GCC経営™分析レポート:インパクトホールディングス株式会社(東証グロース市場 証券コード:6067)
860万件の現場調査データ「店舗DB」のAI解析提案で高成⾧を実現

2022/06/02

ベーシック ・ レポート
ジェイ・フェニックス・リサーチ(株)
宮下修・柏尾陽介

完全独自の860万件の店舗現場観察データ「店舗DB」によるAI解析提案
福井社⾧は銀行、セブン-イレブンを経て2004年に当社の前身となる株式会
社メディアフラッグを創業した。店舗の現場を観察する覆面調査事業、メーカーの
売上アップの販促企画を支援するラウンダー事業などで高成⾧を実現し、2012
年にはマザーズに上場した。2019年にはインド・コンビニ事業に進出したが、事業
化が困難で投資は減損し、株価は大きく低迷した。その後同じく2019年には、
創業当初からPOSデータと組み合わせることで、精度の高い販促策の仮説構築
につながるために蓄積した店舗現場データをAI解析して販促策を提案する「店舗
DB」を軸にした事業展開を開始した。

店舗販促企画のAI推論エンジンの精度上げる「店舗DB」
店舗企画の仮説を構築するときに「原因、因果関係、結果(小前提、大前
提、結果ともいう)」の3つのうち、原因に関するデータを提供するのが店舗DBの
役割である。POSデータは結果のデータである。セブン-イレブンでPOSの活用を学
んだ福井社⾧は、創業以来時間をかけて860万件の店舗現場観察データを構
造化し蓄積し続けていた。最新AI解析ノウハウを応用し、「店舗DB」POSデータ
等と結びつけ、もっとも効果の高い販促企画にふさわしい店舗を選び集中販促す
ることで、少ない費用で大きな成果を達成する提案力が増大した。その結果、
2019年12月期と比較すると2021年12月期は売上で1.76倍、営業利益で
3.6倍と高成⾧を遂げた。店舗DBによってこれまでの販促企画よりも、「非効率」
「ムダ」の省いた、環境、働く人に優しい「SDGs販促」を実現した。

高成⾧・高収益、SDGs貢献型IT企業として潜在的に大きなアップサイド余地
IT企業でデータベースを活用しSDGs等への貢献があり、高成⾧で高い投下資
本利益率を達成している企業の多くは10年後に創出されるキャッシュフローを織り
込んだ株価形成がなされる場合がある。そのような視点で株主価値を試算した結
果、現状の時価総額の2.5倍の500億円超と推計された。当社の株価形成をみ
ると、インド・コンビニ事業がすでに簿価ゼロで減損リスクがないにもかかわらず、減
損リスクの発生をまだ恐れているような状況である。簿価ゼロであると認識され、高
成⾧・高収益、SDGs貢献型IT企業だと認知されることで、今後1年で大幅株
価アップサイドが実現される可能性は十分あろう。

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TIW/ANALYST NET
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