年同期比30.1%減の197億3百万円、営業利益は同67.9%減の19億92百万円の予定。
- 主力のエン転職をはじめとする国内求人サイトの多くは、掲載課金型の課金モデルであり、広告掲載時に売上高が計上される特性を持っている。すなわちこれは、悪くなる時のスピードは速いが、良くなる時のスピードも速いことを意味している。4-6月期の採用環境が反映されることから成功報酬型サービスや海外子会社の業績の落ち込みが避けられない中、6月以降の採用活動再開の中で、エン転職の売上高がどの様な回復力を示すのかが注目される。
1.会社概要
「人材採用・入社後活躍」を支援する企業として、採用事業のほか、顧客企業の社員に対する集合型研修サービスを中心とした教育・評価事業も展開。創業以来、「主観正義性と収益性の両立」という考え方を背景に求職者に徹底的に尽くすというスタンスを貫いてきたことで優位性を確立。現在は、更なる成長を実現すべく人材紹介サービスと海外展開、HR-Techサービスなどの新規事業を推進している。より組織・事業にフィットした人材の採用から、入社後の活躍・定着までを一貫して実現するサービスを提供することで継続的な成長につなげていく方針。
同社は、入社後活躍がゴールとの考えのもと、就職・転職自体をゴールとせず、「入社者の仕事人生の充実」・「企業の業績向上への貢献」をゴールとし、サービスを提供している。また、同社は、3つの「E」を連動させるエン・ジャパンの3Eメソッドに テクノロジーを掛け合わせ、より多くの「入社後活躍」の実現を目指している。
(同社決算説明資料より)
主なグループ企業
連結子会社 |
事業内容 |
エンワールド・ジャパン(株) |
グローバル企業向け人材紹介・人材派遣 |
(株)アイタンクジャパン |
インターン/新卒採用支援事業、大学生向けメディア事業 |
Navigos Group, Ltd.(ベトナム) |
ベトナムNo.1の求人サイト運営及び人材紹介 |
en world Recruitment(Thailand) Co., Ltd.(タイ) |
人材紹介、人材派遣 |
New Era India Consultancy Pvt. Ltd.(インド) |
人材紹介 |
Future Focus Infotech Pvt.Ltd.(インド) |
IT人材派遣 |
英才網聯(北京)科技有限公司(中国) |
中国4番手規模の総合求人サイト |
国内求人サイト
|
内容 |
|
特徴 |
顧客企業 |
エン転職 |
総合転職情報サイト |
・ |
一般企業直接募集原稿は、1社1社独自に 取材・撮影 |
一般企業 |
・ |
求職者の立場に立った正直かつ詳細な求人 情報 |
|||
ミドルの転職 |
人材紹介会社集合サイト |
・ |
ミドル層の転職に強い500社以上の人材紹介会社及び求人情報を掲載 |
人材紹介会社 一般企業 |
・ |
コンサルタントの得意領域、実績などに加え ユーザーからの評価を公開 |
|||
AMBI |
20代ハイクラス特化型求人サイト |
・ |
20代×年収500万円以上の案件が中心 |
人材紹介会社 一般企業 |
・ |
一般企業、人材紹介会社によるスカウトに軸を置いたサイト設計 |
|||
エンジニアHubキャリア |
Webエンジニアに特化した求人サイト |
・
・ |
「年収500万円以上」「自社プロダクトを持つ企業」の案件が中心 IT・Webエンジニア経験者向けの求人を厳選 |
一般企業 |
エン派遣 |
人材派遣会社集合サイト |
・ |
人材派遣会社の情報及び求人情報を掲載 |
人材派遣会社 |
・ |
ユーザーが直感的に操作しやすい検索機能 |
|||
エンバイト |
アルバイト求人情報サイト |
・ |
主に人材派遣会社が保有するアルバイト求人情報を掲載 |
人材派遣会社 |
・ |
ユーザーの閲覧履歴からお勧めバイトを提案する等、ユーザーの希望にあったバイト探しをサポート |
|||
ウィメンズワーク |
女性向け求人情報サイト |
・ |
正社員として働くことを希望する女性向け求人サイト |
人材派遣会社 |
・ |
「正社員または正社員登用あり」の求人のみ 掲載 |
|||
・ |
オフィスワーク系職種を多数掲載 |
国内人材紹介
|
内容 |
|
特徴 |
顧客企業 |
エンワールド・ジャパン |
人材紹介 |
・ |
日本国内に営業・サービス・製造などの拠点を設けている 外資系企業及びグローバルな展開を行っている日系企業がクライアント。グローバル人材の中間管理職~エグゼクティブレベルの案件を取扱う |
外資系企業 日系企業 |
・ |
グローバル人材の紹介領域において、国内トップクラスのシェア |
|||
エン エージェント |
人材紹介 |
・ |
エン・ジャパンが持つ求職者データベース及び企業顧客との取引実績を活用した人材紹介サービス。 |
日系企業 |
海外事業
|
国 |
内容 |
|
特徴 |
顧客企業 |
NEW ERA |
インド |
人材紹介 |
・ |
インドで事業を行う現地企業及びグローバル企業がクライアント |
現地企業 グローバル企業 |
・ |
高年収層の案件を中心に取り扱っており、IT関連に強み |
||||
Future Focus Infotech |
IT人材派遣 |
・ |
IT派遣で20年の実績があり、代表的なIT 企業を数多く顧客に持つ |
現地企業 グローバル企業 |
|
・ |
