ワイヤレスゲート (9419 東証マザーズ)
無線通信サービスのアグリゲーター国内最大手
新規事業の先行費用で 14 年 12 月期の営業利益は微増益に留まる
業種:情報・通信業
アナリスト:松尾 十作
◆ 高速ワイヤレス・ブロードバンドサービスを提供
・ワイヤレスゲート(以下、同社)は、通信インフラを所有しない仮想移動体 通信事業者(MVNO)として、複数の無線通信事業者から通信インフラを 借り受け、高速ワイヤレス・ブロードバンドサービスを、個人向けに提供し ているアグリゲーターである。
◆ 14 年 12 月期は新規事業の先行費用計上で営業微増益
・14/12 期決算は、前期比 29.1%増収、1.2%営業増益で、同社の期初予 想に対し売上高で 107.0%、営業利益で 88.2%の達成率であった。
・利益未達の要因は、新規事業である LTE 通信対応の SIM カード販売 事業において、開業準備費用、販売促進費等の先行費用発生により営 業損失 121 百万円を計上したことである。
◆ 15 年 12 月期業績予想
・15/12 期について同社は、前期比 37.0%増収、69.9%営業増益を見込ん でいる。事業別売上高予想及び想定している期末会員数は開示してい ない。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)は、売上高のみ従来予想 11,000 百万円から 11,200 百万円(前期比 23.0%増)に増額修正し、利益 予想は据え置いた。ワイヤレス・プラットフォーム事業及びその他の売上 高予想を、14/12 期実績に鑑み増額修正したが、販促費増等を考慮して、 利益予想は据え置いた。
◆投資に際しての留意点
・同社の利益還元方針は、持続的な成長に必要な内部留保を確保しつ つ利益配当することを基本としている。目標とする配当性向は持たない が、配当金総額は前の期を下回らないように配慮している
・同社は 15/12 期の 1 株当たり配当金を 26 円と予想している。当センター も 26 円配を予想する。16/12 期以降の同社業績について、当センターで は増益基調を見込んでいることから、毎期 1 円の増配を予想する。