株式会社キャンバス(4575 Mothers)
事業提携 と資金調達で開発推進

2019/11/01

フォローアップレポート
フェアリサーチ株式会社
鈴木 壯

事業提携と資金調達 により開発体制は堅固に
2019 年10月10日、 キャンバスは、 アドバンテッジアドバイザーズとの事業提携と同社の関係ファンドを引受先とする資金調達を発表 した。 アドバンテッジアドバイザーズのネットワークにより、提携活動が製薬企業のみならず、食品・化学等へ拡大強化される ことや、キャンバスの成長のために必要な人材の紹介・確保につながること、投資家リレーションの 強化などが期待される。また、 今回の資金調達予定額は、約 12 億円 である。 開発推進のために、提携・導出による資金獲得が理想的ではある。ただし、 前回の調達が計画未達に終わった こと 、 CBP501 拡大相の試験費用が当初見込みより膨らむ可能性が高くなったなかで、 提携・導出の獲得には不確実性があり、当面の開発推進を 堅固 なものとするため、今回の事業提携と資金調達は次善の策として評価したい。

用量漸増相と拡大相を合わせた好感触は不変
がんを取り巻く微小環境の解明が進展し、 2010 年以降、がん治療は、オプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤出現というパラダイムシフトが発生した。しかし、免疫チェックポイント阻害剤の有効性は、がん種によって高低があることがわかっている。免疫チェックポイント抗体の効きにくいがん種でも奏効する キャンバス の薬剤 CBP501 の開発成功への期待は、競合する開発品が 次々に 開発中断に陥るなか、ますます高まっている。拡大相の途中結果は非開示であるが、依然として 2019 年 8 月の説明会で示された会社側の好感触(=少なくとも科学的・統計的に次相に進む価値あり)には変化がないようである。 2020 年半ばまでに中間とりまとめを行い、 ASCOあるいは ESMOでの発表が期待される

第 2 の開発品 CBS9106 で奏功例出現
キャンバスが米国ステムライン社に導出し 、ステムライン社が 開発 している XPO1 阻害剤CBS9106 (一般名 Fele zo nexor は、 現在、第Ⅰ相臨床試験の用量漸増相の段階にある。これまで病勢安定例のみが報告されてきたが、 2019 年秋の ESMO にて難治性の大腸がんを対象に比較的長期にわたる奏効例の出現が発表された。これが契機となって、最適投与量や投与間隔などレジメンの確定と次のステップの計画が固まっていくものと推察される。安全性が 比較的 高 く 、先行品の市場 血液がん を狙った開発も考えられよう。

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