AIやIoTなど先端技術への投資・教育に力を 入れている |
||||
Navigos Search |
ベトナム |
人材紹介 |
・ |
ベトナムにおいてNo.1の人材紹介 |
現地企業 グローバル企業 日系企業 |
・ |
現地企業・グローバル企業に対し、管理職 レベルの人材を紹介。日系企業も強化 |
||||
VietnamWorks |
総合求人情報 サイト |
・ |
ベトナムにおいてNo.1の求人サイト |
現地企業 グローバル企業 日系企業 |
|
・ |
主に現地の人材と現地企業・グローバル企業が顧客対象。日系企業も強化 |
||||
英才網聯(北京)科技有限公司 |
中国 |
求人サイト |
・
・ |
2004年に設立。建築・不動産領域に強みを もつ求人サイトを運営 近年では建築・不動産以外の領域も強化 |
現地企業 グローバル企業 |
En world |
タイ |
人材紹介 |
・ |
タイで事業を行う現地企業及びグローバル企業がクライアント |
現地企業 グローバル企業 |
・ |
管理職以上の案件を中心に取り扱っており、高年収層に強み |
HR-Tech
|
内容 |
|
特徴 |
顧客企業 |
engage |
採用・入社後の活躍を目的としたデジタルプラットフォーム |
・ |
フリーミアムモデルの採用支援ツール |
一般企業 |
・ |
高クオリティな企業の採用ホームページ、求人募集を簡単かつスピーディーに作成可能 |
|||
・ |
作成した求人は自動で「indeed」や「googleしごと検索」等に連携 |
|||
・ |
有料プランの利用により、より多くの応募獲得を顧客企業に提供し、採用強化をサポート |
|||
・ |
適性テストやリテンション対策ツール等、関連サービスもengage上に搭載 |
国内その他事業・子会社
|
内容 |
|
特徴 |
顧客企業 |
3Eテスト en-college、 HR OnBoard |
社員の活躍・定着を図る各種サービスの提供 |
・ |
適性テストの開発・販売 |
一般企業 人材派遣会社 |
・ |
研修サービス「エンカレッジ」の運営 |
|||
・ |
リテンション対策ツール「HR OnBoard」の開発・販売 |
|||
・ |
人事評価制度の構築 等 |
|||
iroots |
新卒学生向けスカウトサイト |
・ ・ |
新卒学生向けの逆求人型就活スカウトサイト プロフィールや適性診断に基づき、企業が直接新卒学生にスカウトすることができるサービス |
一般企業 |
ZEKU 株式会社ゼクウ |
採用管理システム 業務管理システム |
・ |
求人情報、面接者、応募対応、効果測定などの各種管理を一元化 |
人材派遣会社 一般企業 |
・ |
採用後のスタッフや求人募集案件を一元管理 |
|||
O.W.L.S |
Webサイト及びアプリケーションのデザイン・開発受託 |
・ |
UI×UXグロース事業を展開。デザインだけではなく、ユーザーがサイトやアプリを通じて得る適切な体験までを設計・コンサルティングの上でサービスを提供 |
一般企業 |
キャリアバイト |
大学生向け インターン情報サイト |
・ |
時間の切り売りではなく「成長できる有給インターン」を目的とした 大学生向けサイト |
一般企業 |
・ |
インターンシップサイトのパイオニアであり、国内最大級の実績、求人件数 |
|||
JapanWork |
外国人向け求人事業 |
・ |
チャットで日本国内の外国人求職者と採用企業とのやり取りを代行 |
一般企業 |
・ |
日本語のみの求人案件や電話での会話が難しいことなど、求職者側の不自由を解決 |
|||
・ |
コミュニケーション不足により、求職者が面接に来ない等、採用企業側が抱える課題を解決 |
|||
pasture |
フリーランスマネジメントサービス |
・
・ |
フリーランスへの発注、進捗、請求を一元管理できるクラウドサービス 受発注情報を全てデジタル化、CRMや会計ソフトなど他Webサービスとの連携も |
一般企業 |
FREELANCE START |
フリーランスエンジニア 案件検索エンジンサイト |
・ ・ |
国内最大級のフリーランス案件検索エンジンサイト フリーランスエージェントの案件情報をまとめて検索・ エントリーが可能 |
フリーランス エージェント |
その他新規事業 ※非連結子会社
|
内容 |
|
特徴 |
顧客企業 |
Insight Tech |
マーケティングリサーチ AIを活用したデータ解析 |
・ |
消費者から買い取った「不満」をDB化~解析し、商品開発に役立つ商品として企業へ販売 |
一般企業 |
・ |
高度なデータ解析技術を元に企業が保有するデータを解析。課題解決のソリューション提供 |
|||
エン婚活エージェント |
オンライン 婚活支援サービス |
・ |
「結婚後の幸せ」をゴールとした新しいコンセプトの婚活サービス |
一般消費者 |
(同社決算説明資料より)
採用事業のビジネスモデル
(同社決算説明資料より)
売上計上の特性
(同社決算説明資料より)
同社サービスの売上高は、国内求人サイトのエン転職および派遣会社向け求人サイトは掲載課金型が主体の収益モデル、人材紹介会社向け求人サイトは成功報酬型が主体の収益モデルという特性を有している。成功報酬型は、実際の受注活動および成約から売上高の計上タイミングが2~4ヶ月程度遅れる傾向にある(同社サービス経由の候補人材が新たな会社に入社した時点で売上高を計上するため)。また、海外子会社の業績は、3ヶ月遅れて業績へ取り込まれる。
