アグロ カネショウ (4955 東証一部)

2015/03/06

中堅の農薬専業メーカー、野菜や果実向けが多い
15 年 12 月期業績は、薬剤の開発費負担大幅増で営業減益予想

業種:化学
アナリスト:松尾  十作

◆ 中堅の農業薬品専業メーカー
・アグロ カネショウ(以下、同社)は、果樹、野菜向け等の農薬の製造販売 を行っている中堅農薬専業メーカーである。導入品に独自のノウハウを 加えた農薬と自社開発農薬で業容を拡大してきた。

◆ 14 年 12 月期は 2.5%増収、118.1%営業増益
・14/12 期決算は、前年同期比 2.5%増収、同 118.1%営業増益であった。 同社の第 3 四半期決算公表時の予想に対する達成率は売上高 98.4%、 営業利益 108.3%であった。
・営業利益が予想を上回ったのは、委託試験費の計上予定額の一部が 先送りされ、販売費及び一般管理費が見込み額より少額にとどまったた めである。

◆ 15 年 12 月期業績予想
・15/12 期について同社は、前期比 3.4%増収、58.3%営業減益を見込ん でいる。14 年 10 月に買収した新規薬剤の貢献もあり増収を見込むもの の、薬剤開発費の大幅増を計画していることから減益としている。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)も従来予想を修正し、前期比 5.2%増収、47.1%営業減益を予想する。同社予想との相違点は、当セン ターは 14/12 期並みの原料単価を想定しているが、同社は一部原料単 価の上昇を想定している点にあると推察される。

◆ 投資に際しての留意点
・同社は東京電力に対し、福島第一原子力発電所の事故により操業停止 に追い込まれた福島工場の補償を求めている。既に一部を受け取って いるが、引き続き補償を求めていく方針である。
・同社は、東証第二部から第一部へ指定されたことを記念し、14/12 期の 1 株当たり配当金を、記念配当 7 円を加え 27 円とする予定である。15/12 期については普通配当のみの年 20 円配とする意向である。当センター は 15/12 期以降、年 20 円の普通配当が継続すると予想する。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。