エンカレッジ・テクノロジ (3682 東証マザーズ)
システム証跡監査ツールのパッケージソフトウェアの開発及び販売を手掛けている
教育産業におけるシステム管理者の情報漏えい事件が業績に影響
業種:情報・通信業
アナリスト:松尾 十作
◆ システム証跡監査ツールのソフトウェア大手
・エンカレッジ・テクノロジ(以下、同社)は、セキュリティ対策、及び内部統 制向けのパッケージソフトウェアの開発、販売、運用、保守及びサポート までを一貫して行なっている。
・主要顧客は、金融機関、官公庁、大手上場企業、システムインテグレー タである。
◆ 15 年 3 月期上期決算は微増収、営業 2 桁減益
・15/3 期第 2 四半期累計(以下、上期)決算は、前年同期比 1.1%増収、 12.4%営業減益であった。期初の同社予想に対する達成率は売上高 85.5%、営業利益 81.1%であった。
・予想未達の背景は、ライセンス販売及び新規ライセンス案件に付随する コンサルティング案件の先送りによるもので、教育産業におけるシステム 管理者の情報漏えい事件を契機に販売を見込んでいた先がセキュリティ 対策を見直したことが業績に影響した。
◆ 15 年 3 月期業績予想を下方修正
・15/3 期業績について同社は期初見通しの 26.7%増収、14.3%営業増益 から 13.1%増収、1.3%営業増益に修正した。15/3 期上期実績を踏まえて 売上高予想を減額、販売費及び一般管理費も抑制する模様である。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)も、前回(14 年 7 月)レポート の 28.0%増収、21.4%営業増益予想から、同社予想並みの前期比 13.5% 増収、1.9%営業増益に下方修正した。
◆ 投資に際しての留意点
・14/3 期の 1 株当たり配当金は年間 15.0 円で配当性向は 17.3%であった。 15/3 期の 1 株当たり配当金について同社は未定としている。
・当センターは、同社が 15/3 期の配当性向について 20%を目標としている ことと業績予想を下方修正したことから、1 株当たり配当金予想を年 17.5 円から年 15.0 円へと修正した。