同社の強み
同社は、1,000万人を超える求職者のデータベースを有する。現在、主に求人サイト領域で年間約300億円の売上高を上げているが、今後はこうした国内トップクラスの求人サイト資産を有効活用し、人材紹介やHR-Tech領域での売上高拡大を目指している。
また、直販中心の営業体制、理念を重視した経営、求職者重視、クオリティ重視、採用・教育・評価連動、企業規模と資金力など強みが複合的な要素で構成されており、模倣が困難となっている。
(同社決算説明資料より)
海外進出の状況
同社はアジア圏を中心に海外にも展開している。2013年4月にベトナム最大の求人サイト及び人材紹介を手掛ける「Navigos Group」を子会社化した。また、同年12月にはタイの人材紹介会社「The Capstone Group Recruitment and Consulting(現、en world Recruitment(Thailand) )」、2014年6月にはインドの人材紹介会社「New Era India Consultancy」を子会社化した。更に、2019年3月にインドのIT人材派遣会社「Future Focus Infotech」を子会社化した。
現在は、中長期観点からベトナム・インドにリソースを集中している。
(同社HPより)
ESGの取り組み状況
同社は、採用した人が定着せず、転職を繰り返すほうが短期的な収益に貢献する業界構造は課題であり、持続的な事業成長につながらないという考え方のもと、就職・転職自体をゴールとせず、「入社者の人生の充実」・「企業の業績向上への貢献」をゴールとし、入社後に活躍できるための各種のサービスを提供している。具体的には、エン転職では、「100%の取材・正直・詳細な原稿」や「担当者名」、「顔写真入りの責任原稿」を掲載している。さらに加えて、業界初で口コミサイトと求人広告を連動させ、企業からの口コミに関するコメント機能も充実。更に、従業員の離職リスクを早期に可視化し適切なフォローを実施でき、入社者の早期離職を防ぐことのできるリテンション対策ツールであるHR OnBoardを提供している。
また、国・地方自治体・NGO団体等の、持続的な発展に必要な「人材面」の課題を解決するため、同社及び同社サービスによる全面的な採用支援を多数実施している。
(同社決算説明資料より)
更に、ダイバーシティとして、女性の活躍推進と福利厚生の適用拡大を充実している。女性の活躍推進では、女性活躍を推進するプロジェクト「WOMen らぼ」を展開し、育児休暇をとる社員のサポートとして交流会、ランチ会の開催、女性社員満足度調査、スマートグロース制度(育休復帰後の時短勤務による、キャリア停滞・収入減を防ぐことを目的とした制度)などを実施。こうした取り組みにより、エン・ジャパン単体(2019年3月現在)で従業員に占める女性の割合54.0%、取締役における女性の割合40%(2名)となっている。
更に、同性のパートナーがいる社員向けにも福利厚生制度を適用し、拡大している。従来男女の婚姻関係がある社員に提供していた福利厚生制度を同性のパートナーがいる事実婚関係の社員へも適用。結婚記念日お祝い金、慶弔休暇、単身赴任時の金銭補助、退職給付株式の遺族給付なども提供している。
2.新中期経営計画(20/3期~22/3期)
同社は、2019年5月14日に中期経営計画(20/3期~22/3期)を公表していた。中期経営計画の基本方針は、①国内求人サイトは、売上高拡大重視から安定的な利益成長を重視、②国内人材紹介は、売上高成長・シェア向上による規模の拡大、③海外事業は、ベトナム・インドにリソースを集中、Tech領域の強化、④HR-Techは、積極的な投資を行い、高収益モデルを確立。最終年度である22/3期に、売上高850億円(19/3期比74%増)、営業利益230億円(19/3期比97%増)を目指すという数値目標であった。
しかし、2020年5月13日に中期経営計画の取り下げを行った。新型コロナウイルスによる経済活動の停止、顧客企業の業績悪化、景気後退及び採用活動の停滞等により、短期的には同社グループの業績に大きな影響が見込まれる一方で、構造的な人手不足要因等により、コロナ終息後は徐々に採用需要が回復する可能性も高い。こうした状況下、新型コロナウイルスの収束時期を予想することは極めて困難であり、現時点で中期経営計画を合理的に算定することが困難であるとの判断である。
中期経営計画(連結)
|
19/3期 実績 |
20/3期 実績 |
21/3期 計画 |
22/3期 計画 |
売上高合計 |
487.3 |
568.4 |
700 |
850 |
営業利益 |
116.6 |
110.0 |
164 |
230 |
配当性向 実績・計画 |
37% |
50% |
(単位:億円)
なお、中期経営計画の基本戦略方針に大きな変更はなく、算定可能な状況になった場合に改めて公表される見込みである。
(同社決算説明資料より)
3.2021年3月期第1四半期決算
(1)2021年3月期第1四半期連結業績
|
20/3期 第1四半期 |
構成比 |
21/3期 第1四半期 |
構成比 |
前年同期比 |
会社予想 |
予想比 |
売上高 |
13,763 |
100.0% |
10,442 |
100.0% |
-24.1% |
10,000 |
+4.4% |
売上総利益 |
11,221 |
81.5% |
8,094 |
77.5% |
-27.9% |
7,480 |
+8.2% |
販管費 |
8,316 |
60.4% |
6,846 |
65.6% |
-17.7% |
7,365 |
-7.0% |
営業利益 |
2,904 |
21.1% |
1,248 |
12.0% |
-57.0% |
115 |
+981.7% |
経常利益 |
2,892 |
21.0% |
1,236 |
11.8% |
-57.3% |
143 |
+764.8% |
親会社株主に帰属 する四半期純利益 |
1,917 |
13.9% |
618 |
5.9% |
-67.8% |
3 |
+19124.5% |
(単位:百万円)
※数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。
※数値は財務会計基準(2019年3月期4Qに英才網聯を持分法適用会社から連結子会社化し、同社1期分の業績は2019年3月期4Qに一括計上した数値との比較。)
売上高は前年同期比24.1%減収、営業利益は同57.0%減益
売上高は前年同期比24.1%減の104億42百万円。国内求人サイトの売上高は、前年同期比大幅な減収となった。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令後、顧客企業の採用需要減少や採用の見合わせ等が増加したことが影響した。正社員求人サイトのエン転職及び派遣会社向け求人サイトは、掲載課金型が主体の収益モデルであり、急激な求人減少の影響が業績に早く表れた。人材紹介会社向け求人サイトは、成功報酬型が主体の収益モデルであるため、前四半期の営業成果を中心とした売上高が今第1四半期に計上されており、前年同期比で増収となった。国内人材紹介の売上高は減少が限定的となった。EWJ、エン エージェントともに採用需要減少の影響を受けたものの、成功報酬型が主体の収益モデルであるため、前四半期の営業成果を中心とした売上高が今第1四半期に計上されていることが寄与した。また、海外事業の売上高も前年同期を大幅に下回った。海外事業は、3ヶ月遅れて業績を取り込んでおり、注力国であるベトナム、インドの1~3月における状況は、新型コロナウイルス感染拡大の本格的な影響を受ける前の業績となっている。このため、ベトナムは求人サイトを中心に増収とまった。一方、インドはIT派遣事業を中心に事業を展開しており、インド国内の経済環境悪化の影響等を受け、減収となった。また、中国においては求人サイトを運営しており、1~3月は新型コロナウイルスの感染拡大及びロックダウンの影響を大きく受けた。その他、HR-Techは、売上高が前年同期比5.7倍に拡大した。人事・採用プラットフォームのengageは、利用社数が28万7,000社(2020年6月現在)と順調に増加。有料利用社数は前年同期比では6倍超と増加したものの、新型コロナウイルス感染拡大により想定よりも採用ニーズが減少したことを受け、前四半期比の有料利用社数は約20%減少した。なお、有料利用社数は5月を底に6月以降は回復基調となっている模様である。売上高は、計画比で4.4%上振れた。これは、エン転職やEWJなどの上振れが寄与したものの。
利益面では、変動費である広告宣伝費を中心に削減を行った他、全般的な見直しを前倒して進めたことにより総費用が前年同期比15.3%減少した。営業利益は前年同期比57.0%減の12億48百万円。売上総利益率は同4ポイント低下し、売上高対販管費比率は同5.2ポイント上昇した。前倒しでコスト削減も進み、営業利益は計画比で約10.8倍となった。その他、営業外損益は概ね前年同期並みで、特別損益は減損損失2億35百万円が大きなものであった。
売上原価の主な費用
※19/3期は英才網聯科技有限公司の業績を遡及して反映した参考値
21/3期第1四半期の売上原価は、前年同期比で約7%減少した。IT派遣のFFI社(インド)派遣スタッフ関連費用及びエン・ジャパン単体の広告制作外注費用等が減少したもの。
販管費の主な費用
※19/3期は英才網聯科技有限公司の業績を遡及して反映した参考値
21/3期第1四半期の販管費は、前年同期比で約17%減少した。広告宣伝費を売上連動で削減、その他の費用も予定より前倒しで削減したもの。
(2)セグメント別動向
国内求人サイト【エン転職、ミドルの転職、AMBI、エン派遣、エンバイト、その他関連商品販売等】
|
20/3期1Q実績 |
21/3期1Q計画 |
21/3期1Q実績 |
前期比 |
計画比 |
|||||
(百万円) |
利益率 |
(百万円) |
利益率 |
(百万円) |
利益率 |
増減額 (百万円) |
増減率 |
増減額 (百万円) |
増減率 |
|
売上高 |
7,550 |
– |
4,231 |
– |
4,642 |
– |
-2,908 |
-38.5% |
411 |
+9.7% |
営業利益 |
2,844 |
37.7% |
592 |
14.0% |
1,218 |
26.2% |
-1,626 |
-57.2% |
626 |
+105.7% |
エン転職は、採用ニーズ減少の影響を大きく受けるも、5月を底に6月以降回復基調。市場下落率よりも影響を抑えて着地。中小向けに期間延長等キャンペーンを強化した。人材紹介会社向けサイトは、成功報酬型モデルのため、1Q業績はコロナ影響
が少なく、微増収。2Qへの影響が大きくなる見通し。派遣会社向けサイトは、顧客派遣会社の採用ニーズが大きく減少。現状
は既存派遣スタッフの就業が優先であり、新規スタッフ採用ニーズの回復には一定の時間を要する見込み。こうした環境下、利益は計画比上振れで着地した。売上増に加え、全般的なコスト削減に努めた成果。
国内人材紹介【エンワールド・ジャパン、エン エージェント、 その他関連商品販売等】
|
20/3期1Q実績 |
21/3期1Q計画 |
21/3期1Q実績 |
前期比 |
計画比 |
|||||
(百万円) |
利益率 |
(百万円) |
利益率 |
(百万円) |
利益率 |
増減額 (百万円) |
増減率 |
増減額 (百万円) |
増減率 |
|
売上高 |
3,049 |
– |
2,758 |
– |
2,812 |
– |
-237 |
-7.8% |
54 |
+2.0% |
営業利益 |
370 |
12.1% |
55 |
2.0% |
448 |
15.9% |
78 |
+21.1% |
393 |
+714.5% |
エン エージェントは、一部を除き、業種全般で採用ニーズは大幅に減少。個別に需要のある企業へのアプローチを強化。商談・候補者面談はオンラインをいち早く推進し、今後も継続する。 需要面は6月以降、徐々に回復傾向となっている。EWJは、採用ニーズ減少の影響を受けるも、ハイクラス人材が対象のため、相対的には底堅く推移している。こうした環境下、費用は前倒しで削減した成果により、利益計画を大幅に超過した。一方、成功報酬型のため、2Qの業績に本格的なコロナの影響が出る見通し。
海外事業【ベトナム、インド、中国、タイ (求人サイト、人材紹介、IT技術者派遣)】
|
20/3期1Q実績 |
21/3期1Q計画 |
21/3期1Q実績 |
前期比 |
計画比 |
|||||
(百万円) |
利益率 |
(百万円) |
利益率 |
(百万円) |
利益率 |
増減額 (百万円) |
増減率 |
増減額 (百万円) |
増減率 |
|
売上高 |
2,728 |
– |
2,182 |
– |
2,208 |
– |
-520 |
-19.1% |
26 |
+1.2% |
営業利益 |
285 |
10.4% |
130 |
6.0% |
128 |
5.8% |
-157 |
-55.1% |
-2 |
-1.5% |
海外子会社の業績は、3ヶ月遅れで取り込まれているため、1Qは1-3月の業績が反映されている。そのため中国子会社が大幅な減収となった。また、2Qにコロナ影響が本格的に表れる見込みである。ベトナムは、3月下旬のロックダウン実施後、早期に経済活動が再開されたが、採用ニーズの回復は緩やかとなっている。インドは、IT派遣が主体であり、契約期間もあることからコロナによる売上減少は限定的ではあるものの、コロナが長期化した場合、顧客の需要悪化が懸念される。
HR-Tech【engageおよび関連サービス販売】
|
20/3期1Q実績 |
21/3期1Q計画 |
21/3期1Q実績 |
前期比 |
計画比 |
|||||
(百万円) |
利益率 |
(百万円) |
利益率 |
(百万円) |
利益率 |
増減額 (百万円) |
増減率 |
増減額 (百万円) |
増減率 |
|
売上高 |
43 |
– |
344 |
– |
246 |
– |
203 |
+472.1% |
-98 |
-28.5% |
営業利益 |
-393 |
-914.0% |
-312 |
-90.7% |
-295 |
-119.9% |
98 |
– |
17 |
– |
前年同期比で大幅な売上増となったが、コロナウイルスによる影響を想定以上に受け、計画比では未達となった。応募可能性が高い案件の獲得を強化。営業人員を増強し、有料利用社数及び購入応募数の増加を図った。こうした環境下、必要な投資は継続しつつ、売上高に連動したコストは抑制した。前年同期では売上増加により、赤字が縮小するも、計画比ではコスト抑制により想定線の赤字となった。
国内その他事業・子会社【教育評価商品、新卒採用商品、ゼクウ、アウルス、 Brocante、新規事業開発他】
|
20/3期1Q実績 |
21/3期1Q計画 |
21/3期1Q実績 |
前期比 |
計画比 |
|||||
(百万円) |
利益率 |
(百万円) |
利益率 |
(百万円) |
利益率 |
増減額 (百万円) |
増減率 |
増減額 (百万円) |
増減率 |
|
売上高 |
514 |
– |
609 |
– |
657 |
– |
143 |
+27.8% |
48 |
+7.9% |
営業利益 |
9 |
1.8% |
-163 |
-26.8% |
-41 |
-6.2% |
-50 |
-555.6% |
122 |
– |
売上高はサブスクリプションモデルのゼクウ社や新卒関連事業が伸長した他、ブロカント社の新規連結寄与があった。こうした環境下、売上高は増加したものの、新規事業開発投資を強化していることから、コスト先行となり減益となった。一方、売上の超過や費用の削減により、計画比では赤字幅が圧縮された。
(3)engageの状況
engageは総利用社数が28万社を突破し、利用企業数国内No.1の求人サービスへ成長した。engageの第1四半期(4-6月期)の売上高は2億46百万円と前年同期から約6倍に拡大したものの、計画比では約28%下回った。
(同社決算説明資料より)
(同社決算説明資料より)
(4)財政状態
|
20年3月 |
20年6月 |
|
20年3月 |
20年6月 |
現預金 |
28,081 |
22,436 |
仕入債務 |
475 |
323 |
売上債権 |
5,736 |
3,670 |
未払法人税等 |
1,883 |
527 |
立替金 |
2,047 |
2,045 |
流動負債 |
11,762 |
8,543 |
流動資産 |
37,065 |
29,568 |
固定負債 |
1,485 |
1,719 |
有形固定資産 |
1,021 |
1,052 |
負債 |
13,247 |
10,262 |
無形固定資産 |
7,712 |
7,426 |
純資産 |
38,648 |
34,212 |
投資その他 |
6,096 |
6,427 |
負債・純資産合計 |
51,896 |
44,475 |
固定資産 |
14,830 |
14,906 |
有利子負債合計 |
0 |
0 |
(単位:百万円)
※ 有利子負債=借入金(リース債務含まず)
20/6月末の総資産は前期末比74億21百万減少の444億75百万円。資産サイドでは、現預金や売上債権等が、負債・純資産サイドでは、未払法人税等や賞与引当金や配当金の支払いによる利益剰余金等が主な減少要因。総資産の約66%を流動資産が占める等、資産の流動性が高い。自己資本比率も75.2%と、高水準を維持している。
(5)投資方針
DX事業の立ち上げと投資強化
同社は、新たに中小企業向けDX推進事業を立ち上げ、M&A・出資枠200億円の内、100億円をDX領域ヘ投資する。DX領域のスタートアップベンチャー等への出資・子会社化を通じて、これら企業より提供された商品を同社顧客へ提案・導入することで、顧客の生産性向上に貢献する方針である。
(同社決算説明資料より)
(6)投資実績(2019年4月以降の累積)
総額約28億円のM&A及び出資を実施
同社は、国内外のIT・デジタル領域やニッチ領域に強みを持つ人材関連を中心に投資を行う方針を掲げており、2019年4月~2020年6月までに累積で約28億円のM&Aと出資を実施した。
また、DX事業立ち上げ・投資強化の第1弾として、セールステックカンパニーの「オンリーストーリー社」へ出資(2020年6月)を行った。
M&A |
11.7億円 |
◆Japan Work社(チャットボットを活用した外国人向け求人事業) ◆NLV Training社(ベトナムの社会人向けオンライン教育事業) ◆ブロカント社(国内最大級のITフリーランス向け案件情報サイト 「FREELANCE START」を運営) など |
出資 |
16.4億円 |
◆Hajimari 社:旧ITプロパートナーズ(ITフリーランス・起業家支援事業)◆オンリーストーリー社(経営者マッチングプラットフォーム運営等) ◆国内外のテクノロジー関連ファンドなど計15件の出資 |
*Japan work社は現金約0.9億円+自己株式による取得
*ブロカント社は自己株式による取得約5.9億円
4.2021年3月期第2四半期業績予想
(1)2021年3月期第2四半期連結業績
|
20/3期 第2四半期 |
構成比 |
21/3期 第2四半期 |
構成比 |
前期比 |
売上高 |
28,204 |
100.0% |
19,703 |
100.0% |
-30.1% |
売上総利益 |
23,026 |
81.6% |
15,247 |
77.4% |
-33.8% |
販管費 |
16,825 |
59.7% |
13,255 |
67.3% |
-21.2% |
営業利益 |
6,200 |
22.0% |
1,992 |
10.1% |
-67.9% |
経常利益 |
6,197 |
22.0% |
1,956 |
9.9% |
-68.4% |
親会社株主に帰属する四半期純利益 |
4,108 |
14.6% |
1,018 |
5.2% |
-75.2% |
(単位:百万円)
21/3期第2四半期連結累計期間の業績予想は、前年同期比30.1%減収、同67.9%営業減益
21/3期の業績予想と配当予想については、新型コロナウイルスによる事業及び業績への影響を正確に把握し、反映することが困難であるとの認識により、第1四半期決算発表段階でも公表が見送られた。一方、現時点で見通しが可能である第2四半期連結会計期間のみ業績予想が開示された。通期業績予想と配当予想については、今後算定が可能となった段階で速やかに公表する予定である。
新型コロナウイルスによる業績影響の前提については、国内では緊急事態宣言の解除により、6月以降は採用活動再開の動きが見られるものの、急速な回復までには至らず、緩やかに採用需要が回復すると想定している。同社グループが事業を営む海外各国に関しては、3ヶ月遅れて業績を取り込まれている。このため現地の4月~6月の実績を元に算定され、この間のロックダウン等による影響を受けた業績が含まれている。また、国内外ともに、新型コロナウイルスの感染が更に拡大し、ロックダウン等が再度実施されるようなケースは業績計画に含まれていない。
また、同社サービスの売上高は、国内求人サイトのエン転職および派遣会社向け求人サイトは掲載課金型が主体の収益モデル、人材紹介会社向け求人サイトは成功報酬型が主体の収益モデルという特性を有している。成功報酬型は、実際の受注活動および成約から売上高の計上タイミングが2~4ヶ月程度遅れる傾向にある(同社サービス経由の候補人材が新たな会社に入社した時点で売上高を計上するため)。また、国内人材紹介のエン エージェント及び子会社のEWJにおいても、成功報酬型の収益モデルであるため、同様の売上高の計上タイミングとなる。
21/3期第2四半期連結累計期間の会社計画は、売上高が前年同期比30.1%減の197億3百万円、営業利益が同67.9%減の19億92百万円。
売上高面では、四半期ベース(7-9月期)で国内求人サイトが前年同期比47%程度の減収、国内人材紹介が同29%程度の減収、 海外子会社が同28%程度の減収を想定。一方、HR-Techは前年同期比約4倍の増収を想定している。これは、企業の採用活動は緩やかな回復が見込まれるものの、売上高計上のタイミングにより成功報酬型サービスや海外子会社の業績が、第2四半期連結会計期間に大きなマイナスの影響を受けるものである。また、費用面では、総費用が四半期ベース(7-9月期)で前年同期比23.6%減少する計画。第1四半期から進めた広告宣伝費のコントロールの継続に加え、第2四半期からは業務委託費等のアウトソース関連費用の更なる削減が見込まれる。
21/3期第2四半期(7-9月期)の業績予想
|
2020年3月期 第2四半期 |
2021年3月期 第2四半期 |
増減 |
増減率 |
売上高 |
14,441 |
9,261 |
-5,180 |
-35.9% |
営業利益 |
3,295 |
743 |
-2,552 |
-77.5% |
経常利益 |
3,305 |
719 |
-2,586 |
-78.2% |
親会社株主に帰属する四半期純利益 |
2,190 |
399 |
-1,791 |
-81.8% |
(単位:百万円)
成功報酬型サービス及び海外子会社の連結のタイミングの影響により、売上高は第2四半期が底となる見込み。
管理会計ベースの21/3期第2四半期(7-9月期)のセグメント別売上高・営業利益(会社計画)
|
20/3期 第2四半期 |
21/3期 第2四半期 |
増減 |
増減率 |
|
国内求人サイト |
売上高 |
81.7 |
43.0 |
-38.7 |
-47.4% |
営業利益 |
31.9 |
13.8 |
-18.1 |
-56.7% |
|
営業利益率 |
39.0% |
32.1% |
– |
-6.7P |
|
国内人材紹介 |
売上高 |
29.9 |
21.1 |
-8.8 |
-29.3% |
営業利益 |
3.8 |
-0.9 |
-4.7 |
-123.8% |
|
営業利益率 |
12.8% |
-4.3% |
– |
-17.1P |
|
海外事業 |
売上高 |
27.9 |
20.0 |
-7.9 |
-28.3% |
営業利益 |
3.1 |
0.7 |
-2.4 |
-76.9% |
|
営業利益率 |
11.0% |
3.5% |
– |
-7.2P |
|
HR-Tech |
売上高 |
0.8 |
3.3 |
+2.5 |
+316.3% |
営業利益 |
-3.6 |
-2.7 |
+0.9 |
– |
|
営業利益率 |
-450.0% |
-81.1% |
– |
+377.5P |
|
その他事業・子会社 |
売上高 |
5.2 |
6.1 |
+0.9 |
+17.3% |
営業利益 |
0.1 |
-0.7 |
-0.8 |
-800.0% |
|
営業利益率 |
1.9% |
-11.5% |
– |
-15.4P |
|
全社調整 |
売上高 |
-1.2 |
-1.0 |
+0.2 |
– |
営業利益 |
-2.4 |
-2.7 |
-0.3 |
– |
|
連結 |
売上高 |
144.4 |
92.6 |
-51.8 |
-35.9% |
営業利益 |
32.9 |
7.4 |
-25.5 |
-77.5% |
|
営業利益率 |
22.8% |
8.0% |
– |
-14.8P |
(単位:億円)
急激な採用需要の縮小により、特に国内求人サイトの売上高とセグメント利益が大幅に減少する見込み。
21/3期第2四半期(7-9月期)の費用計画
|
20/3期 第2四半期 |
21/3期 第2四半期 |
増減 |
増減率 |
原価 |
26.3 |
21.0 |
-5.2 |
-20% |
販管人件費 |
35.2 |
31.0 |
-4.1 |
-12% |
広宣販管費 |
25.2 |
12.9 |
-12.3 |
-49% |
その他販管費 |
24.6 |
20.0 |
-4.5 |
-19% |
総費用 |
111.4 |
85.1 |
-26.2 |
-23% |
(単位:億円)
今四半期は、広告宣伝費に加え、それ以外の変動費を本格的に削減する予定。
(2)ポストコロナに向けた同社の対応
同社内においてもDX化を推進し、コロナ前に戻さない方針。
【4月以降の主な取り組み】
◆各種申請・決裁・請求書などの電子化
◆各部門、在宅勤務を基本。在宅勤務手当の新設
◆通勤定期代支給を廃止し、実費精算
◆営業活動や求職者対応も、オンラインでの活動を継続
◆社内に収録スタジオを新設、社内外のコミュニケーションをオンライン化
◆オフィス面積を40%程度縮小(順次)
5.今後の注目点
新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令後、顧客企業の採用需要減少や採用の見合わせ等が増加した影響により同社の第1四半期決算は、前年同期比24.1%減収、同57.0%営業減益の厳しい内容となった。更に、成功報酬型サービスの売上は、2~4ヶ月程遅れて業績に反映されること、また、海外子会社も3ヶ月遅れて業績が取り込まれることから、4-6月の採用環境が反映される第2四半期(7-9月期)は、第1四半期(4-6月期)よりも、更に落ち込む会社計画となっている。しかし、国内においては緊急事態宣言解除後、6月から徐々に採用が再開されている。主力のエン転職をはじめとする国内求人サイトの多くは、掲載課金型の課金モデルであり、広告掲載時に売上高が計上される特性を持っている。すなわちこれは、悪くなる時のスピードは速いが、良くなる時のスピードも速いことを意味している。収益性が高い主力のエン転職の動向が同社の業績へ与える影響力は大きく、成功報酬型サービスや海外子会社の業績の落ち込みをオフセットするには余りあると思われる。6月以降の採用活動再開の中で、エン転職の売上高がどの様な回復力を示すのかが注目される。また、同社は第1四半期に会社計画以上のコストダウンを実施し、会社計画の10倍以上の営業利益を達成した。流石のマネジメント力と言えよう。第2四半期においても更なるコストダウンを徹底する計画であり、今後の総費用の削減状況が注目される。
加えて、今期より中小企業向けDX推進事業を立ち上げ、M&A・出資枠200億円の内、100億円をDX領域へ投資することとなった。DX領域における魅力的な企業への投資が、どの様な魅力的な新サービスの提供に結び付くのか今から非常に楽しみである。今後のDX領域における戦略に注目して行きたい。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
<組織形態および取締役・監査役の構成>
組織形態 |
監査役会設置会社 |
取締役 |
5名、うち社外2名 |
監査役 |
3名、うち社外3名 |
◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日: 2020年6月26日
<基本的な考え方>
当社は、その事業を通じて、株主やクライアント等様々なステークホルダーをはじめ、広く社会に役立つ存在でありたいと考えております。そのために、当社グループ全体として経営環境の変化に対応できる組織体制を構築することを重要な施策と位置付けており、当社グループの健全な成長のため、コーポレート・ガバナンスの強化と充実を図り、公正な経営システム作りに取り組んでおります。また、役職員の倫理観・誠実さを高めることは、様々なステークホルダーの真の信頼を得るうえで、基本的な前提となると考えております。今後もコンプライアンスに関する教育の徹底等内部管理体制の更なる整備を進め、これを適正に機能させることによって、健全な経営を確保してまいります。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
【補充原則4-8】
当社は、独立社外取締役を1名選任しております。社外取締役井垣 太介は、東京証券取引所の有価証券上場規定第436条の2に規定する独立役員の要件をすべて満たしており、候補者と一般株主との間に利益相反を生じるおそれがないと判断しておりますが、候補者の所属する法律事務所の方針に従い、独立役員として指定、届け出は行っておりません。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく主な開示>
【原則1-4】
上場株式を保有しないことを原則としますが、業務提携その他経営上の合理的な目的に基づき上場株式を保有する場合には、その目的に応じた保有であることを定期的に確認し、中長期的な視点で保有目的にそぐわないと判断した企業の株式については、株価や市場動向等を考慮して売却いたします。政策保有株式に係る議決権行使については個別に中長期的な視点での企業価値向上、株主還元向上につながるかどうか等の視点に立って判断しますが、対象会社の企業価値を毀損するおそれがある議案については特に留意して判断します。
【原則1-7】
当社は、関連当事者取引の範囲の把握及び取引を適切に管理するためのフローを明確にするため、「関連当事者取引 管理ガイドライン」を制定しております。関連当事者の範囲については、総務部が作成及び年一回更新する「調査票」により把握しており、関連当事者取引が発生する場合には、その重要性によって事前に取締役会による決議もしくは「稟議・申請規程」に基づく決裁を必要としております。実施した関連当事者取引については、管理本部長がその重要性を「関連当事者開示にする会計基準適用指針」に基づき判断したうえで、その概要を有価証券報告書等において開示しております。
【原則2-6】
当社は、企業年金の制度がございません。従いまして、本件に関しまして当社の財政状況に対するリスクが生じることはありません。 将来、導入を検討する場合がございましたら運用に対する十分なスキルを有した人材の配置を検討いたします。
【原則3-1】
(ⅰ)当社は、「『人間成長』の実現」として、「成果を求められる日々の働く場で、仕事の能力を高め、精神面だけでなく、物質面(収入面)でも豊かになること、つまり心物両面で豊かになること」を経営理念としております。